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2人で歩く中、 私はまた、 飴玉を口の中に放り込んだ。

口の中で少しずつ解けるそれは、 私を虜にしたのだ。

黒川

また飴なんか食ってんの?

黒川

栄養わりぃよ

トキ

いいのよ

トキ

私のせーしんあんてーざーい

黒川

何子供みてぇなこと言ってんだアホ

トキ

いいの

トキ

節約節約

トキ

バイトも前のとこは辞めたし

黒川

お前何歳?パッと見俺らと同い年くらいだけど

トキ

ひーみつ

トキ

言ったってどうにもならないでしょ

黒川

ま、そーだけどよ~

黒川

で、今夜どこ泊まんの?

黒川

場所もねぇだろ?

トキ

野宿。

黒川

うげぇ
まじか

トキ

節約だって

トキ

どこでも寝れるでしょ

黒川

逆に尊敬するわ

黒川

なー、マジで野宿すんの?

トキ

本気なんだけど

黒川

俺らのアジトで寝ねぇ?

トキ

それじゃ一人旅の意味ないじゃん

黒川

俺も居んのに一人はひでぇ

トキ

黒川さんはもう
勝手に着いてくる猫1匹くらいにしか
見てないから

黒川

聞かなきゃ良かったわ

黒川

で、ここで寝んの?

さっと黒川さんは 来ている上着を脱いだ。 嫌だと言っていた癖に、 結局私と居るみたい。 1人で帰ればいいのに。

黒川

ほら、お前ここで寝ろって

トキ

いや私地べたでいいですよ

黒川

いいんだよ汚ぇだろ

自分の来ていた上着を 地面に敷いて、 私の寝る場所を作ってくれた。 汚いって思うんだったら 自分で使えばいいのに

空は更に暗くなり、 星空が見え始めた。 橋の下で寝ているので、 警察にもバレないと思う。

トキ

ほんとにいいんですか?
これ

黒川

いいっつってんじゃん
そろそろキレるよ

キレると言われたので、 それ以降私は口を閉じ、 喋るのを辞めた。

トキ

う"っ

寝ようとした瞬間、 唐突な苦しみを感じた。 そして何故か私は、 家出をしてから1度も寝られなかった。

黒川

おいっ!!

黒川さんの 叫ぶ声が聞かれた。

トキ

ア……メッ……

飴玉を食べ、 落ち着こうと手を伸ばすが、 私は 手を伸ばした努力は虚しく 暗闇へと落ちた。

暗いモニターに映る。 私のぐちゃぐちゃな顔。 涙は出まくってるわ 自分で自分の首を占めてるわで、 ありえないほど部屋もぐちゃくちゃ

すぐに判断できた。 あぁ、 戻ってきちゃったんだ。 気づくと手には、 もう飴玉はなかった。

あーぁ、
無くなっちゃったんだ

これ飲むとすんごく楽しくなるのに

なくなっちゃったら意味は無い。 そばにある私の日記も、 ちょうど終わりを告げていた。

うん。
飴玉ももうないし、
私の生きた証も、
もう最後のページだ。

終わらそう。 頭にはそれだけが残った

私が作り出した、 この世界から逃げる自分と、 一緒に逃げてくれる優しい人。

私の空想の旅は、 私の想いとは関係なく 終わりを告げた

もっと旅をするために、
私は日記にこれを残して死ぬよ

次は空の旅をします。

私の本当の名前は____

日記に最後まで残す前に、 飴玉の大量摂取の効果で、 私は苦しまず 意識を手放した。

黒川

おいっ!
大丈夫かよ、

黒川

急に苦しみ出して
意識も手放して、、

トキ

うん。
大丈夫。

トキ

さ、

旅を続けようか。

悲しい雨だけが、 この地に降り注いだ。

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コメント

28

ユーザー

神なのはわかったよ。

ユーザー

あめorれい、かな?

ユーザー

うわぁぁぁまさかの日記 だったのか、私も旅したいなぁ 名前分からないから、あめでいいてしょうか?

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