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数日後

kn

なかむ、こっち見た?

nk

そっちはまだだと思う

kn

じゃあ俺こっち見てみるね

ぶるーくは数日前から休んでいる 一人にするのは心配な為順番で誰かが付き添うことになった 今はきりやんが付き添っている 生徒会室を貸してもらい症状を治せるものは無いか 大量の資料や本などを手当たり次第に探していた

shk

きんときッ!

shk

きりやんから連絡きて
またぶるーくが…ッ

kn

また……ッ

sm

今、きりやんが…
そばにいるから…大丈夫

nk

でも、このままじゃ…ッ…

kn

…これ…なんだろう…

一つの本が目に入った

kn

"奇病一覧"の本…?

kn

奇病…?

【"奇病"とは珍しい病気である…】

shk

なにそれ…

kn

少し読んでみる…

本を開くとさまざまな奇病の名前と 症状が書いてあった そこに一つ気になる奇病があった

kn

ぁ…

nk

なんか見つけたの?

kn

…これ…見て…

shk

"忘却恋症候群"?

sm

きんとき、それ読んで?

kn

うん…えっと…

【忘却恋症候群ーロストピュアシンドロームー】 想い人のことを強く想い続けることで発症。 "想い人に愛されたい""自分だけを見てほしい""寂しい" などの気持ちが高まった時に発症してしまう病気。 発症した際想い人の記憶は無くなる。

突然発作が起き自分の理性のリミッターが外れ 快感を求め欲の為に動くようになってしまう。 意識は保てはするが理性は止められない。 その姿を見た者もまた理性を失い発情状態になる。

症状には段階があり 最初は薬で症状を抑えることも可能。 だが、次第に薬は効きづらくなり欲の為に暴走し始める 暴走が始まると自分の意識はコントロール出来ない。 (暴走した際の記憶は保持不可) 暴走が続いてしまえば最後。存在が消滅する

kn

これ…ぶるーくの症状に
似てない?

sm

うん…症状、一致してるね…

nk

存在を消滅って…
消えちゃうってこと?

shk

治す方法は?書いてないのか?

kn

えっと…

この症状には抑制剤が効くはずだ。 効かない場合は快感を得ることで 症状は抑えられる。

そしてこの病気は完全に治すことが可能だ その為には"閉ざされた記憶の解放"が必要 そして想い人と心を通わせた時 この病気は完全に治る

kn

これって…

shk

記憶の解放って…なんだ…?
何かを忘れてるのか…?

nk

想い人って…誰のこと?

sm

それがわかれば…
治るって…こと?

kn

想い人は…

kn

俺かもしれない…

shk

きんとき…何言って…

kn

確信はない…でも

kn

ぶるーくは…
俺のこと忘れてるんだよ

nk

ぇ?どういうこと?

kn

俺とぶるーくは…

ぶるーくとは小さい頃に出会ったこと。 お互いに"好き"だとわかっていたのに 両親の都合で遠い所に引っ越すことになり ぶるーくとは離れ離れになったこと。

それでもやっぱりぶるーくに会いたくて "会いたい"とずっと願っていたこと 再会出来たのに自分のことを覚えていなかったこと を3人に話をした

kn

また会えて"奇跡だ"って
"願いが叶った"って思った
もう一度気持ちを伝えて一緒に居たいって思ったのに…

kn

俺に会った時、ぶるーくは
"はじめまして!"って
言ってきたんだ…

kn

ぶるーくは俺のこと
何も覚えてなかったんだよ

sm

ぶるーくに話して…ないの…?

kn

自分で思い出してほしくて…
ずっと黙ってた…

shk

じゃあ、それを思い出せば
もしかしたら、ぶるーくは!

nk

きんとき!ぶるーくの記憶
思い出させてよ!

kn

むりだよ!

kn

どうやって記憶を戻すの?

kn

記憶が戻っても
想い人が俺じゃなかったら?

nk

それは…
でもこのままじゃぶるーくは…

kn

それに俺が想い人なら…
俺のせいで…ぶるーくは
ずっと苦しい思いをしてた
ことになるんでしょ?

kn

もしそうなら…
俺が全部悪いじゃん!
俺のせいだよ!
俺がぶるーくをッ!!

sm

きんときの、せいじゃない

nk

自分を責めたらダメだよ!

shk

落ち着けって!

kn

ッ……

kn

ごめん…一人で考えたい…
(本を机の上に置けば生徒会室から出ていく)

shk

きんとき…

自分のことを忘れていることも 君が好きだってことも もっと早く伝えていれば こんなに君を苦しめなかったの…? あの時離れなければ…君に会わなければ…

kn

俺が…ぶるーくを…苦しめていた
俺が居なければ……
ぶるーくに出会わなければ…

kn

俺のせいだ……全部…

プルルル

考えながら歩いていると きりやんから電話が掛かってきた

kn

もしもし……

kr

ぁ…きんとき?

kn

どうしたの…?

kr

ぶるーくの症状落ち着いて
今、眠ってるんだけどさ

kr

"きんときに会いたい"って
ずっと寝言を言ってて…

kr

今から来れない?
きんときがそばに居た方が
いいと思って…

kn

ごめん…俺…行けない…

kr

何言ってるの?

きりやんに先程あったことを話した 忘却恋症候群のこと ぶるーくの記憶のこと ぶるーくが苦しむのは 自分のせいかもしれないってこと

kn

だから、行けない…
会う資格ないでしょ…俺

kr

きんときはさ
ぶるーくのこと好き?

kn

…好きだよ
一番大事だよ…

kr

俺もぶるーくが好き。
大事に思ってる。
他の奴らも同じ。
みんな同じ気持ちだよ?

kr

でも…俺じゃ
ぶるーくを助けられない

kn

ッ…でも…

kr

"でも"、何?
助けなかったら
ぶるーくは壊れちゃうんだよ?
消えちゃうんでしょ?
それでもいいの?

kn

ッ……

kr

きんときじゃないと…
ダメなんだよ!
お願い…ぶるーくのこと…
助けて…ッ

kn

……わかった

kn

俺が…ぶるーくを
助けてみせるから

ぶるーくの家へと来れば リビングに向かった そこにはきりやんがご飯の支度をしていた

kn

きりやん…さっきは…ごめん
ありがとね…

kr

謝らなくていいって

kr

これ、ご飯作っといたからさ
ぶるーく起きたら
一緒に食べなね?
お腹、空いてるでしょ?

kn

うん…ありがとう

kr

あとさ…

kn

ん?

kr

元気になったら
みんなで出掛けよう。
沢山思い出作りに行こ

kn

ッ…わかった
絶対、行く

kr

じゃ、俺帰るから
あとは、よろしくね

荷物を持てばきりやんは出て行った ぶるーくはまだ眠っているかと 寝室に向かう

寝室へ入ればベッドの上で 眠っているぶるーくが居た

br

…すー……すー…

kn

ぶるーく…ごめんね…俺…(ボソッ
(そっと優しく髪を撫でるとポロッと涙が溢れた)

br

ん……き、んと…き…?

kn

ぁ…ごめッ…起こしちゃった…?

br

……泣い、てるの?
(手を伸ばしそっと指で涙を拭い)

kn

ッ…なんでも、ないよ…

br

僕のせい…かな?
沢山、迷惑掛けてるもんね…

kn

違う…迷惑掛けてるのは…
俺のせいだよ(ボソッ

br

きんとき……?

kn

ッ…
ぶるーく、ごめんね…

br

どうしたの…?

kn

ぶるーくが苦しむのは
俺のせいかもしれない

br

どういう…こと…?

ぶるーくの症状を治そうと調べていたこと そこで見つけた奇病の話を そして… 自分のことを忘れているということを話した

br

そっか…じゃあ…
僕は昔、きんときと
出会ってたんだね

br

へへ、嬉しいな

kn

嬉しいの…?

br

だって、離れ離れになったのに
こうやって会えたんだよ?
すごいなーって
嬉しくなっちゃった

kn

でも…それは
神様が…

br

神様って…
あの中庭にある木だよね?
願いが叶うっていう…

kn

うん…。バカみたいだよね
俺が神様を信じて願ってる間
ずっと、ぶるーくは
苦しんでたのに…

kn

何とかして自分から会いに行くことも出来たはずなのに…俺は…

br

違うよ…きんとき
神様は居るかもしれないけど
僕たちが出会えたのは
きっと運命なんだよ!

br

僕が病気にならなかったら
転校してくることもなかった…
きんときに、みんなに
会うことも出来なかった

kn

ぶるーく…

br

でも、ごめんね
今は何も思い出せない…

kn

(相手の体を優しく抱きしめ)

br

きんとき…?

kn

ぶるーく…もうひとつ
聞いて欲しいことがある

br

なに?

kn

俺……

kn

ぶるーくのことが好き

kn

このまま、ぶるーくが壊れて
消えちゃうなんて嫌だ

kn

ずっと、一緒に居るって…
約束したんだから…

kn

お願い…ぶるーく…
思い出してよ…あの約束を…

〜次回へ続く〜

忘却の恋ーロストピュアシンドロームー

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