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残された時間

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残された時間

1 - 残された時間

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2022年06月13日

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美桜、起きていますか?

美桜

うん、起きてるよ。どうしたの?

今お母さんはスーパーにいます。なにか欲しいものはありますか?

美桜

んーと、ミルクティー買ってきて。ストックがもうないの。

分かりました。

美桜

お母さん、何時くらいに帰ってくるの?

もうすぐ帰ります。

美桜

今から柊人たちと遊びに行くんだ。もしかしたら夕飯いらないかも...

分かりました。気を付けていってらっしゃい。

美桜

ありがとう!いってきます

美桜

ごめん!遅れちゃった

柊人

うぃ〜

さくら

美桜!もう遅いよ〜!

美桜

ごめんって!w....あれ?真琴くんは?

柊人

なんか遅れるって。先いっていーよーだそうだ

美桜

おっけー。先どこ行くんだっけ?

さくら

先ショッピングモールにいくよ!美桜、楽しみにしてたじゃん

美桜

あーそうだったそうだった!

柊人は、私が幼い頃からずっと一緒にいる幼馴染。

最近は高校の関係であまり遊べていなかったけど、

私の親友、さくらが「もったいないから私が機会作るよ!」と言ってくれ、

今に至る。

私は申し訳なかったから最近さくらが気になってるって言ってた真琴くんも誘ってみた。

しかし、少し遅れるとのこと。さくらは私と柊人が隣になれるように調整してくれたが、余計なお節介だ。

美桜

柊人、また身長伸びた?

柊人

はあ?お前がちっちゃくなったんじゃなくて?

美桜

は?!うっざい柊人!!

こんな会話を聞いてさくらはクスクス笑っていた。なにがおかしいのだか。

美桜

ね、ねぇあれ...

柊人

ん?

私が指をさしてそう言うと、みんな私の指の先を見た。

柊人

あれは.....

真琴

すまん遅れた!

美桜

もう遅いよ!!

さくら

それ美桜が言えることじゃないからね?!

美桜

う....

柊人

ま、1番早く来てたのは俺だけどな。

美桜

うぅーーうざい!!

さくら

ふふ、さ。先行こう

さくらはそう言うと私たちの背中を押した。

ショッピングモールに着くと、人の話し声などで一気にざわついた。

美桜

うっわー!すっごい久しぶり!

柊人

だな

真琴

さくらも久しぶりに来るの?

さくら

えっ、ま、まぁ...そうだよ

美桜

さくら、動揺しすぎww

さくら

そ、そりゃ緊張しますって!美桜、私リップやばくない?顔面やばくない?

美桜

はーいはいいつも可愛いですよーだ。

嫌味ではなく、若干本気な感想をそのまま述べた。

柊人

なぁ真琴、今日この前に比べて人少なくねえ?

真琴

そうか?俺からしたらいつも多いけどな

確かに言われてみれば少ないかな?くらいだった。

美桜

空いててラッキーじゃん?ね、私お腹すいた。

柊人

相変わらずだなお前w

美桜

いいじゃん!さくらたち、お腹すいてる?

さくら

私はあんまり

真琴

俺もあんまりかな

美桜

じゃあさ、ここで2人別行動しない?せっかく4人できたけど⋯ね?

私はさくらにウインクをして「察せ」と合図を送った。

案の定さくらは顔を赤くしたが、その後に軽く頷いたのを見て私はもう一押しした。

美桜

ほらほら!柊人もお腹すいてるって!

ついでに私は柊人にも合図を送った。

柊人は「任せろ」と言ったふうに頷いた。

柊人

確かに俺も腹減ったわ。俺たちだけ飯食ってるのもあれだし、2人で見に行きなよ。なんか

真琴

そうだな。お前らが飯食ってるところはなんの要素もないし

柊人

それ褒め言葉として受け取っとく

真琴

おかしいだろww

美桜

それじゃあね!さくら、真琴。

私は半ば強制的に引き離すと、すぐさま柊人の手を引いて走った。

美桜

ふー、ついた

柊人

お前も中々だな。ま、俺の察する力がすごかったけど

美桜

こんなもんよ!柊人、何食べる?私サンドイッチ。

柊人

もう決まったのかよ!

美桜

ここ、サンドイッチが美味しいお店だよ?せっかくなら柊人も食べてみたら?

柊人

そうなのか?じゃあ俺も美桜と同じやつで

美桜

おっけー。あ、店員さーん!注文お願いしていいですか?

店員さん

はい、受け付けます

美桜

えっと、このハムサンドを2つと、飲み物ください。

店員さん

お飲み物は何に致しますか?

美桜

柊人、何飲む?

柊人

俺、コーラで。

美桜

あ、私も同じのお願いします

店員さん

かしこまりました。少々お待ちくださいませ。

美桜

柊人、これだけで足りる?

柊人

あぁ。こう見えても少食なもんで

美桜

昔から変わってないね

柊人

そうか?

美桜

柊人、いっつも給食食べきれなくて私の皿の中に入れてきたもん

柊人

あー、あれな。4年の頃の先生、給食減らすことだけは厳しかっただろ?

美桜

あー!厳しかった厳しかった

柊人

減らせなくて、でも俺食べきれないから食いしん坊の幼馴染にやろうと思って

美桜

食いしん坊とは何事!私最近ダイエット始めたんだからね

柊人

三日坊主?

美桜

うるさい!

昔話に思いを馳せながら話していると、食事が到着する。

店員さん

お待たせ致しました、こちらがハムサンドと、ドリンクのコーラでございます。ごゆっくりどうぞ〜。

美桜

ありがとうございます

柊人

わ、凄いなこのサンドイッチ。

美桜

でしょー?ほら柊人、どいて。写真撮るから

柊人

酷いだろw

美桜は強制的に柊人を画面外へ移動させると、角度を調節してパシャっと1枚撮った。

柊人

どれどれ、俺にみせて

柊人が覗き込んでくるから、美桜は携帯を柊人に渡した。

柊人

ほー、なかなかの出来だな。

美桜

何その上から目線!ほら、早く食べよ

私たちは席に着くと、大きなハムサンドを手に取った。

美桜

いただきます

柊人

いただきます

しっかり挨拶をして、サンドイッチに早速かぶりつく。

ふわふわなパンと、ジューシーなハムの相性が抜群で、とても美味しい。

美桜

おいひ〜!!

少々はしたなかっただろうか。しかし、それほどの美味しさだった。

柊人

確かに、ここのサンドイッチ美味しいな

柊人も目を丸くさせて驚いていた。

美桜

でしょでしょ?

柊人

俺、全部食えんかも

美桜

何弱気なこと言ってるの!食べないと

私たちが笑顔で会話しているとき。

ぴんぽんぱんぽーん。

放送が流れた。

本店に御来店していただいているお客様に、避難の指示を申し上げます

美桜

え?

柊人

避難?

何者かが本店を歩き回っている故、危険な状態です。そのため、避難経路にそって外へ避難を願います

放送はそのまま「繰り返します⋯」と言って同じ放送を何度も流した。

すると瞬く間にみんなが一斉に走り出した。

美桜

えっ、ちょ、どういうこと?!

柊人

落ち着け美桜⋯

みんなが焦って走り回っている中、落ち着いてなんて居られなかった。

警備員

皆様落ち着いて、落ち着いてください!!

警備員と思われる人が叫んでいる。

美桜

ね、ねぇやばくない?私達も避難しようよ⋯!

柊人

そうだな、人の流れに沿って走るか

柊人はそう言うと「今だ!」と言って私たちは駆け出した。

美桜

ねえ、聞こえるさくら!

さくら

聞こえる、今どこにいるの?!

美桜

まだ店内、今避難してるところ!さくらは?

さくら

もう外にいる。避難できた。真琴もいるよ

真琴

大丈夫かお前ら!

真琴の声が聞こえ、安心する。

柊人

俺たちは大丈夫だ、自分のことだけを考えて行動しろ!

柊人が突然私の携帯を奪ってそう言うと、直ぐに通話を切った。

柊人

今は避難することだけに専念しよう

美桜

そうだね

美桜

はぁ、はぁっ!

柊人

はっ、は、

無我夢中で走る。

はるな

うわあ!!!

美桜

何っ?!

はるな

ま、まって、お母さん!!!

母親

春菜!!!

母親は春菜と呼ばれた子供を助けようとするが、避難することに必死な人々に流されてしまう。

母親

はる、春菜っ、!

柊人

っくそ、!

突然柊人が逆方向に走ったかと思ったら、春菜を横抱きに抱え走り出していた。

美桜

柊人!!!

シャッターが閉まる。

後ろには、誰もいない。

柊人

ちっ、

柊人は舌打ちをすると、シャッターが閉まるギリギリで子供を下に滑り込ませた。

母親

春菜!

母親はシャッターの奥で「ありがとうございます」と何度も言っていた。

柊人

必ず俺たちは出ます。あなたは、あなた達のことだけを考えてください

先程と全く同じことを言って、柊人は私の手を引いた。

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