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主
主
都会の人混みの中を歩いていたら、 すれ違いざま誰かに肩がぶつかってしまった。 慌てて振り返る。 ぶつかってしまった相手は小柄な少年だった。
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謝罪の言葉を出す。 しかし途中で切れてしまった。 その代わり、別の言葉が出た。
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そこから先は言葉にできなかった。
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彼は俯いていた頭をあげ、私の目を見た。ボロボロだった。 私が言った「怪我」は、彼の腕についた青紫色のアザだった。 彼の顔にも、それと似たものがついている。 皮膚が裂けて血が出ているところもあった。彼は目を逸らした。
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そのまま彼の手を引いて近くの噴水のへりに座らせる。 私は背負っていたリュックサックを下ろし、 整頓された中から自分の掌くらいある絆創膏を取り出した。 タオルと保冷剤も。 保冷剤をタオルに包んで、それを彼の腕にある大きなアザにあてる。
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言い終えたあと、彼は長い前髪の下から私を黙って見つめた。じっ、と。
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彼が口をもごもごさせる。
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今度は視線を逸らした。 そのままごめんなさい、と小さく言った。 そんな姿を見ていると、どこか懐かしさを感じた。
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きっと気のせい、だけど
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