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あれから何年も経って俺は就職もした
警察官に憧れてはいたがそこまでの責任感は有していなかった
ここは猫カフェを経営していて
休みの日や仕事終わりに手伝いをしている
猫
猫
猫
喚きながら俺の足に集まっていく
餌が欲しいらしい
sm
今日は平日なのもあってか人がいない
結構暗くなってきたしそろそろ閉めても良さそうだ
ここは気まぐれ営業で具体的な営業時間は決まっていない
閉めるのも開けるのもこっちの都合だ
sm
怜
怜
sm
んな事言ったって来ないってば
ただでさえお互い疲れているのにこの人はとても楽しそうだ
いつまでも変わらないな
sm
煩い
もう大丈夫なのにまだ引きずっている
昔のことなのに
カランカランカラン…
珍しい
どうやらお客様が来たみたいだ
怜
sm
sm
怜
突然入ってきた客は俺の方へ歩いてくる
猫を求めてきたんじゃないのか
怜
照れくさそうにカラッと笑っている
とても暖かい感じがした
sm
ペンを滑らす様子を見つめていた
その人はkrと言うらしい
珍しい名前
人のこと言えないけど
kr
sm
kr
壁に貼ってあるチラシを読んで判断したみたい
krさんはチラッと猫を見てみるがどうにも近づこうとしない
sm
sm
ひょいっと持ち上げ彼に見せてみる
kr
何ウジウジしてるんだこの人
まさか猫が怖いとか……?
sm
kr
独り言が聞こえたのか恐る恐る手を近づけてみている
猫
猫
kr
咄嗟に猫を遠ざけたおかげで当たっていなかったようだが
普段人懐っこい子がこんな警戒するなんて初めてで驚いた
sm
kr
本当に珍しいタイプだな
せっかくこんなに可愛い子たちを撫でられないなんて可愛そう
変な同情が湧いてきて
この人に猫を懐かせたい
そんな気持ちが浮いてくる
sm
おやつを取り出して彼に受け渡す
少し遠慮した様子で受け取っていた
kr
猫
猫
やっぱりおやつには勝てなさそうで猫はゆっくり近づいてきた
sm
kr
恐る恐る手を伸ばしていく
猫はやっぱり警戒していたが渋々触らせてくれた
kr
sm
怜
sm
自分では笑った自覚がなかった
ただ単に嬉しかった
kr
sm
この人に教えてもいいのだろうか
そもそも俺の名前なんて何で聞こうとするんだろう
sm
怜さんに目配せで困っていることを伝える
いつまで経っても治らないな、この性格
怜
怜
kr
チラッとこちらを見つめてくる
気に障るようなことしたかな
拾われてきたから……?
被害妄想ばっかり膨らませてひとりで恐縮する
猫
sm
猫はいつでもそばに居てくれる
人みたいに変な考えを持たない
sm
kr
kr
怜
コソコソと何かを相談している
そんなこと気にせずに猫をめでていた
猫
sm
怜
sm
怜
sm
あまりの急な一言に硬直する
猫になるのは本望だが本当に猫になるなんて有り得ない
頭に疑問符が無限に生成されていく
kr
kr
怜
怜
sm
怜
怜
sm
さっきから状況がまるで変わっていない
kr
kr
sm
kr
kr
sm
どうしよう
分かってるけど
人付き合いは慣れておいた方がいいことは
だけど…
sm
kr
kr
怜
kr
怜さんは人を見る目がとてもいい
警察官なのもあるだろうし観察眼が鋭いんだろう
だからといって着いていくのとは別の話
sm
kr
sm
俺の手を握り顔を至近距離に近づけてくる
その顔は太陽のように明るくて
あまりの眩しさに目を瞑りそうだった
kr
sm
怜
怜
多分この状況を楽しんでいるんだ
kr
kr
sm
怜
怜
怜
sm
どうしたらいいんだろう
さすがに何もしない状態で置いてもらうのは嫌だ
krさんはまず何歳なのかも何も知らないし
sm
kr
sm
まさかのひとつ上
もっと年齢が上だと思っていたから尚更驚いた
なんだか風格があったし何しろ大人っぽい
sm
kr
sm
kr
怜
怜
kr
怜
それはダメ
嫌いな相手と傍にいさせると猫にストレスがかかってしまう
sm
袖を引き二人の会話を静止させる
怜
sm
怜
怜
怜
怜
間違いない
俺はどこか猫のことを自分と比べている
自分も外に出るのは怖いから
猫もストレスがかかる って思ってる
猫
kr
少し珍しい
あの子はいっつも受け身だから
自分から人に行くことなんて滅多にない
怜
怜
kr
kr
怜
krさんはその子に近づいてみる
猫は逃げることなく、むしろ近づいてきていた
猫
モヤッと少し嫉妬を感じる
近づいて来てくれるのは俺だけだったのに
そんなことを思いながら自分の面倒くささに呆れていた
kr
怜
2人とももう初対面とは思えないほど仲が良くなっていた
やっぱり流石だな
二人の間に少しだけ距離を感じてしまった
kr
怜
怜
sm
怜
俺がコミュ障なのを知っていてこれか
そしてまるで計画性を感じられない
怜
kr
kr
怜
kr
怜
1歳しか歳は変わらないのに
俺はまるで成長してない
ブンブンッ
こういう思考が良くないんだ
人のことなんか羨んでも自分は変わらないのに
ただ単純に距離を感じるだけ
自分に出来ることだけやればいい
……できることなんて
ガリッ…
腕に爪を立てて傷つける
昔からの癖で何らかの感情を推し戻そうとするとこうなる
kr
sm
俺の腕を見て少し悲しげな表情を見せてきた
kr
困り眉で笑う彼の顔はとても優しくて
俺の心が沁みるような感覚に陥った
─────✂─────
店主