テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
12件
うおおおおぁぃぁぁぁ!やばいやばい通知見た瞬間大歓喜で飛び上がってしまった!!やばい早雲のイラストめちゃ可愛すぎる!!こんな色々凝っていただけて感謝でしかない😭話し方もキャラがブレてなくて尊敬でしかないです…!見てて楽しすぎますぁあもうみんな可愛すぎますよ😭サムネも二人反対になってる…色々共通点はあるけど居る二人とも別世界ってことが伏線ぽくていい…!色も違うのが凝ってて神すぎる😭(返信に続く
お疲れ様です イラストめっちゃ上達してない? 語彙力もより上がってない??
うううううああああああ つっっっっかれたあああああああ 終わったああああああああ うわああああああああああああ 腕死んだ マジ死んだ ポロシャツほのさん書き上がりましたよ!!
※ちょっと展開が早いかも?
海鈴にこ
海鈴にこ
空がどんよりと灰色に染まるある日、道端を歩く三人の内の一人が、唐突に口を開いた。
自分達以外誰も居ない街を進みながら、行き場の無くなった両手をブラブラと揺らす。 そんな少女の名は『海鈴にこ』といった。
海月奈無
海月奈無
彼女の言葉に反応した少女の名は『海月奈無』といい、スカートの裾を握り締めながら オドオドと辺りを見渡している。
小学三年生にしては落ち着いている様子だが、 何とも言えない違和感に包まれた街に恐怖感を覚える様は、年相応の少女のように思えた。
海月アオイ
奈無の言葉に続き、 青年、『海月アオイ』も言葉を続ける。
にこと奈無の様子とは対照的に、あくまで冷静に街を傍観していた。
……その日。 “突如として”人が消えた街で、 三人は歩いていた。
街全体は異様な空気に包まれ、暗い霧のようなものを漂わせている。
その上、道にも店にも人が見当たらず、此処にいる人間はこの三人だけとなっていた。
海鈴にこ
焦燥感と少しの眠気………。 まるで夢の中のような感覚に、にこはどう対処すれば良いのか考えあぐねていた。
それは二人も同じようで、先程からスマホで情報を探したり辺りをキョロキョロと見渡している。
にこや海月兄妹にとって、 こういう不思議な体験は初めてでは無いが、それでも焦る事に変わりはない。
奈無だってまだ小学三年生だ。 人より面倒事に巻き込まれた経験が多いからと言って、慣れている訳ではなかった。
海月奈無
異形頭
海月奈無
海鈴にこ
海月奈無
ふと、にこが少女にそう問い掛けると、少女は笑顔で頷いた。 視線の先で黒い靄が蠢いている。
海月アオイ
海月奈無
奈無以外には見えないその“異形頭”は、どうやら彼女に情報を教えているようだった。
だが、にこはその言葉を信じない。
海鈴にこ
海鈴にこ
海月奈無
海鈴にこ
海鈴にこ
キッ!と黒い靄がある部分を睨み、にこは常備している御札を突き付けた。
紅い瞳はギラギラと燃えていて、異形頭を敵対視している事が見て分かる。
海鈴にこ
海月奈無
海月アオイ
二人の静止を気にも止めずに、にこはそのまま言葉を続ける。
黒い靄……、異形頭は暫くその場に立ち尽くしていたが、耐えきれなくなったのか、聞き取れない言葉を発した。
異形頭
海鈴にこ
海月奈無
にこは一瞬頭上にハテナを浮かべたが、少女の怒り声で全てを理解し、更に顔を赤くする。
海鈴にこ
海鈴にこ
「祓ってやるー!」と声を荒げながら、手の御札を黒い靄に貼り付けようとした時、
突然、 ガラン!とその場の景色が変わった。
異様な事態に、 三人(表情こそ見えないが、微かに動いた気がしたので多分異形頭も)は目を丸くする。
目の前には、先程まで歩いていた街では無く、見覚えのない神社が広がっていた。
海鈴にこ
海月奈無
海月アオイ
奈無の周りをにことアオイで囲み、 即座に臨戦態勢を取る。
その場に、人の気配はしなかった。
……“人”の、気配は。
???
???
海鈴にこ
……背後から聞こえたその声に反応し、にこは声がした方へ御札を突き付ける。
其処に居た人物は、人とは到底思えない容姿と、オーラを持ち合わせていた。
海月奈無
海月アオイ
海鈴にこ
六本のふわふわと揺れる尻尾に、穏やかそうに微笑む表情。
体中に付いている、全部の時間がバラバラの時計に、謎の鍵穴。
極めつけには、本来髪……がある場所から生えている食パン(?)。
一目見て、 彼が人間で無い事が分かった。
海鈴にこ
警戒を解かずににこがそう問い掛けると、その人物はゆっくりと顔を此方に向ける。
そして、穏やかな顔をくしゃりと歪め、 優しく微笑んだ。
???
早雲
海月アオイ
海月奈無
海鈴にこ
人間とは思えない美貌に、思わず呆気に取られていたが、海月兄妹の声で現実に引き戻される。
海鈴にこ
にこやかにそう挨拶すると、早雲は 不思議そうに首を傾げた。
早雲
海鈴にこ
海鈴にこ
まるで神のような風格に、 思わず丁寧な口調で問い掛ける。
そんな少女の様子が面白かったのか、早雲はクスクスと肩を震わせながら、静かに首を振った。
早雲
早雲
「申し訳ないが存じ上げない」と答えると、早雲は残念そうにそうですか、とだけ答えた。
この様子を見るに、彼も何も知らないのだろう。 やはり、情報は限りなく少なかった。
海月奈無
海月奈無
海月奈無
ふと、奈無が三人に不安そうな顔を向ける。
にことアオイは答えあぐねている様で、 口をつぐんで開かない。それもその筈、あまりにも情報が少ないのだ。
早雲
そんな中、早雲だけ楽しそうに口を開く。
彼の様子は、 今のこの状況を楽しんでいるように見えた。
海鈴にこ
海鈴にこ
にこは、慌てて 数回首を横に振るが、彼は意見を変えずに言葉を紡ぐ。
早雲
早雲
海月アオイ
早雲
___そんな風に早雲に急かされ、困惑しながら神社を後にするにこ達であった……。
海月奈無
早雲
神社の階段、 最後の一段の所に足を下ろした瞬間、先程と同じように周りの風景がガランと変わった。
そこは、にこ達の町にあるゲームセンター。 最近出来たばかりで、にこ自身も気になっていた場所だった。
海月アオイ
異形頭
異常の連続に、三人(+一体)も驚きを隠せない。 キョロキョロと辺りを見渡すが、やはり、最近出来たあのゲームセンターだった。
海鈴にこ
海月奈無
海月アオイ
楽しそうに笑う奈無に微笑みを返してから、にこは早雲へと向き直った。
海鈴にこ
海鈴にこ
早雲
海鈴にこ
彼が言うには、どうやら自分自身が思い浮かべた場所にワープしたようだった。
言われた通り、にこも目を瞑って他の場所を思い浮かべてみる。 だが、特に周りに変化は起きず、見ていた早雲に笑われてしまった。
海鈴にこ
恥ずかしさともどかしさで悶々とした感情に襲われるが、慌てて頭を振って吹き飛ばす。
そして、もう一度辺りを見渡した。
海鈴にこ
海鈴にこ
海月アオイ
突然黙り込んでしまったにこに気が付き、アオイが心配そうに顔を覗き込む。
アオイの双眸に映る少女の瞳は、キラキラと子供のように輝いていた。
海月アオイ
海鈴にこ
海月奈無
海鈴にこ
海鈴にこ
興奮気味に話す彼女は、子供が何かに興味を示す姿と同じようなものだった。
その姿に呆れ気味に溜息をこぼすアオイと、呆れ笑いをする奈無と、楽しげに微笑む早雲。
そういう訳で、彼女らは、クレーンゲームをやってみることにしたのだ。
____________
海鈴にこ
適当に店内を歩き回り、にこが見つけたものは、キツネのぬいぐるみだった。
種類は様々で、橙や白、黒色のキツネの 黒い瞳が此方を見ている…ような気がする。
サイズは、 奈無が両手で抱きかかえられるぐらいの大きさで、これぞぬいぐるみ!という感じだった。
早雲
早雲
少し興奮気味に、早雲が「いいでしょう?」と皆に問いかける。
全員賛成のようで、 一様に首を縦に振っていた。
海鈴にこ
海月アオイ
海月奈無
海月兄妹が、一歩後ろに下がる。
にこと早雲は顔を見合わせ、 結局、譲ってくれた早雲の善意に甘え、にこが取ることになった。
海鈴にこ
少女は前のめりになり、ぬいぐるみとアームの位置をしっかりと確認する。
一ミリのズレも無いように、何度も何度も確かめて、下降のボタンを押した。
アームは、揺れながら ゆっくりとぬいぐるみの元へ近付き
そして、掴んだ。
早雲
全員に、緊張が走る。
ぐらぐらと揺れるアームは、 そのまま左へと移動し……………
海月奈無
景品出口へ、ぽとりと落とされた。
海鈴にこ
海月アオイ
早雲
尊敬の眼差しを浴びた少女は、ニコニコと機嫌が良さそうに微笑む。
そして、早雲へとそのぬいぐるみを差し出した。
早雲
海鈴にこ
海月アオイ
海月奈無
にこの言葉に、奈無がパッと顔を輝かせる。 そして、嬉しそうににこに近寄った。
海月奈無
海鈴にこ
海月アオイ
早雲
____________
海鈴にこ
満足そうに、四人は人気のない道を歩く。
それぞれ、にこが取ったキツネのぬいぐるみを腕に抱えていた。
早雲
海月アオイ
海鈴にこ
海鈴にこ
ふと投げかけた少女の質問に、 3人は一斉に口をつぐむ。
………どうやら、 何一つ考えていなかったようだ。
異形頭
すると、異形頭が言葉にならない言葉を発す。
奈無に翻訳を頼むと、「私が何とかしますって言ってるよ」と返された。
海月奈無
異形頭
そう言って、 異形頭がぼんやりと左右に揺れる。
その次の瞬間、辺りがぼんやりと光りに包まれ、 視界がグラグラと揺れ出した。
海鈴にこ
海月アオイ
海月奈無
ばた、ばたと、海月兄妹がその場に倒れ込む。
恐らく、異形頭の能力だ。 大分荒いが、これで元の世界に戻れるのだろう。
海鈴にこ
だんだんと、視界が黒に染まり始める。
海鈴にこ
気を失う最後に見た景色は、 夕日を背後に 微笑み手を振る早雲の姿だった__
早雲
海鈴にこ
海鈴にこ
海鈴にこ
海鈴にこ
そう眠たそうに呟く彼女の横には、 可愛らしいキツネのぬいぐるみが転がっていた…
終わり