テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
コーチ
指導を担当するコーチが
練習中に声を掛けた。
彼女は瞬時に空気を読んで、
セッターの位置へと移動する。
技術は確かだった。
どのポジションも無難にこなし、
決して目立ちはしないが、
必要な時に必要な動きをする。
だが、それが逆に
違和感
を生んでいた。
何を考えてるのか分からない。
いつも独りだよな。
感じ悪い訳じゃないけど …
なんか怖い … 。
言葉に出されない噂が、
彼女の周囲で膨らんでいく。
それでも彼女は、
それを当然として受け入れた。
_人はどうせ裏切る。
_近づいてきたと思えば、
踏みにじる。
だから、笑わない。
だから、離さない。
だから、誰にも期待しない。