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学園祭最終日、後夜祭。
キャンパスの中央広場には巨大なキャンプファイヤーが組まれ、オレンジ色の炎が夜空を焦がしている。
大勢の学生たちが集まり、音楽に合わせて踊ったり、意中の相手に告白したりと、熱気は最高潮に達していた。
女子
瀬戸 ハル
ハルはいつものように周囲に囲まれていたが、その視線は舞台袖の暗がりにじっと立っている奏を捉えていた。
奏は、慣れない騒がしさに肩をすくめながらも、約束通りそこにいてくれた。
瀬戸 ハル
ハルは意を決して、ステージの中央へと歩み出た。
スポットライトがハルの金髪を照らし、会場から割れんばかりの歓声が上がる。
瀬戸 ハル
瀬戸 ハル
「「「イエーイ!!」」」
地響きのような返球。ハルはマイクを握り直し、少しだけ真面目な顔を作った。
瀬戸 ハル
瀬戸 ハル
瀬戸 ハル
一瞬、会場が静まり返る。女子たちの悲鳴に近い声が上がるが、ハルは構わず続けた。
瀬戸 ハル
瀬戸 ハル
瀬戸 ハル
ハルはステージの上から、迷いなく奏を指差した。
暗がりにいた奏に、周囲の視線が一斉に集まる。
奏は鳩が豆鉄砲を食ったような顔で固まっていた。
瀬戸 ハル
瀬戸 ハル
ハルの叫びが、夜空に響き渡る。
一瞬の沈黙の後、会場はパニックに近い盛り上がりと、野次と、そして温かい拍手に包まれた。
ハルはステージを駆け降りると、呆然としている奏の腕を掴んで、そのまま人混みをかき分けて走り出した。
市川 奏
市川 奏
瀬戸 ハル
二人が辿り着いたのは、もう誰もいない旧校舎の屋上だった。
遠くでキャンプファイヤーの火が揺れている。
市川 奏
瀬戸 ハル
瀬戸 ハル
ハルは奏の腰を引き寄せ、正面から向き合った。
奏の瞳には、まだ少しの戸惑いと、それ以上の深い愛情が滲んでいた。
市川 奏
市川 奏
瀬戸 ハル
瀬戸 ハル
ハルは奏の手に、自分の手を重ねた。
指と指が絡み合い、隙間なく繋がる。
瀬戸 ハル
瀬戸 ハル
奏は少しだけ俯き、それから顔を上げて、ハルの金髪にそっと触れた。
市川 奏
市川 奏
奏はふわりと微笑んだ。
それは、ハルがずっと見たかった、自分だけに向ける「特別」な笑顔だった。
市川 奏
瀬戸 ハル
二人の唇が、ゆっくりと重なる。
キャンプファイヤーの火よりも熱く、夜風よりも優しい。
金髪のモテ男と、平凡な男。
正反対な二人の、どこにでもあるけれど、世界で一番特別な恋が、ここから始まった。
市川 奏
瀬戸 ハル
市川 奏
瀬戸 ハル
市川 奏
満天の星空の下、二人の笑い声が静かに溶けていった。