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幸せ屋さん

第1話 - 幸せ屋さん

103

2020年04月26日

#ホラー

#恋愛

#衝撃

#幸福

黒色灯

優太

真面目だけではこの世界では幸せになれないのか…

優太

産まれてきて26年…
仕事もクビになってこれからどうやって生きていけばいいのだろう…

天月

ねぇねぇお兄さん。
大きな独り言だねぇ

優太

あっ、ごめんなさい

天月

あはは。謝らなくていいよ
そんなことよりさ、幸せになりたくない？

優太

えっ、い、いやお金とか無いし…

天月

あはは。そんなんじゃないって
お兄さん色々最近嫌なことあったんでしょ？
私は天月。人からは幸せ屋さんって言われてるよ！

優太

幸せ屋さん？

天月

そっ。私は不幸な人を幸せにしたくてあなたに声をかけたってこと！

優太

そ、そうなんだ…でも言った通りお金もないしあいにく何も返せるものはないんだよ。

天月

いいのいいの！私はお兄さんが幸せになってくれたらそれで満たされるから。
お兄さんお名前は？

優太

優太、だけど

天月

優太さんね！じゃあとりあえず遊びに行こっか。
現役JKと遊べるなんてお兄さんラッキーだよ！

天月

あー楽しかった優太さんって意外と歌上手なんだね！
全然慣れてなさそうなのに意外だった

優太

そ、そうかな。ありがとう

天月

そうだよーもっと自分に自信もった方がいいよ？
顔も悪くないし女の子がほっとかないんじゃない？

優太

い、いや…恋人どころか友達も居ないよ。仕事や勉強ばかりしてきたから、カラオケだって今日が初めてだし…

天月

えー。もったいない
じゃあ天月が彼女に立候補しちゃおっかな！

優太

全く…大人をからかうんじゃないよ。

天月

あー信じてないな！優太さんなら全然大歓迎なのになぁ。

天月

ってもうこんな時間！私帰らないと…
これ私のIDだから！またあそぼうね！

優太

あっ、うん。最近この辺り物騒らしいから。気をつけて帰ってね。

天月

ありがとう！またね優太さん。

優太

(騒がしい子だったけど…今日は本当最悪の日になるはずだったのにおかげで少しだけ気が紛れたな。天月ちゃんには感謝しないと…)

天月

やっほー。優ちゃーん！

優太

その呼び方はやめてよ恥ずかしいから

天月

えーいいじゃん！もう恋人同士なんでしょ？

優太

そうかもしれないけど…実感がわかなくて

天月

あはは。やっぱり？年齢離れてるもんねぇ…年下は嫌いだった？

優太

い、いやそんなことは無いよ。

優太

天月ちゃん可愛いし、今思えば初めて会った時から変わった子だなぁとは思ってたけど

天月

えー変わったは余計だなぁ。

優太

ごめん、ごめん。でもそんな所も好きになったんだと思う。

優太

こんな僕を好きになってくれてありがとう

天月

どうしたの？急に。

優太

まだわからないんだよ。なんで天月ちゃんみたいな子が僕を好きになったのか…

天月

だって歌はうまかったし顔もかっこいいし！デートも沢山してくれたし優しいしね。全部大好きだよ？

優太

あはは。そこまで褒めちぎられると照れちゃうなぁ。
そうだ今日はもうひとつ天月ちゃんに報告があるんだった。

天月

え？なになに？

優太

新しい会社に就職が決まりました！

天月

本当に！？凄いじゃん
じゃあ明日のデートは飛びっきり楽しんでお祝いしないとね！

優太

あはは。僕がこんなに幸せに笑えるようになれたのも全部天月ちゃんのおかげだよ。ありがとう。

天月

明日のデートはどこにする？

優太

最近ここら辺怖いし学校終わりうちにでも来る？

天月

行く行く！

優太

楽しかったね。駅まで送るよ。

天月

楽しかった！ありがとう！

優太

でもこんなふうに学校終わりにデートできるのも今日で最後なんだよね。それは少し残念

天月

お仕事だもんね。仕方ないよ！
でも本当によかった。

優太

天月ちゃん、渡したいものがあるんだけどいいかな？

天月

えっ？なにかな？

優太

これ。気が早いと思ったんだけど。

天月

え。指輪…

優太

まだ左手の薬指にするのは渡せないけどさ。やっぱりこれから先も僕と一緒にいて欲しいんだ。重たかったかな…

天月

んーん。嬉しい…
とっても嬉しいよ。ありがとう優ちゃん！

優太

その呼び方だと、なんか締まらないけど…でも喜んでくれてるならよかった

天月

私からもひとついいかな？

優太

ん。なんだい？

天月

目をつぶってくれる…？

優太

えっ。

天月

いいから早く

優太

う、うん

天月

ねぇ。優太さんは今幸せ？

優太

もちろん。天月ちゃんに会ってから本当に毎日幸せだった。
本当に今天にも昇る気持ちだよ。

天月

ふふふ。それは良かった。

天月

私の最初に言ったこと覚えてる？

天月

私は幸せ屋さん。幸せを運ぶ幸せ屋さんなの。

優太

どうしたの急に

天月

目は開けちゃダメ。

天月

…

天月

…

天月

さよなら。優ちゃん。

警察

お前自分が何をしたのか分かってるのか

天月

えぇ。もちろん

警察

じゃあなんでこんな惨いことをしたんだ

天月

私は幸せ屋さんですから

警察

幸せ屋さん？お前たちは付き合ってたんじゃないのか？

天月

えぇ。付き合ってましたよ。

警察

じゃあ何故殺す必要があったんだ？

天月

ねぇ。刑事さん。幸せってなんだと思います？

警察

そりゃぁ、人それぞれだろう…

天月

私はね、こう思うんです。
彼らは仕事を失って嘆いていた。

天月

友人や恋人もいない。

天月

そんな不幸のどん底にいたあの人達を私は幸せにしたんです。

天月

今が幸せの絶頂ならその時に死ぬのが一番幸せ…
そうは思いませんか？

警察

だからって、殺す必要ないじゃないか

天月

だって私は幸せ屋さん。

天月

不幸は売れませんからね。

こうして3人の男性が殺害された連続殺人事件は幕を閉じた。

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(꒪ꇴ꒪ (꒪ꇴ꒪ (꒪ꇴ꒪ ;)ｴｴｴｯ? 最後ハッピーエンドになるって思ってたけど、なんかその女の子変って思ってたら最後やばい😱

黒色灯

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