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アアアア
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もし
あの時友人が来なかったら
僕は今もこの部屋にいたかもしれない
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武藤
武藤
武藤
橋本
橋本
武藤
武藤
高校を卒業してから1年が経つ頃、一人暮らしを始めた。
キレイな建物ではないけど家賃も安く、職場に近い事からこの4階建てのアパートに引っ越してきた。
【401号室】
橋本
武藤
武藤
橋本
武藤
武藤
武藤
橋本
橋本
久しぶりに会う橋本は
引越し作業でバタバタしていた僕にとって、いい息抜きとなった。
橋本
武藤
橋本
橋本
高校の時はよくお互いの家に泊まりに行くことがよくあった。
懐かしいなあ。
武藤
武藤
深夜2時15分
橋本はソファで、僕はベットで深い眠りに入っていた
アアアア
橋本
アアアアア
橋本
橋本
何かの音に、橋本は起きた。何かは分からない。
橋本
橋本
そう言って、橋本は掛け布団にくるまりまた眠りにつく
アアアアアアアア
橋本
─翌朝─
武藤
武藤
武藤
武藤
橋本
橋本の近くに行くと彼の目はパッチリと空いていて、その瞳は上の方に向けられていた
武藤
橋本
武藤
橋本
武藤
橋本の瞳の先を辿ると、それはキッチンの上にある備え付けの棚を指していた。
武藤
橋本
橋本
橋本
武藤
武藤
武藤
武藤
橋本の目は本気で怯えていた。怖い夢を見たとしても、もうじき20歳になる男がこんなにも怯えるのはおかしいと思う程に。
キィィ
古いその棚を不快な音を我慢しながら、ゆっくりと開いてみた。
武藤
武藤
それは、本当にギッシリに敷きつめてあり不気味で、棚の中はとても冷たく感じた。
橋本
橋本
橋本
武藤
橋本
武藤
橋本
橋本
武藤
このアパートの壁は全て砂壁で出来ている。
だけど、そこだけはベニヤ版がボンドか何かで、壁のように貼り付けてあった。
特に気にしたことはなかった。
武藤
武藤
橋本
武藤
橋本
武藤
砂壁に直接貼り付いているせいでボロボロと砂が落ちてくる。
武藤
勢いよくベニヤ版を外すと、そこには箪笥が隠れていた。
武藤
武藤
振り向きながら橋本に問いかけると、そこには橋本の姿はなかった
武藤
武藤
橋本を探そうと1歩足を前に出す
『ぬちゃ』
武藤
床には
無数に広がる黒く長い髪の毛と
真っ赤に染まる血が一面に広がっていた
武藤
武藤
アアアアアアアアア
武藤
それは箪笥の中から聞こえてきた
恐る恐る振り返り
扉をあける
武藤
言葉を失った
箪笥一面に広がる乾いた血と匂い
そして
優しく目を瞑って息を絶ったように眠る女性と
何か悔しそうに、顔を強ばらせて眠る男性が
お互いの手を首に添えて抱き合って死んでいた。
─2週間後─
武藤
武藤
武藤
通話
10:06
401号室
僕が越してくる半年前
あるカップルが同棲していた
カップルの間に子供ができたが、養う経済力が無かった男性は中絶を望み、まだ学生だった彼女は中絶を拒否し、喧嘩が耐えなかったという。
しかし、お互い嫌いにはなれないことから子供が出来たのは2人の過ちだと、子供を養えないことを苦に心中を測ったと警察から聞いた。
僕が住む2ヶ月前に、住居人がいたことから僕は事故物件の事を話されなかった。
また、キッチンの棚にあった大量のお札はその住居人によるものだとわかった。
なんでも、赤ちゃんのエコー写真が捨てても捨てても、朝起きるとキッチンの棚に必ず戻っていたという。
武藤
武藤
武藤
そのアパートに向かって手を合わせて、僕はその場を去った。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
もし
あの時友人が来なかったら
僕は今でもこの部屋にいたかもしれない
箪笥を開けてくれて
ありがとう
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
─終─