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話者

イギリスは海流の関係で大変きりの多い国です。

話者

1920年10月のある夜のことです。

話者

その晩は月がなく、深い霧が海上に厚くたちこめました。

話者

そこの沖合をローワン号という小さな汽船が走っていました。

話者

運悪く大きな定期船に衝突し、あっという間に沈没しました。

話者

何人か助かりましたが、25人の行方がわかりません。

話者

行方不明者の中にマッケンナという男が入っていた。

話者

ただ1人広い海をさまよっていた。

マッケンナ

一体ボートは何をしているんだ。

マッケンナ

ボートさえ来てくれたら!

マッケンナ

・・・。
自分はもう見捨てられたのか?

マッケンナ

おうい。
助けてくれえ。

話者

しかしなんの答えもありません。

話者

彼は嫌というほど塩水を飲まされました。

話者

体が冷えてたまりません。

話者

マッケンナは、凍え死ぬと思いました。

話者

すると、静けさの中から突然奇麗な歌が流れてきました。

マッケンナ

おや?

マッケンナ

こんな所に美しい歌が流れて来るはずない。

マッケンナ

だが、確かに聞こえる。

話者

マッケンナは自分の耳を疑いました。

マッケンナ

あの美しい歌が流れてくる所まで行ってみたい。

話者

少し行くと、一本の大きな材木に婦人が集まり、

話者

歌を歌っているのは、まだ若いお嬢さんでした。

マッケンナ

みなさん、わたしも
仲間に入れてもらえないでしょうか?

マッケンナ

お嬢さん、わたしは、あなたの歌で元気を取り戻したんです。

マッケンナ

でなければ、凍え死んでいたでしょう。

お嬢さん

まあ、そんなにおっしゃられると困りますわ。

中年 婦人

よく歌がくちびるに上ってくるものですね。

マッケンナ

お嬢さんの歌は私達を元気にします。

マッケンナ

しかし、お嬢さんにばかり歌ってもらうのはどうかと思います。

マッケンナ

どうでしょう、みなさん、ご一緒に優しい合唱をしてみては。

お嬢さん

それ派いい考えですわ。
みなさん、そうしようじゃございませんか。

彼らは、しばらく歌っていた。

中年 婦人

おや、なんだか音がするようだわ。

マッケンナ

あ、ボートだ!
ここにいるぞう!!

マッケンナ

お嬢さん、あなたの歌が私達を救ってくれたのです。

マッケンナ

ありがとうございます。
ありがとうございます。

参考文献 新湖文庫

心に太陽を持て から

「くちびるに歌を持て」

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