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エリメス
エリメス
リサン
とりあえず…… 頼まれた片付けは一通り終わった。
ここはいわゆる、 物の墓場のような場所。
教会の敷地の端の方に ひっそりそびえたつ倉庫…… の、更にまた地下にあり、
使われなくなった物や、 持ち主の見つからない落し物等、 沢山の物達が集められている。
エリメス
片付けの手伝いに呼ばれたのも 納得できる。
積まれた物が全てなくなったら 誰かが住めそうな程の広さがあり、
その部屋を埋め尽くすように 溢れかえる誰かの持ち物だった 様々なもの達。
水晶のようなもの、 子供の落としたであろうおもちゃ、 なにかの動物の皮や人形。
時計は特に多くて、 振り子の物や懐中時計、砂時計など 様々なのだが、
使われなくなった物が混じっているからか、 時計によって指し示す時間が少し違う。
……少なくとも、地下での現在時刻の確認には向かないぐらいは それぞれバラバラだ。
エリメス
リサン
エリメス
どうも気になって、 少し物品達を見ていたら、 片付けが終わったであろう リサンさんに声を掛けられて びっくりしてしまった。
リサン
私の気になるという言葉を聞いて、 少し考えるように沈黙を置くと、
リサン
エリメス
リサン
リサン
エリメス
どれにしようかな、 なんて考えていると、
____きらり。
視界の隅で何かが光った気がした。
そちらへ向かってみると、 それは十字の形を模した…… ナイフ?の様だった。
エリメス
手に持ってみると、意外と重い。 恐らく銀製。 宝石等ではないが装飾がついており、 新品同然にぴかぴか。 何処か荘厳さまで感じる。
エリメス
リサン
エリメス
リサン
手に持っていたそれを そっと服の裾のポケットに入れておく。
エリメス
リサン
そう言えば確かに、上が静かだ。
有り得るとすれば、 ほぼ皆日の暮れで家に帰ったか…
そこまでの時間、 ここに居てしまったと考えると 少し申し訳なさと焦りが出てくる。
リサン
エリメス
お互い、そんな思いがあるのは同じらしく、
一言、意思疎通しては、 残された物達を一瞥して 地上への階段を駆け登った。
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歯車は廻る。