健一
健一
健一
健一
健一
健一
2040年、情報化が過度に進んだ現代において通信量の負荷は見過ごせないレベルになった
健一
健一
健一
2020年に5まで数えた通信帯も必要に迫られてどんどんとバージョンを 更新していく。
健一
健一
従来のネットワークシステムでは 近い将来、通信をまかなえなくなる のは目に見えていた。
健一
そんな中、 世界に全く新しい粒子発見された。 多元性並行粒子
世界は一つじゃなくて 折り重なるように出来ていて 別時空に介して通信を行うことで 通信遅延を解消する云々…
健一
正直、説明を聞いても理屈は 理解できなかった。 意味がわからない。ただ…
健一
ただ、 俺は今並行世界の俺と リアルタイムで連絡を取り合ってる。
健一
健一
健一
健一
健一
健一
奇妙だ。 でも慣れたらこれも日常だ。
健一
ひまり
健一
健一
業務が終わった後の数時間 俺は並行世界の俺と連絡を取る。 これも立派な業務だ。 手当ても悪くない。
健一
ひまり
従来のものとは異なる 全く新しい通信システム 多元性並行粒子を利用した通信手段を 10Gシステムとしてリリースする。
この試みが成功すれば市場独占 それどころか 技術のライセンスをとれば 社には巨万の富が約束される
ひまり
並行世界との通信も10Gシステムを 運用するための実験の一環だ。
ひまり
健一
健一
社をあげての一大プロジェクトに、 技術部でない俺が 登用される理由は皆目見当がつかない
ただそんな状況を 正直俺は楽しんでいた。
ひまり
健一
健一
ひまり
ひまり
ひまり
健一
ひまり
ひまり
初耳だった。
健一
ひまり
健一
健一
少し待ったけど通信が安定しない。 どちらにしろ業務は終わってる。 今日は帰っても構わないだろう…
自動運転モードで車を走らせながら 考えるのは別の世界の自分のこと。
もう一人の俺はジャーナリストとして日夜巨悪と闘っているらしい。刺激的な毎日、俺とは大違いだ。
健一
もう一人の俺の話を聞くたびに 自分のまだ見ぬ一面を知れた気がして 最初は誇らしかった。
健一
でも、誇らしかったのは 最初だけだった。
車内搭載AI ナナコ
車に搭載したアシストAIが 着信を告げる。
健一
応答はなかった。 聞こえてくるのはキュルキュルという電子音だけ。 電子音は近づいたり遠ざかったりを 繰り返している。
健一
通話を切断できない。 向こうからは相変わらず電子音が 遠ざかったり、近づいたり 彷徨ってる。
健一
#%\_$
通話
02:07
健一
気味が悪い。
健一
そんな俺の思いと裏腹に車は スカスカの道をノロノロと走ってる。 法定速度の遵守。融通が効かないのは自動運転の弊害だと思う。
健一
不意に携帯デバイスが振動した。 新着メールだ。
車内搭載AI ナナコ
差出人はもう一人の俺だった。
健一
健一
健一
社内デバイスには特別な仕組みが 施されていて普通のデバイスじゃ 並行世界とはやり取りできない。 ひまりからはそう聞かされていた。
健一
健一
健一
曰く、多元並行世界で連絡を取り合うのに大事なのは座標なのだと言う。
それを探り当てるために 社内のやりとり用のデバイスから プライベート用のデバイスに アクセスして云々。
健一
などと言ってみたが、 正直、もう一人の俺が 何を言ってるのかはさっぱりだった。 理解できる自信もない。
健一
健一
健一
健一
寝耳に水だ。 流石にバカげてる。
健一
健一
健一
健一
健一
車内搭載AI ナナコ
いつの間にやら 眠ってしまっていたようだ。 それにしてもここはどこだ?
健一
どこかの山奥だろうか。 人がいる気配がまるでない。 そもそもなんでこんな場所に? システムエラーだろうか?
健一
再起動もできない。 システム自体がロックされてる。
健一
途方に暮れていたらデバイスがマップを受信した。目的地は300mほど歩いたところ。
健一
真っ暗闇の山の中。 じっとしている方が不安だった
健一
マップの指示に従って歩いていくと唐突に一軒の家屋が現れた。
コンクリート打ちっぱなしの2階建て殺風景な建物だ。
健一
不用心だが、こんなところを訪ねてくる人間もいないのだろう。
健一
返事はない。
健一
こんな真っ暗闇の山の中にいるのはやっぱり怖い。少し迷ったけど、家に上がらせてもらうことにした。
健一
家主は留守なのかもしれない。そう思うと一気に気が抜ける。
健一
ソファをベット代わりに横になった。 うとうとと気が遠くなっていくー
???
起き上がると見覚えのあるおかっぱ頭の女がいた。
健一
ひまりと会ったのはこの時が初めてだった。写真で見るよりもちょっと幼くて、メールのやり取りから想像していたよりもずっと頼りない女性だった。
健一
ひまり
さて何から説明すれば良いだろうか。
健一
でも、ひまりは俺の話を聞こうとはしなかった。
ひまり
健一
ひまり
金切り声でひまりは叫び出した。 彼女の手にはナイフが握られている。 殺されると思った。
健一
ひまり
彼女はナイフを出鱈目に振り回した。殺されないように俺は必死だった。
ひまり
どうにかしてナイフを取り上げたけど、彼女は怯まなかった。それどころか果敢に俺に襲いかかってくる。
ひまり
色々とイメージとは違ったけど、その負けん気の強さは思った通りだった。
ひまり
身体のあちこちから血を吹き出してるひまりを見ながら、俺は他人事みたいにそう思った。
健一
俺からメールが届いた。
健一
健一
健一
健一
健一
健一
健一
健一
健一
健一
ガシッと肩を掴まれた。 振り返ると俺がいた。
ひまり
健一
ひまり
ひまり
錠剤を差し出された。 ひどく苦い薬だった。
健一
健一
健一
ひまり
健一
ベットを起き上がろうとしたところで手足を縛られていることに気がついた
健一
おかしい。
健一
あれ?違うのか?
#%\_$
ひまり
おかしいのは俺なのか?
ひまり
#%\_$
分からない。 俺は俺? じゃあ、あの俺は誰だ。 世界は一つ?
ひまり
#%\_$
ひまり
#%\_$
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