星は恋をした
人間に
エトワール
ステラ、何をしてるんだ?
ステラ
エトワール!
ステラ
見て、彼が家に帰る所よ
エトワール
はいはい…
彼の趣味は天体観測
望遠鏡越しに一度目があった
そのとき、一目惚れをしたの
ステラ
でも、彼今日はどこか様子が変…
フラフラとしている
もしかして体調が悪いのだろうか
エトワール
よせよ
エトワール
俺らにはどうにも出来ないぞ
ステラ
あっ…!
エトワール
あ、
バタリと地上の彼が倒れた
夜中の為、人通りも少ない
ステラ
…やるしか…!
エトワール
おいおいまさか…
ステラ
私、地上に降りる
エトワール
やめとけ
エトワール
一度地上に落ちちまえば朝、お前は消える
ステラ
わかってる…!
エトワール
ならここに残って何億年も生き続けて
エトワール
アイツを照らしてた方がずっといいって分かってんだろ!?
ステラ
それでも見てみぬふりは出来ないよ!
エトワール
ステラっ!
その日、一つの流れ星が落ちた
ステラ
いた!
彼の腕を肩にまわす
ステラ
えっと家は…
いつも見てたから分かる
ここから歩いて15分
急いで家に連れて行かなきゃ
彼
ん…
ステラ
酷い熱…
濡らしたタオルをそっと額に乗せる
ステラ
ステラ
きっと良くなるわ
初めて触れた人間の肌
とても温かい
もうすぐ朝が来る
消滅、してしまうんだ
やっぱり少し怖い
その時だった
彼
彼
あ、り…がと
ステラ
…っ!
そうだよね
好きな人の役に立てたんだもん
消えたって後悔はない
ステラ
どういたしまして
ステラ
バイバイ!
朝が、やって来た
彼
ん…
だるい身体を起こす
彼
俺、倒れて…それで…
額からぬるくなったタオルがずり落ちる
彼
これ…確か
一瞬、綺麗に輝いた金髪を見た気がする
また会えるだろうか?
俺は不思議と空を見た
彼
星みたいだった…
その後
会社で一つ話を聞いた
夜、とても美しい流れ星が一つだけ落ちたんだと