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私には、兄がいる。

でも、兄は眠り続けている。

兄は、事故で意識不明になりました。

その時、私は7歳でした。

兄は、事故に遭ってから植物状態になり、眠り続けました。

お母さんもお父さんも悲しんでいました。

私も悲しみました。

だって、かっこ良くて頭が良い自慢の大好きな兄だもの。

散々泣いた後、私は決意しました。

兄を蘇らせる

そのために、私は大嫌いな勉強を頑張りました。

その頃の私は、願いを自らの手で叶えるために無我夢中だったと思います。

そんな私を両親は心配していました。

私は偏差値が1番高い高校、大学、大学院へと進学しました。

そこで私は、人間に近いロボットやAI、さらに人類の記憶を扱う技術に触れてきました。

この技術を自分が向上させていけば、兄を蘇らせる!

そう考えた私に両親はこんな事を告げました。

ありさ、話があるんだ。

ありさ

お父さん、お母さん。どうしたの?

ありさ、秀平の事なんだけど…

ありさ

それなら、心配しないで。

ありさ

大学院でね、人型ロボットとか人間に近いAIとかね。

ありさ

人類の記憶を使った技術を勉強してるの!

ありさ

この技術を使えば、お兄ちゃんを元に戻せるの!!

そんな夢のような事を言うのはやめないか、ありさ。

ありさ

夢じゃない!本当に実現できる!

ありさ、落ち着いて聞いて。

母さん達ね、秀平の臓器を提供しようと思ってるの。

ありさ

え…?

ありさ

うそでしょ…

秀平は確かに生きているよ。

植物状態として。

でも、これ以上秀平に辛い思いさせたくない。

ありさ

お父さんとお母さんの言いたいことは分かる。

ありさ

秀平は辛いよ。

ありさ

ずっと眠ったまんまで。

ありさ

秀平は16年の時を失っちゃった…

このまま、仮に秀平の意識が戻ったとしても

失った年月は戻れないの。

意識が戻った後の人生は、過酷だと思うの。

臓器提供して、他の苦しんでいる人たちを救う方が秀平も本望だと思うの。

ありさ

仮に失った年月が重かったとしても

ありさ

私がお兄ちゃんを支える

ありさ

私はね、勉強が嫌いで運動もそこそこ。

ありさ

おまけに泣き虫なクセに身の程知らずなくらいやんちゃだった。

ありさ

そんな私をいつも支えてくれたのがお兄ちゃんなの。

ありさ

だから、次は私がお兄ちゃんを支える番。

ありさ、やめてくれ

秀平に縛られる必要はない

そんなの秀平は望んでない

ありさ

分かった。

ありさ

そんなに秀平を蘇ってほしくないなら

違う!

ありさ!秀平はもう戻ってこないの!!

ありさ

この家、出てくよ。

ありさ

病院から秀平を連れていくよ。

私は家を出た後

兄の介護をしながら、勉強を続け、実験を繰り返した。

寝ない日もあったし、風邪で寝込んだ日もあった。

10年ほど経って、私は開発したのだ。

人の感触に近いロボットのボディ

臓器となる部品とコンピュータ

人類の記憶を保存できるチップ

顔も兄にそっくりだ。

知り合いの医者や教授に手伝ってもらったかいがあった。

そして、とうとう…!

ありさ

お兄ちゃん

ありさ

これで、ようやく戻れるよ。

ありさ

あとは記憶チップを入れるだけ。

ありさ

お兄ちゃん、大丈夫だよ。

ありさ

私がいるから。

ありさ

死ぬまでお兄ちゃんのこと、支えるね。

カチッ

チップを埋め込んだ時、元の身体の兄の頭脳から新しい身体の頭脳に記憶がコピーされていく。

コピーが終わり…

ありさ

お兄ちゃん、おかえり。

ポチッ

その時、臓器を起動するスイッチが押された。

ウィーン…

起動音がけたたましく鳴り響く

そして起動音が止んだ後…

ありさ

…大丈夫かな

ありさ

…お兄ちゃん?

秀平

…んっ

秀平

ねぇ、おばさん、ここはどこ?

ありさ

お兄ちゃん…

秀平

おばさん、どうしたの?

ありさ

私だよ…

ありさ

ありさだよ…

秀平

ありさなの?

ありさ

うん…

秀平

ありさだね。

秀平

この目の下の3つのほくろ

秀平

ありさしかいないからね

ありさ

お兄ちゃん…

秀平

何?ありさ?

ありさ

お兄ちゃん!!!

秀平

どうしたの?いきなり抱きついて!?

秀平

おっきくなったね、ありさ

ありさ

…ぐすっ

ありさ

…うわあああああああん!!!

ありさ

おにいちやああああん!!!

ありさ

つらかったよお!!

ありさ

さびしかったよお!!

秀平

ありさ

秀平

辛かったね

秀平

よしよし…

ありさ

お兄ちゃんっ…ぐすんっ…

秀平

ん?

ありさ

これからはぁ…フェグ…わたしがね…スンッ…ささえるからっ…

ありさ

わたしのこと…グス…ずーっと、守ったり助けてくれたからね!

秀平

ありがと

秀平

ありさ

秀平

大好きだよ

ありさ

私も大好きだよ!!

ありさ

お兄ちゃん!!

秀平

ありさ

秀平

帰ろっか

秀平

秀平

パパとママのとこに

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