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サクラ

第7話 - 第7話:ラウールの最後の目撃者

9

2025年07月20日

#ミステリー

#SixTONES

#Snow Man

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食堂の空気は重く沈んだままだった。誰もが緊張し、疑心暗鬼に満ちている。

宮舘涼太

「俺だ……最後にラウールを見たのは、俺だ」

声の主は宮舘涼太、通称“舘様”だった。静かながらも重みのあるその声が、部屋の隅々まで響く。

渡辺翔太

「舘様……？」

翔太が震える声で呼びかける。

宮舘涼太

「うん……俺はキッチンで晩餐の準備をしていた。みんなが自己紹介を始める前、ラウールが食堂に来たんだ」

阿部亮平

「その時、ラウールは何をしてた？」

阿部亮平が冷静に質問する。

舘様は目を細め、ゆっくりと答えた。

宮舘涼太

「彼は不安そうに見えた。まるで誰かに追われているかのように……」

少し間を置いて、さらに言葉を続ける。

宮舘涼太

「そして、俺にこう言った──“誰かが僕を見ている。僕は逃げなきゃいけない”と」

髙地優吾

「逃げるって……この館から？」

髙地優吾が眉をひそめる。

宮舘涼太

「それは……わからない。だが、その時の彼の目は、真剣だった」

舘様は硬い表情のまま答えた。

田中樹

「ラウールの行動は怪しいな」

田中樹が呟く。

阿部亮平

「本当に怖かったのは、ラウール自身だったのかもしれない」

阿部ちゃんの声には冷静さがあった。

その時、廊下の奥から物音がした。

全員の視線が一斉にそちらに向く。

松村北斗

「誰か来る！」

松村北斗が声を上げた。

ゆっくりと姿を現したのは、深澤辰哉だった。

深澤辰哉

「遅くなってすまない。話を聞かせてほしい」

彼の目には、いつも以上の真剣さが宿っていた。

阿部亮平

「ふっか……君はラウールの様子を見ていたのか？」

阿部亮平が問う。

深澤辰哉

「うん。ラウールが来る前から、不安そうだった。でも……何もできなかった」

深澤は俯いた。

佐久間大介

「俺たち、誰かを信じるしかないんだよな……？」

佐久間大介がぽつりと言った。

阿部亮平

「信じることが、最大の武器になる」

阿部リョウヘイの言葉に、部屋の空気が少し和らいだ。

しかし、ラウールの失踪の謎は深まるばかりだった。

果たして“本物ではない者”は誰なのか？