あと…どのくらい生きられるのかな？

しんのすけが歩き始めたその時だった

ﾍﾞﾁﾝ

しんのすけは転んでしまった

しんのすけ自身何が起こってるかわからない状況だった

｢最初は｢よく転ぶ｣と言った症状から始まります｣

立ち上がったしんのすけはゆっくりと前に歩き出した

トイレまであと3mといった所で

ﾍﾞﾁﾝ

しんのすけはまた転んでしまった

みさえの顔がみるみるうちに青ざめていく

本当は病気にかかってないいんじゃないか？

そんな期待も撃ち抜かれたショックも大きい

このまましんのすけには伝えないほうがしんのすけのタメよね？

そう…よね

ようやくベットの上の生活とさよならできるせいか、しんのすけは上機嫌だった

よっぽど入院していて淋しかったのだろう

なんだかんだ言ってしんのすけはまだ5歳の子供だ

俺たちが恋しかったんだな……

寿司の話で盛り上がる車内

久しぶりの1家に笑顔が溢れ出す

せめて今は、

せめて今は楽しませてあげたい

納豆巻きの皿を取るしんのすけ

箸で納豆巻きを取ろうとした時だった

…しんのすけの手がぷるぷると震えていた

モグモグと食べた始めるしんのすけ

事無きを経て安心するみさえ

…この病気はゆっくりと進行するハズなのに…

大丈夫…よね？

何事もなくどんどん食べるしんのすけ

その様子を見て少し安心した

翌日の朝…

ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘと、目覚ましがなる

いち早く起きたのはしんのすけだった

しんのすけの病気のことはまだよしなが先生達には説明していない

｢風邪が酷くなり入院した｣とたけ伝えていたんだけど…

もしもことを考えたら…

私が病気のことを知らせに行く…とは言えない

この子は油断できないから電話も危ないし、一緒に行っても盗み聞きするかもしれない……

まだ…この子に知られちゃいけないの

しまった…つい声を荒くしてしまった…

肩を落とし布団に戻るしんのすけ

ごめんね…明日から行かせてあげるから。

ドアを閉めて自動車に乗り込むみさえ