遥
おーい
遥
誠司~?
誠司
なに?
遥
今どこにいるの?
誠司
お前には言わない
誠司
もうそっちには帰らないからな
遥
は?
遥
何言ってるの?
遥
今日両家顔合わせの日だよ?
遥
何考えてるのよ?
遥
早く戻ってきて
誠司
俺は優子と結婚する!
遥
え
遥
誰?
誠司
優子はとても可愛くて優しい子だ
誠司
年増のお前なんかよりずっといい
誠司
そういうことだからさ
誠司
遥、俺と別れてくれ
遥
え、いやちょっと待ってよ
遥
応答なし
遥
応答なし
遥
ねえ
遥
誠司!?
誠司
不在着信
誠司
不在着信
誠司
あぁ、愛しい遥
誠司
やっと君のもとへ帰れるよ
誠司
今頃、君も俺のことを想って一人で泣いているのだろうね
誠司
あの頃は、君一人でも大丈夫と思っていたけど…違うと気づいたよ
誠司
繊細で儚い君が大丈夫なはずがないよね…
誠司
今から帰るよ、俺たちの愛の巣へ
誠司
今夜は3年間の長い月日を二人の愛で埋めよう…
遥
キモいからやめて
遥
てか、よく3年間も逃げておいて急に連絡する気になったね?
遥
浮気して脳みそ欠けた?
誠司
遥…3年間も待たせてごめんな
誠司
君は本当にえらいよ
誠司
俺に振り向いてほしくて頑張ったんだな…
遥
何の話?
誠司
君が社長になってるだなんて知らなかった
誠司
この前テレビでみたよ
遥
あぁ…
誠司
遥、今度こそ俺と結婚しよう!
遥
は?
遥
可愛くて優しい優子さんはどうしたのよ
誠司
え…あぁ、優子とはうまくいかなくなってな…
遥
…へー
遥
で、それがどうして私との結婚につながるの?
誠司
つまりこれで二人を隔てる障害は消えたってことだよ!
遥
障害て…
遥
第一、私はあなたと結婚するつもりはないよ?
誠司
どうして?
遥
私もう結婚してるし
誠司
へ?
遥
社長になったのもあなたのためじゃなくて自分のため!
遥
勘違いも甚だしいね
誠司
う、嘘だ!
誠司
遥は俺のことを愛してるんだろ?
誠司
まさか…浮気してたのか!?
誠司
何て酷い奴なんだ!
遥
浮気なわけないでしょ
遥
あなたじゃあるまいし
遥
あなたが消えた後、傷心気味だった私を支えてくれたのが今の私の旦那なの
誠司
え
誠司
そんな…
遥
あとさ、さっきあなた優子さんとはうまくいかなくなったって言ってたけど
遥
それだけじゃないんでしょ?
遥
確か、優子さんの婚約者さんに関係がバレて多額の慰謝料請求…だっけ?
誠司
何でそれを…
遥
あぁ、私の従姉妹が優子さんの友人でさ
遥
色々教えてくれるのよ
誠司
まさかそんな繋がりがあったなんて…
遥
あなた、相当お金に困ってるんじゃないの?
遥
私への慰謝料を肩代わりしてくれた御両親への返済と婚約者さんからの慰謝料…かなりの額でしょう?
誠司
実はそうなんだ
誠司
今全くお金が無くて
誠司
なあ遥
誠司
少しでいいから金貸してくれないか
誠司
今から家帰るから
遥
嫌よ
遥
私を裏切って捨てた人なんかにあげるお金はないわ☺️
遥
あとあなたの知ってるあのアパートはもう解約したから
誠司
お前、何てことしてくれたんだ!?
誠司
じゃあ…俺は今日どこで寝ればいいんだ!?
遥
さあ?w
遥
そこら辺の公園のベンチででも寝ればw
誠司
何バカなことを…今真冬だぞ!?
誠司
待ってくれ遥
誠司
不在着信
誠司
不在着信
誠司
不在着信
遥
キモいからもう2度と関わってこないでね
遥
それじゃあ
遥
さようなら
誠司
ちょっと待ってくれよ!
誠司
遥ぁ~!