ヤダ。ひとりにしないで。
置いてかないで。
どこに行ったの…?
赤司 樟葉
懐かしいユメだ。
さぁ、学校だ。早く着替えて早く食べて早く行こう。
早くすれば間に合う。
ーーー
赤司 樟葉
誰もいない家に「行ってきます。」そう言おうとした時。
いつもの物を忘れていた。それは…
サングラスとマスクだ。
眩しいのは嫌いだ。だからといって暗闇も好きじゃない。
そして臭い。
「あの時」から俺の嗅覚は優れたんだ。
人間は臭い。性格も、心も、身なりも。
何一ついいものがない。
赤司 樟葉
そういい、サングラスとマスクを付け、外に出る。
―俺はもう大丈夫だ。
何も心配することは無い。
大丈夫、大丈夫。
ーーー
ザワザワ…
五月蝿い。
黙れ、うるさい。こっちを見るな。
女子
五月蝿い、あぁもう、耳を塞いでしまえ。
シーン。
耳を塞いで静まり返った耳の奥に、まだあのザワついた鬱陶しい程の声は残っている。
赤司 樟葉
何分か経ち、漸く静かになる。
治まった。このまま教室へ行こう。
次はヘッドホンを持ってこよう。
ここはとても、うるさいから。
ーーー
教室に着いた俺は、席に着く。
女子
女子
赤司 樟葉
せわしく過ぎる時間の中に、俺を批判する声も聞こえた。
「ウザイ」「消えろ」「キモイ」
「サングラスマスクとかイキってんのかよ。」
うるさい。
どうでもいい。…なんて、思わない。
黙れ。それだけでいいのに。
なんで出来ない?コイツらは。
女子
赤司 樟葉
俺が一番嫌いな言葉。
許さない。
お前らを許さない。
俺を置いて行ったアイツらなんて、もう知らない。
ーーー
担任
赤司 樟葉
担任
赤司 樟葉
担任
あー、醜い。
醜悪至極なり、とはこいつの為にある様なもんだ。
赤司 樟葉
『帰っちまえよ。』
そう、「俺の中の何か」が囁く。
ああ、もういいかな、なんて。
こんなの、俺が居ても居なくても何も変わらない。
ただの凡庸な奴でただの…
人間界の社会不適合者だ。
そう思った瞬間、鞄を手に取り、足早に学校を出て行った。
この込み上げてくる感情は何だ?
自分でそう思い自分でそう傷付いたのか?
おかしい。
俺の中で何かが違っている。
時間の歯車が、狂い出している。
コメント
3件
2作目できたので是非そちらをご覧下さい!
ネタに困っていたので今日からこれを書こうかと思います!
続きありますか?