蓮side
ラウが病室の入り口目掛けて 走り出す
部屋の1番奥の俺のベッドから 入り口まで
いつもならとても短い距離
でも今の俺にとっては とても長く感じる
ラウール
早く早く〜
容赦なく手を引くラウに 追いつくため必死に足を動かす
蓮
ハァハァ
しかし思うように動かず 足がもつれそうになる
その時ラウがドアを開けるため 一瞬止まる
蓮
(あ、ダメかも……)
慣性が働いたみたいに 前に倒れる
バタッ
蓮
ハァッハァ…ウッ…イタッイ
床に倒れた後追い打ちをかけるように 胸が痛くなってきた
蓮
ウグッ…ハァッハァ
亮平
……め…こえ…る…
声が聞こえる気がするけど 遠く聞こえて何言ってるかわかんない
蓮
ハァッ…ウゥッ
胸の苦しさで何が何だかわからない
自分の状況も周りの状況も
亮平
……と………よ
誰かの声がしたと思ったら 体が浮くような感じがした
蓮
ハァッハァ…ハァ
亮平
大丈夫だよ、すぐ先生くるから
今度は耳元ではっきり聞こえた
でもそこで俺の記憶は途絶えた
亮平side
元気なラウの声が部屋に響く
亮平
(まためめが振り回されてるなw)
そんないつもの光景を 微笑ましく思いながら 自分のベッドの上で勉強をする
でも今日はめめが遊びに行くのを 渋っているようだった
亮平
(まぁそういう日もあるよな)
珍しいけど気にせず 勉強を続ける
1番奥のベッドから入り口に向かって 2つの姿が走っていく
心の中で いってらっしゃい と思った瞬間
バタッ
何かが落ちたような大きな音がした
一度本から目を離し音のした方を見る
亮平
えっ?
そこには苦しそうに倒れる めめがいた
気づけば読んでいた 本を投げ捨てめめのもとへ走っていた