ユア
(ミラノの視線が痛い)
授業中、ユアの背中に
ひときわ強い視線を感じた。
ユア
(あいつ……)
ユア
(カナンを殺しやがって……!)
ユア
(なんなの!)
ユア
(あいつはあんな立場じゃないのにっ!)
ユア
(あーもう!)
ユア
ムカつく!
クラスメイト
ゆ……ユアちゃん?
ユア
あ……
クラスメイトの視線が
ユアの背中に当たる。
黒板を書いていた先生も、
ユアをまじまじと不思議そうに
見つめている。
ユア
あ……え……
ユア
──す、すみません、ちょっと
そう言うと、ユアは席を立ち
教室を出ていった。
ミラノ
ふ……
ユア
はあ……はあ……
ユア
誰も居ない……か
ユアは誰もいない保健室に入り
ベッドに腰をかけた。
ユア
はあ……
ユア
なんなの……
ユア
もう教室戻れないじゃん……
ユア
ぜんぶ……ぜんぶミラノのせいだ……
ユア
ミラノが……
ユア
そうだよ……ぜんぶミラノが悪い
ユア
視線を送ったから……
ユア
ミラノのせいで……
ユア
──あ
ユア
そうだ
ユア
先生に、言いつければ──







