患者Rが見た景色。

患者Rが見た景色。 桃黄含む

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家から少し離れた都会の病院に入院している俺は、今日で入院5年目である。 俺の様子を見に来つつ、窓から見える金木犀を眺めていた先生に話しかける。

ふっ、と目を細め、笑いながら言う先生を見て、とくんと胸が高鳴った。 俺は、この病院の先生、さとみ先生に恋してる。 小さい頃からずっと。

ぽんぽんと俺の頭を撫でて、ドアの方に向かう。

約5分。 たった5分だけど、貴重な5分。 忙しいのに、毎朝来てくれるさとみ先生が大好きなんだ。

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正午。 お昼休憩中に来てくれる兄にぎゅっと抱きつく。

早速1口いただく。 1時間ほど前に昼食は食べたけど、別腹が残っていたようだ。

手をふりふりと降って、おろす。

すると窓から聞き覚えのある声が聞こえた

さとみ先生？

るぅと、ってだぁれ……？ あの綺麗な人がるぅとさん？ ふたり、仲良いのかな…。

そこからはふたりで金木犀の近くにあるベンチの方に向かったので、会話は聞こえなくなった。

楽しそうに話すふたり。 なんだか距離も、ちか、…

ふいっと顔を逸らし、やって来た看護師さんに窓を閉めることを頼む。 手元を見ると、にぃちゃんからもらったチョコレートがやや溶けていた。 それを口に含む。

その日食べた俺が好きなミルクチョコレートは苦かった。

- - - - - ꒰ ♡ ꒱ - - - - - ぞ、ぞぞ続編じゃないですよ！？ 若干続編出てましたが…👉🏻👈🏻 金木犀と日記。の♡と💬ありがとう！ ♡、💬下さい…泣