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血のハロウィンから1ヶ月後が経ったある日

12月1日

今日は場地さんが亡くなってからちょうど1ヶ月後が経った。

千冬

………

千冬

(場地さん…)

千冬

(もう1ヶ月後経っちゃいましたよ…)

千冬

(早いですよね……)

千冬

………

千冬

(俺はまだ……、)

千冬

(あなたに伝えてないことがあったのに……)

???

…にゃー

千冬

………

千冬

…ん…?

千冬

(猫の鳴き声…?)

にゃー

その猫は俺の目の前に現れた

千冬

(なんで猫がこんなとこに…)

千冬

………

ナデ…(猫の頭を撫でる)

…!

千冬

飼い主が心配すんぞ

千冬

早く帰んねーと怒鳴られんぞーw

千冬が立ち上がって歩き出す

………

ピタッ…(足を止める)

千冬

………

千冬

(…もし場地さんだったらきっと…)

…にゃー

場地

お!

場地

見ねぇ顔だな!

場地

新入りか?

ナデナデ…(猫を撫でる)

場地

うりうり〜!

場地

お前かあいいなぁ〜!

にゃ〜ん…!

場地

………

場地

…よし!

場地

お前うちに来い!

場地

飼ってはやれねぇが飯は食わせてやる!

場地

来い!

にゃー!

千冬

………

千冬

…はは……

千冬

(…なんで……)

もう1ヶ月後経ったのに

俺はまだこんなに…

ーーーー……

千冬

………

千冬

…なぁ、

千冬が猫の方を見る

千冬

…うちに来ねぇ…?

…!

千冬は今にも泣きそうな切ない顔をしていた

千冬

………

千冬

…うち、

千冬

猫1匹いるけど、我慢できるなら来ていいぞ

………

千冬がまた歩く

………

猫が千冬についてく

千冬

…!

千冬

(ついてきた…)

千冬

………

千冬

(…また来ますね)

千冬

(場地さん…)

ガチャ…

千冬

ただいまー…

ペケJ

にゃっ!

千冬

ペケただいま

ペケJ

…!

千冬

あ、そうそう

千冬

こいつは場地さんの墓にいた猫なんだ

千冬

別に飼うってわけじゃねぇからn__

ペケJ

………

ペケJが猫に近づく

千冬

(あ゙…やべ…)

千冬

(確かペケって、他の猫と仲良くなれなかった気が……)

…にゃー……

ペケJ

………

ペケが猫にひっつく

………

千冬

!?

千冬

ペケ…お前…っ!?

千冬

…嘘だろ…

千冬

(…あのペケが猫と仲良くなるなんて……)

千冬

(…この猫すげぇな……)

………

スリッ…(千冬に寄り添う)

千冬

ん?

ジッ…(千冬を見つめる)

千冬

なんだよwどーしt__

ドクンッ…!

千冬

…!

黒い毛

ふわふわした毛並み

茶色がかった瞳

じっとまっすぐこっちを見つめてきて

逸らすことができないあの目

千冬

……ッ、

会ってまだ数十分しか経ってないのに、

見た目が似ているだけなのに、

どうしてこんなに彼と重ねてしまうのだろう

千冬

……ッ、

千冬

…っ、場地…っさ、…

…!

千冬

…場地さん、

千冬

…です…よね…?

………

何も言わずに窓の方に近づく猫

カリカリ…(窓をひっかく)

千冬

…?

千冬

なに、してんだ…?

千冬

(窓ひっかいてる…)

千冬

(開けてほしいのか…?)

カラカラ…(窓を開ける)

スルッ…(窓から飛び降りる)

千冬

…!!

千冬

あっ!ちょっ、待っ…!

千冬

………

千冬

待ってください!!!

…!

千冬

…もし……

千冬

っ…もしっ…!

千冬

オマエが場地さんと話せるんだったら…、

千冬

っ…てか!

千冬

貴方が場地さんなら…っ、

千冬

これだけは伝えておきたいことがあるんです…、

千冬

俺は……

千冬

………

…?

千冬

俺は…っ!

千冬

千冬

場地さんをずっと好きでした…!

千冬

好きって言っても、憧れの好きと…

千冬

恋愛感情としての好きと…

千冬

兄弟みたいな家族愛的な感情が入り交じった

千冬

色々混ざった“好き”なんです…///

…!

………

千冬

…ふぅ、

千冬

…他にも話したいことはいっぱいあるんですけど…、

千冬

キリがないと思うので、これしか伝えません

千冬

聞いてくれてありがとうございました…!

………

何も言わずに歩く猫

千冬

………

告えた…

これでいいんだ…

だから…、

千冬

………

また会いたいだなんて期待するな…

???

……ゆ、

千冬

………

???

……ふゆ、

???

………

???

千冬!

千冬

ハッ…!!

千冬

た、たけみっち…?

千冬

なんでここに…

武道

…?

武道

千冬何言ってんの…?

武道

千冬が集会前で寝不足だから少し寝るって言ったんじゃん

千冬

え…?

千冬

(ってことはあれは全部…)

夢…?

千冬

(どこからどこまで…?)

千冬

(え…?)

千冬

(どういうことだ…?)

武道

あ、集会始まる

夕方の千冬の部屋だと思ってね(๑ ᴖ ᴑ ᴖ ๑)

ガチャ…

あれは本当に夢だったのか…?

千冬

………

千冬

…!

いや、

やっぱこれは夢じゃねぇ…

ソッ…(ひっかかれた窓を触る)

千冬

………

でも…

どこから夢だったんだ…?

………

トトッ…(近くに行く)

???

お、

???

帰ってきたか

場地

あいつ、泣いてた?w

…にゃー……

場地

………

場地

…そーかァ、

ナデ…(猫の頭を撫でる)

…!

場地

…俺の代わりに行ってくれてありがとな

場地

俺はもうあいつと話すことができねぇからな

にゃー…

場地

…なぁ、

場地

こんなのいいと思わねぇか?

場地

俺の思いをお前に預けるから、お前は俺になるんだ

…!

場地

…つってもお前には何も利点がねぇんだけどなw

場地

俺の願い、叶えてくれるか?

………

…にゃー、

場地

…そーかw

場地

………

ありがとな

千冬

………

俺は馬鹿だ。

あの1匹の猫だけに、

こんなに時間をかけて考えてしまう

千冬

(…忘れたい訳じゃない……)

千冬

(…でも、)

カリカリ…

千冬

!!

バッ!!(窓を見る)

千冬

…!

カリカリ…

千冬

(あの猫…!)

千冬が窓を開けようとする

千冬

(開けなきゃ__

千冬ぅ、

千冬

…!?

その猫、俺の魂?wが入ってるから

俺だと思って話しかけてくれよな

千冬

ばじ…、さ、

千冬

………

ガラッ!!(窓を勢いよく開ける)

ビクッ…

ギュッ!!(猫を強く抱きしめる)

…!

…あぁ。

どこから夢だとかはどーでもいい

だから…、

今ここにいる猫(場地さん)だけは

離したくないって誓って言えるんだ

この作品はいかがでしたか?

4,900

コメント

35

ユーザー

天才👏 その力ください

ユーザー

泣けた😭 最高です😭

ユーザー

最高すぎます!!主様神ですね!

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