テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
________
ぱち ぱち ごう ごう ぱち
リサン
外に出て、まず初めに湧き出た それは困惑だった。
時刻は黄昏時。
太陽が逃げるように遠く、遠く、 深くへ沈み、空を闇に染め上げる。
街は燃え盛る夕日の炎を纏ってしまった様に赤黒く、禍々しく熱くて。
ぱち ぱちぱち
所々、
赤い染みが、うつって。
炎に包まれた教会が見える。
ぱち ぱち ごう ごう
もう、街の、 活気あふれる声は聞こえない。
____くす、くす。
エリメス
リサン
風が吹く。火の粉が舞って、 私達を誘うように降りかかる。
エリメス
思わず燃え盛る教会へ駆け寄る。
誰がいたのか、 何が残っていたのかも。
分からなくなるほど酷い炎。
あの日を思い出す、酷い死臭。
_また、何も出来ないのは嫌だ。
エリメス
リサン
リサン
エリメス
お互い別の方へ走りながら、 心の中で謝る。
リサンさん、ごめんなさい。 その約束は守れないかもしれない。
この街にあの魔女がいるから。
刺し違えてでも… 復讐が果たせるなら。
日が完全に沈み、 辺りに満ちる闇の中。
崩れかけた希望を護るように、 震える体に鞭を打って走り続けた。
走る度、ちゃりちゃりと ロザリオが鎖を鳴らす。
燃え盛る街の中。
足元には嫌という程、 顔見知りの人々の亡骸が倒れている
その全ての亡骸に、 まるで肉を食らう鴉のように
ごうごうと炎が燃え盛っている。
もう骨しか残っておらず、 パッと見では誰か分からないものもある。
どう、どうと唸る心臓がうるさくて 思わずぎゅと胸元を抑えた。
エリメス
エリメス
エリメス
そんな声も、 ごうと響く風に掻き消されて。
火の粉がぱちぱちと揺れて 炎の中へ手招きをしてくる。
エリメス
裂かれたと思われる服の布片。 中にはシスター服と思われる物も。 思わずズキンと頭が痛んだ。
道中、地面から生えていた 見慣れぬ木々が亡骸へ突き刺さって 共に燃えているのを見た。
…恐らくこれも魔女の能力。 鋭い先端を持つ植物…
……月桂樹。
…また、あの魔女だ。
焦り、後悔、怒り、不安、 様々な感情が混ざり合って
ぐしゃぐしゃと 心を掻き乱して行く。
なんで、なんで護れないんだろう。
……先程からずっと。
エリメス
あの子が、 ラソルが何処にも居ない。
街にも、家にも、丘にも、 あの子の姿はない。
エリメス
まさか、あの子も?
あの子も居なくなってしまうの?
エリメス
無意識のうちに、 手を握りしめる力が強まる。
破裂しそうなほど鳴る心臓と、 枯れそうな喉を無視して
ただ、ひたすら。あの子を探した。
___見ない振りをする。
気が付きかけた真実に。
残酷な真実に蓋をする。