────── 数ヶ月後
太宰治
ねえ〇〇見て?此の縫いぐるみ
買い物から帰ってきた太宰が、 懐から縫いぐるみを取り出す。
金色の瞳に赤色の首輪を着けた、 黒猫の縫いぐるみ。
太宰治
〇〇にそっくりだろう?
太宰治
贈呈品
黒猫〇〇
私にくれるの?
太宰治
そうだよ
太宰治
喜んでくれたかな?
黒猫〇〇
う、ん……ありがと
太宰治
!!、うん!
嬉しそうに笑った太宰の周りには ハァトと星が散らばった様に見える。
其れに私の口角も少し上がった。
太宰治
〇〇が私の事を好きになってくれる日はくるのかなぁ
黒猫〇〇
え、?
太宰治
少し、後悔もしているんだ
太宰治
無理矢理監禁なんて、
太宰治
どんなに愛しているといっても可哀想だったなぁって
黒猫〇〇
……うん
黒猫〇〇
でも、今悲しくないから、大丈夫
私、何云ってるんだろ。
黒猫〇〇
好きだよ、ちゃんと
太宰治
え、
黒猫〇〇
最初は怖くて、悲しくて、逃げたかった
黒猫〇〇
でも今はまあまあ此の生活に満足してるよ
こんなに一途に愛してくれる人を、 好きにならないなんて無理なのかもしれない。
黒猫〇〇
私が振り向いたら太宰が飽きちゃうって事は無い?
太宰治
無い、無いに決まってるよ
太宰治
本当に…私の事好き、?
黒猫〇〇
うん、好き
太宰治
もう私から離れようとしない?
黒猫〇〇
うん、しないよ
太宰治
良かったぁ…
安心した様に私を抱きしめた太宰。
肩口が冷たく湿って、太宰が泣いていると気付いた。
私の為に喜んだり怒ったり泣いたり、 其れは幸せな事なのかもしれない。
私の感覚は、もう麻痺していた。
太宰治
大好き。愛してるよ、〇〇
黒猫〇〇
にゃあ♡






