結衣が行ってから
優
なぁ、なんでお前あのこと大河に言ったんだ。
優
あの時は俺も頭が整理できなかった。
海斗
ならちょうど良かったじゃん。
海斗
可愛い彼女もできて。お似合いだよ。
優
ほんとにそう思ってんのかよ。
海斗
ん…実はそんなに。
優
え、?
海斗
自分が受け入れられなかったんだろ。男を好きになるということを間違っているという気持ちがお前のどこかにあった。
優
はぁ?だ、だから俺はお前を好きかどうか…!
海斗
俺は、優のことが好きだ。
優
え、、?
海斗
あの日からお前のことを目で追っている自分がいるんだ。
海斗
授業中寝ているお前も、笑っているお前も。なんか可愛いなーって
優
か、可愛い?!
海斗
あいつ(大河)にいえばすぐに広まる。
海斗
そして逃げ道を無くせば俺の勝ちだ。
海斗
好きな人はどんな手を使っても取りに行け。
海斗
言ったろ。「このクソな世界はお前に合わせることなんかない。」
海斗
だけど、お前に嫌いと言われた時は…傷ついた。
海斗
あぁ。俺は勘違いしてたんだなーって。
海斗
でも、お前を同じように…傷つけたんだなって。
海斗
ごめんな。優。
優
え、…?は、?
結衣
優くーん!花火始まっちゃうよ〜!
優
う、うん!
海斗
ん。たこ焼き大盛りにしといた。
結衣
ありがとうございますっ!
海斗
…じゃあな。お幸せに。(と軽く手を振る)
優
お、おぅ。
海斗
こんな小さい神社で花火していいのかね〜。
優
…
結衣
優くん、?
優
あ、…そうだね…!
結衣
かいと先輩?
優
え、?
結衣
やっぱ好きだったんだ。海斗先輩のこと。
優
そ、その噂まだ信じてんの?笑
結衣
うん。いつも私のことじゃなくて。誰かのこと考えてるのかなーって。
結衣
優くん顔に出やすいから笑
優
ち、違うよ…!
結衣
いつも私から好きって言ってた。
結衣
優くんから好きって聞いたことない。
結衣
だから無理させちゃってるかな…って…
結衣
もちろん私は優くんのこと好きだよ。
優
…。ズズッ…
結衣
だから優くんの好きを大切にしたいなって。
結衣
もちろんめっちゃ嫌だよ…?
結衣
でもいつも楽しくなさそうな優くん見るのはもっと嫌…。
結衣
私から言わずに…
結衣
はっきり言って欲しい。
優
…俺はっ…海斗のことが好きだ。
優
まだ好きって伝えられてないけど…。
優
別れて欲しい。
結衣
…分かった。でもひとつだけお願いしたいことがある。
結衣
花火が終わるまで隣にいてっ…。
…楽しいはずの花火が、なぜがどこか苦しくて悲しい感じがした。