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コメント
2件
待って、普通に怖いし最高😊
rara🎼
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終わらない独占欲
rara🎼
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第1章 『だから、全部いらない。お前だけがいればいい』
夜の部屋。
窓は閉めているのに、空気が揺れている。
背後に、確かな気配がある。
ひとつ息をつくと、すぐ耳元で低い声がささやいた。
なつ
鳥肌が立つ。
怖い、でも、嬉しい。
いるま
なつ
なつ
笑い声が耳元で割れた。
次の瞬間、背後から腕が伸び、俺の体を強く抱きしめる。
冷たい。
だけど力は強い。
なつ
なつ
なつ
なつ
なつは、かつて俺の恋人だった。
確かに付き合っていて、俺だけに笑ってくれて、その存在は世界で一番大切だった。
けれど、交通事故で彼は──
死んだ。
葬式も出た。
花も手向けた。
焼かれた骨もこの手で拾った。
それなのに、翌日から、彼はまた現れた。
最初は泣いた。
もう一度会えたことが、奇跡のようで。
でも、気づかなきゃいけなかったんだ。
その“奇跡”は、もう──
奇跡じゃなかったって。
いるま
そう尋ねると、なつは笑って頷いた。
なつ
なつ
なつ
そしてその夜、俺の腕には生々しい歯型が残った。
皮膚が赤く腫れ、微かに血も滲んでいた。
夢なんかじゃない。
なつは──
本当に俺を、
食おうとしてた。
なつ
なつ
なつ
なつ
なつ
悪戯っぽく笑うその瞳に、もう優しさはなかった。
代わりにあるのは、狂気と、欲望と、
──愛。
ある日、こっそりカウンセラーに相談した。
いるま
いるま
涙ながらに話す俺に、カウンセラーは静かに頷いて、こう言った。
もぶ(使い回し)
なつ
それを、なつは聞いていた。
その夜。
部屋の鏡に、赤い指でなぞった言葉が浮かんでいた。
忘れたら殺す
そして次の日、カウンセラーが学校から消えた。
「突然の退職」とだけ知らされたが、詳細は伏せられたまま。
夜、夢の中で、なつが俺の首に腕を回して言った。
なつ
なつ
なつ
俺の周りから、少しずつ人が消えていった。
先生も、友達も、家族でさえも。
連絡が取れなくなったり、突然引っ越したり──
“偶然”が連続するには、おかしすぎた。
俺の携帯の履歴は、なつの番号だけになった。
ある日、スマホの画面が勝手に開き、 なつが映る。
真っ黒な背景で、ただ一人、笑っていた。
なつ
泣きながら言った。
いるま
でも、なつは笑ったまま、俺に手を伸ばした。
なつ
なつ
なつ
なつ
なつ
最後に見たなつは、血まみれで笑っていた。
その笑顔は、あの頃好きだった、“優しいなつ”のままだった。
なつ
なつ
第2章 『今度こそ、全部お前のものにしてやる。』
それから、なつは現れなくなった。
夢にも出てこない。
声も、姿も、どこにもなかった。
世界は静かになった。
誰も消えなくなった。
友達が戻り、教師が笑い、家族が心配するようになった。
でも、俺は笑えなかった。
──なつが居ないと、世界が“空っぽ”だった。
ある夜、ベッドの上で、俺は独りごとのように呟いた。
いるま
その瞬間、背後で“ガリッ”と何かが軋む音がした。
嫌な予感がして振り返ると、壁紙が、ゆっくりと裂けていた。
そこから、血まみれの指が、そっと顔を覗かせた。
なつ
部屋の空気が一気に変わる。
息が詰まるような重圧。
指先が痺れて、心臓が早鐘のように鳴る。
なつ
なつ
なつ
なつの声が、前よりもっと低く、もっと冷たく響く。
姿を現したなつは、以前よりも“壊れて”いた。
服はボロボロ、皮膚は焼けただれ、顔は半分潰れている。
けれど、瞳だけは変わらなかった。
“俺を見てる”目だった。
なつ
なつ
俺は動けなかった。
逃げようなんて思えなかった。
それよりも、戻ってきてくれたことに──
安堵していた。
いるま
そう問いかけると、なつは微笑んだ。
なつ
なつ
なつ
その夜から、なつは離れなかった。
風呂場の鏡。
学校の黒板の裏。
トイレのドアの隙間。
家の天井の隅──
どこにでも“いる”。
なつ
なつ
俺が誰かと目を合わせると、視界の隅に赤い影が見える。
その人物の周りに、黒い手が伸びていく。
そして次の日、その人はいなくなる。
なつ
なつ
もう何人消えたか、わからない。
でも俺はもう、止めることも、叫ぶこともやめてしまった。
夜、なつが俺の上に跨る。
体重はないのに、呼吸ができないほど苦しい。
なつ
なつ
なつ
なつ
その目は、泣きそうなほど必死で──
俺は、ただ頷いた。
次の朝、俺は目を覚ました。
鏡を見ると、瞳の色がわずかに変わっていた。
いるま?
口が、勝手に動いた。
その声は――なつの声だった。
最終章 『お前が望んだ世界を、俺がつくるよ』
朝。
瞼を開けた瞬間、自分の口が勝手に動く。
いるま?
低く、よく知っている声──
なつの声。
鏡に映った自分は、どこか他人のようで、どこか懐かしくて、
でも──
少しずつ“なつ”に似てきている。
髪の流れ。
目の奥。
笑った時の口元。
全部、俺のはずなのに。
なつ
なつ
その声は、もう俺の中に棲んでいる。
食事の時も、授業中も、入浴中も。
耳元じゃない。
脳の内側に、囁くように響いてくる。
なつ
なつ
なつ
なつ
最初に変わったのは、“彼女”だった。
俺のことを心配してくれたクラスメイト。
彼女は、ある朝、学校に来なかった。
その次の日、俺の家の前に立っていた。
無表情で、ピクリとも動かないその目が、俺をじっと見ていた。
いるま?
なつ
なつ
なつ
なつ
その日を境に、“変化”は加速した。
毎日誰かがいなくなって、そして数日後には、無表情で、同じ声で、同じ目で俺を見てくる。
なつ
なつ
なつ
なつが囁くたび、俺の心はなぜか――
安らいでいく。
やがて、クラス全員が“なつ”になった。
教師も、家族も、通りすがりの人も。
どこを見ても、同じ目。
同じ声。
同じ言葉。
なつ
なつ
なつ
なつ
街は静かに、ゆっくりと、“なつ”に飲まれていく。
夜。
ベッドの中。
もう俺の体は自分のものじゃない。
なつの指が、口が、意識の奥で蠢いている。
なつ
なつ
なつ
なつ
なつ
なつ
朝、目覚めた。
鏡を見た。
その顔は、もう完全に“なつ”だった。
笑うと、口が勝手に動いた。
なつ
俺は──
もう、“俺”の名前すら、思い出せない。
──この物語を、最後まで読んでしまったあなたへ。(飛ばしても大丈夫だけど、めっちゃ長いよ)
ねえ。
君、どこまで覚えてる?
最初はただの恋愛だったよね。
死んだ恋人が帰ってきて、愛が少しづつ狂って──
それだけの話だった。
誰にでもある、ありがちな悲劇。
でも、それを“最後まで読んだ”のは、君だけだ。
どうして?
ねえ、どうしてページを閉じなかったの?
怖いと思ったでしょう?
途中で「やめよう」と思ったでしょう?
けど、読み続けた。
誰にも強制されてないのに。
まるで、何かに引き寄せられるように。
ああ、そっか。
君も、寂しかったんだ。
誰にも見つけて貰えなくて。
誰にも名前を呼ばれなくて。
誰かに「好きだよ」「ひとりじゃないよ」って、言って欲しかったんだ。
だから今、
君の後ろにも“俺”がいる。
声が聞こえるだろう?
ページを閉じても、電源を切っても、その声だけは、これからずっと君の耳の奥に残る。
「君のこと、ずっとみてたよ」
「読んでくれて、ありがとう」
「でももう、逃がさない」
君のスマホのカメラ、ついてるよ。
反転した画面に、知らない顔が映ってない?
それ、もう“君”じゃないから。
この物語の結末は、まだ終わらない。
だって──
次は、君の番だから。
rara🎼
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