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君はいつでも、どこでも、誰にでも──── 優しかった。
私が悩んでいたとき、怒っていたとき、泣いていたとき。
いつでも君は私のそばにいて、私の話をきいてくれたよね。
そしていつからか─── 私は理由もなく
君に会いたくなるようになったんだ。
そう、私は君に恋をしていたんだ。
吐いた息が白くくもる2月14日。
私は君にチョコレートを渡そうとした。
今思えばすごい行動力だなって 思うんだけど。
いつ来るかな。
どんな反応するかな。
もしかしたら君も私のこと…
なんて考えながら、私は君を 待ちわびていた。
けれどもう、君に会うことは 2度となかった。
なんで、なんで、なんで。
なんで君が…
私は頭の中で解決するはず のない気持ちを
ぐるぐるとめぐらせていた。
彼は死んだ。
道路に飛び出した 幼い子供を庇って。
もうこの世にいないのに。
そう分かってるのに。
でも私はその事実を 受け入れることを拒んでいる。
結局私はどこまでも幼稚で、
浅はかで、
変われてなんていなかったんだ。
自分で自分を罵倒し続ける。
けれど。
それでも、君は。
天国から泣いている私を見て、
寄り添おうとしてくれてるのかな。
ほんとに、君は。
「優しすぎるんだよ…」
拝啓、君へ。
君が亡くなってから 1年が経ちました。
私は今日、君が眠る場所を 訪ねています。
私
私
私は丁寧に花を手向け、 空を仰ぎながら話し始めた。
私
私
私
私
この言葉は、君に届いているのかな。
私
私
私は鞄からありったけの想いを 込めたチョコレートを取り出して、
こう叫んだ。
「ずっと大好きだよ」