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ぺいんと
しにがみ
トラゾー
彼とは、ただの親友で
この関係はきっと一生変わること無く、 穏やかに日々を彩っていくのだろうと
子供ながら、
いや、大人になった今でさえも
そう信じて疑わなかった。
トラゾー
ぺいんと
しにがみ
トラゾー
クロノア
トラゾー
ぺいんと
しにがみ
クロノア
トラゾー
ぺいんと
クロノア
トラゾー
しにがみ
ぺいんと
クロノア
トラゾー
トラゾー
しにがみ
トラゾー
ぺいんと
トラゾー
クロノア
しにがみ
トラゾー
ぺいんと
しにがみ
クロノア
トラゾー
その後無事にイナリさんと 思い合うことができて、
3人から揉みくちゃにされたっけ。
...あんなにごく普通の日常が、 もう今となっては懐かしい。
トラゾー
トラゾー
トラゾー
ぺいんと
しにがみ
あの日、森の奥で 倒れてる2人を見つけた。
ぺいんとは血塗れで傷だらけ。
しにがみは腕からの出血が酷かった。
あまりの光景に、体は勝手に動いていて、
俺は2人を抱え、 ぴくとさんの病院へ駆け出した。
トラゾー
しにがみを治療し、ぺいんとの 怪我を確認している時だった。
ぺいんと
ロボロ
トラゾー
ぺいんと
ぺいんとが目を覚ました。
ひとまず無事であったことに安堵する。
クロノア
そう聞かれ、ぺいんとは少し考えた後、 はっとしたような顔で青ざめていった。
やはり体調が優れないのかと 問おうとした時、
ぺいんと
トラゾー
なぜここで彼の名前が出るのか。
ぺいんとの話を聞けば聞くほど、 嫌な想像は簡単に創られていく。
頬を、冷や汗が伝う。
体の芯から冷えていくような 感覚と同時に、
奥の方から燃えるような怒りを感じた。
俺はクロノアに目線を送ると、 あの人の元へ走り出した。
ともさんに彼のことを伝えたら、 案の定怒りを滲ませていた。
...結局は
どんなに良い奴でも、 どんなに親しくても、
所詮、彼は悪魔でしかなかったのだ。
本当に...それだけだ。
トラゾー
しにがみ
彼のなんでもないような顔を見た途端、
奥に少しずつ湧いていた憎悪が 一気に溢れ出してきて、
気づけば彼の胸ぐらを掴んでいた。
トラゾー
しにがみ
トラゾー
いろいろ聞き出そうと思っていたのに、 いざ目の前にすると声が詰まる。
しにがみ
ロボロ
ロボロ
しにがみ
クロノア
クロノア
しにがみ
しにがみ
しにがみ
彼は全く身に覚えが無いといった風に 狼狽えている。
トラゾー
トラゾー
しにがみ
しにがみ
この期に及んで言い訳か...
クロノア
クロノア
クロノア
そう。あの傷は“刃物”を使わないと できないものだ。
森に行っただけだと主張するなら、 その腕の状態はおかしい。
しにがみ
ロボロ
ロボロ
ロボロ
ロボロ
しにがみ
少し言い過ぎだと思ったが、 彼が言葉を詰まらせたのを見て、 図星か--と悟る。
トラゾー
トラゾー
クロノア
クロノア
そう伝えると、彼は俯き震え出した。
呼吸は若干乱れ、 目の焦点は定まっていない。
しまった、少し熱くなってしまった。
まだ彼の話を聞いていないと思い、 声をかけようとしたら、
黒い翼が広がり、それは凄まじい スピードで窓から飛び立っていった。
トラゾー
クロノア
ロボロ
ロボロ
ロボロ
ダッ!
ロボロ
クロノア
病室から走り出す彼の額には 血が滲んでいた。
だが、その時の俺はぺいんとの安否しか 頭になく、それほど気には止めなかった。
ぴくと
トラゾー
ぴくと
何故か少し言い淀むぴくとさん。
その顔は青ざめ、冷や汗が滲んでいた。
クロノア
ぴくと
ぴくと
彼はそれだけ言い残すと、 足早にその場を立ち去っていった。
病室を覗くと、 少し息の上がったぺいんとが目に入る。
外傷は見られず、ひとまずホッとした。
それから数日後。
しにがみの居なくなった村は、 特に大きな変化もなく、
ただただ穏やかな日常を送っていた。
ずっと望んでいた、平穏な日々。
...嬉しいかと言われれば、嘘になるが。
奥底に眠る不安を、必死に押し込めた。
イナリさん
トラゾー
トラゾー
その日俺が見たのは
悪魔に襲われかけているイナリさんの姿。
トラゾー
悪魔
ザシュッ!
トラゾー
鋭い爪が、 俺の肩から胸辺りにかけてを引き裂いた。
あまりの激痛に気を失いかける。
イナリさん
トラゾー
ともさん
騒ぎを聞きつけたのか、 ともさん達がこっちに向かってきていた。
トラゾー
悪魔
ともさん
ぴくと
ぴくと
イナリさん
トラゾー
ぴくとさんに連れられ避難する 彼女を見て、ひとまずホッとする。
クロノア
幸運なことに、 俺は生き延びることができた。
この傷じゃ応戦はできないので、 傷口を押さえながら病院へ向かう。
トラゾー
ぺいんと
向こうからぺいんとが 走ってくるのが見えた。
トラゾー
トラゾー
俺は息を上げたまま、 なんとか状況を説明する。
ぺいんと
ぺいんと
そう言ってくれたぺいんとに謝罪し、 俺はその場を離れた。
悪魔にトラウマがあるはずなのに、 あいつは強いな...
病院に着くや否や、 イナリさんが駆け寄ってきた。
イナリさん
イナリさん
トラゾー
ぴくと
怪我の状態は酷かったが、治療が早かったこともあり無事に生き残ることができた。
これもみんなが来てくれたからだな…
ともさん
トラゾー
トラゾー
トラゾー
ともさん
トラゾー
どことなく様子のおかしい彼は、 絶望したかのような虚ろな目をしていた。
トラゾー
ともさん
ともさん
おぼつかない口でそう告げる彼の顔は、 今にも泣き出しそうな子供のようで。
事情はわからないくせに、 何を伝えたいのかをなんとなく察した俺は
訳も分からず涙を流していた。
星の綺麗な夜。 俺たちはしにがみの葬儀に来ていた。
ともさん
ともさん
イナリさん
トラゾー
ぺいんと
クロノア
ロボロ
チーノ
ぴくと
らっだあ
やはりみんな、 どことなく情緒が不安定だ。
それも仕方が無いことなのは、 十分わかっているけど。
彼を自決にまで追い込んだ、 俺たちの罪は、けして消えることはない。
…けれど、
それでも、前を向きたい。
大切な人と歩んでいきたい。
もう二度と同じようなことが 起こらないよう、
そう強い願いを込め、 彼の墓に手を合わせた。
トラゾー
トラゾー
トラゾー
これ以上、
壊れてしまわぬように。