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幸也
郁
俺は郁(いく)。 今年から受験生だ。幸也(ゆきや)さんは俺が良く通っている喫茶店の店長だ。
幸也
幸也
幸也さんは優しくて、どんなに遅くなっても必ず返信をくれる。 数時間だって、数日だって。 俺は幸也さんに初めて会った時から、ずっと憧れている。
郁
毎週塾のある日に寄るようになった。 決して繁盛しているようには見えないけれど、それが静かなところを好む俺にとっては心地よかった。
夕陽が傾いて世界がオレンジ色のフィルターをかけたように見える時間。 古風で昔のポラロイド写真を思わせるたたずまいのカフェを目の前にすると、タイムスリップをしたようでドキドキする。 深呼吸をしてゆっくりと扉を開けると、そこに立っている。
幸也
郁
幸也
郁
幸也さんがトントンとカウンターを軽く叩く。 俺のお気に入りの場所を開けておいてくれたみたいだ。
幸也
郁
幸也さんはいつもこの場所を開けてくれる。俺がここに来ると分かると必ずだ。表情はいつも楽しそうに思える。
幸也
郁
幸也
郁
幸也
郁
郁
幸也
郁
幸也
幸也さんはいつも俺に「ブラックにするかミルク入りにするか」を聞いてくる。 もちろん毎回ブラックだ。 常連の客から「マスターの腕の良し悪しがわかる」といわれてなんだかそれがマスターの味なんだと思ったら、ほしくなった。
正直、ブラックコーヒーの美味しさなんて全然わからないけれどね。
幸也
郁
幸也
郁
おかあさん
不在着信
郁
幸也
幸也
郁
幸也
郁
幸也さんと話すのが心地よくて時間がかなり遅くなっていた。 日が落ちて藍色の空が迫ってくる中、走って帰った。
郁
郁
幸也
幸也
幸也
幸也
郁
郁
幸也
幸也
幸也
郁
幸也
幸也
幸也
郁
郁
幸也
幸也
郁
正直本当にうれしいのか恥ずかしいのかわからなかった。 俺がきれいだといわれてドキドキした。 幸也さんの人を褒める力を見ると、こういうのってスパダリって言うのかなって少し考えてしまった。 きっとモテたんだろうけど、なんでいまだに独り身なんだろう。 俺は幸也さんから届いたメッセージを未読のまま見つめた。
幸也
幸也