コメント
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めちゃ怖かったけど、文章を入力してくださいで落ち着いたw
マサヒト
バタン
マサヒト
タクシードライバーを始めて もう2年がたった
地図を見ずとも名所はどこでも行ける それくらいには土地に明るいつもりだ
マサヒト
だからこそ知ってる 名所は美しい場所ばかりではないことを
マサヒト
そこはこの地域だと心霊スポットとして有名な、いわゆる「でるトンネル」
不思議な音がしたとか、人影がありえない速度で動いていたとか、 それこそここで幽霊を乗せちまったって言ってる同僚もいる
そいつが言ってた話だとトンネルの真ん中くらいで白い女が手を上げて立ってた
こっちも仕事だから仕方ねぇって のせたらしいんだが、 ボソボソとなんか言ったと思って 振り返ったらもう居なくなってた なーんてありきたりな話をされた
マサヒト
マサヒト
トンネルが見えてきた。 国なのか市なのか知らんが 管轄されてるとは思えんほど 薄汚れている そりゃあ出るだろうって雰囲気だ
夜ってこともあって割と速度を出して トンネルを抜けることにしたんだ。
マサヒト
思わず声が出た
トンネルの中ほどに、 死装束のように真っ白な服で 腰まで伸びた黒髪をそのまま垂らして立っている女 やけに浮き上がって見えるのは照明の下だからでは無いだろう
そいつは弱々しく片手を上げていた
マサヒト
いや、怖がっていても仕方ない。 切り替えよう。仕事だ仕事。
女の前に車を止めて扉を開ける 乗り込んでくる女がやけに静かに動くもんだから余計恐ろしい
マサヒト
女
マサヒト
こんな遅くに山?
マサヒト
女
女は小さく頷くだけだった
マサヒト
幽霊ならなるべく早く消えてくれ そう思いながら車を発進させる なんせその山からだと繁華街まで遠くなっちまう
マサヒト
女
走りながら気づいたがバックミラーに女が映り込んでいた。 幽霊も映り込むんだなーとなんか関心してた
無言のまま車を運転する
バックミラーから消えればいなくなったってことで分かりやすくていいなぁ と、なんか馬鹿なこと考えながら走ってた
だが、消えない
街頭すら減ってきても、消えない
道の舗装が雑になってきたが、消えない
山の麓についたが、消えない どこか遠くを見つめながら 女は座席に座っている
女
マサヒト
女
女は小さく頷くだけだ
こうなったら行ける所まで行ってやる
舗装がなくなりガタガタと車が揺れながら進んでいく
女の血の気のない顔は、まだ消えずそこにいる
そのまま車を走らせていく
5分かそこら走ったところで通行止の看板がヘッドライトに浮き彫りにされた
マサヒト
見つけてくれてありがとう
マサヒト
やけに耳元で聞こえた声に振り返ると女の姿は消えていた
マサヒト
悪態をついて前を見直した時、 やっと気づいた ヘッドライトに照らされた看板の先
さっきの女が首をつって死んでいた