甘い君は俺を想う(続)

"キスしてもいい"

その言葉が頭の中を駆け巡る。

もちろん好きな人とキスしたい

だけど、相手はフォークで捕食者。

いくら好きな人でも少し迷う。

どうしよう、

ファーストキスが好きな人でフォークか…

緊張する、、

ﾁｭｯ

ﾁｭｸｯ…

舌が絡めばうりの目は閉じた。

俺は特に甘みだとかなんだとかは感じないけど、

うりの微笑みが余裕のある大人に見えて、目を合わせていたからか、なんだか恥ずかしくて…でも嬉しくって。

指舐めたうりは満足気な顔をして、

そう言った。

もちろん、俺はうりのこと好きだからすぐにイエスと言いたかった。

だけど、ケーキとフォーク。上手くやれるのか…？

"イチゴ"みたい。

キスをすれば信じられないほど甘くて、心に染み渡る

フォークの友達から聞いた話だと、初めてケーキに触れた時は甘く感じるものだって

次、指を舐めて同じ甘さだったら"イチゴ"。そうじゃなかったら、運命でもなんでもないらしい。

場所によって甘みも変わるらしく、1番甘いのが白い液(察してくれ)

次に唾液らしい。

流石に初手から白い液なんて無理だから、唾液を舐める。

少しだけ漏れた息に、更にゆあんを求めたくなる。

キスの最中、目が合った。

それだけなのに俺の心臓は痛いほどに鼓動を増した。

ゆあんの左手薬指を舐めると、信じられないほど甘くて、ずっと舐めていたい衝動に駆られる。

…どうしよう、止まんねぇ

思わず口に出た言葉。

"イチゴ"の可能性が高い以上、ここで関係を終わらせたくないってこともある。

だけど、それ以上にゆあんが可愛く見えて仕方がない。

伏し目がちにそう答えた。

でも、俺らこうなる運命だったんだよ。

俺は後悔してる

せっかくうりが付き合おって言ってくれたのに、断ったんだから

しかも、俺が素直になれなかったせいで一旦付き合うって話なくなっちゃったし。

…うりが俺の事好きになってくれる保証はどこにもない。

そんな賭けに出るよりかは…マシなのかな？

ここで良い感じになれたらいいな…

俺はとても後悔してる。

せっかく見つけたイチゴ。

運命の相手って言うくらいだから、自然と好きになれるかもって思ってたのに

イチゴだから好きなのか、ゆあんだから好きなのかわかんなくなっちゃった。

ゆあんに"好きじゃないなら無理"的なこと言われてちょっとショックなんだよね

…俺もどんな顔して、どんな声でゆあんにこの想い伝えたらいいか分からない

もし次会えるなら、ちゃんと言おう。

"ゆあんが好き"だって。