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【第2章】4話

〜七瀬の部屋〜

天堂

お邪魔します......

天堂

(久しぶりだな.........
あの事件以来は七瀬の
部屋には来てないからなぁ)

七瀬

わぁ〜.......!

天堂

どうした?

七瀬

....こんな部屋に住んで
たんだなーって思った
だけですよ!

天堂

.....そうか。

七瀬

ふふっ!なんか
懐かしい気がします

(天堂side) 七瀬が懐かしいと言っただけなのにそれがなんだか嬉しかった。 そしてまた思い出すんじゃないかと期待してしまう自分がいる。 それから七瀬は楽しそうに部屋のあちこちを見て回っていた。 そして小さいタンスに置いてあった猫の キーホルダー型のお守りに気づく

七瀬

わー!可愛い!
なんだろ.....お守りかな?

天堂

猫様か?

七瀬

.....猫様って
言うんですね!

天堂

あ、ああ。
そうらしい......

七瀬

ふふっ!知ってるん訳
じゃないんですね!

天堂

......まぁな
ある人にそう
聞いたんだよ

(七瀬side) 少し切なそうな顔をして言う先生の顔が、看護師になるきっかけを忘れたって言った時に見た顔と似てるような気がした。

七瀬

へぇ〜.........
そうなんですね。

七瀬

でもこれよっぽど大事に
してたんですね......
金具をつけ直してる!

天堂

そうだな。

七瀬はキーホルダーが置いてあった テレビ台の引き出しを開ける。

七瀬

あっ!なんだろこれ......
イラストが書かれてる。

七瀬

「王子」って
誰のことだろ.....?

七瀬

痛っ!

天堂

大丈夫か?

七瀬が頭を抑え、痛そうにしていた。

七瀬

っ.....すいません。
大丈夫です

天堂

大丈夫って
どうしたんだ.....?

七瀬

急に頭に衝撃が走った
見たいになって.....
.....もしかしたら記憶が
もどりそうなのかもです

天堂

そうか......

(天堂side) 七瀬が痛みに辛そうにしてたのに 記憶が戻りそうの言葉に嬉しいと 思ってしまった........ 七瀬の心配を優先するべきなのにな

七瀬

もしかして......
このイラストを
見たからかも
知れません

七瀬

.......誰なんだろう
この王子って

天堂

誰だろうな......
分からない。

七瀬

そうですよね.....
でもこれなんとなく
先生に似てる気がします

天堂

......そうか?

七瀬

似てると思います!
でもなんでこんなの
しまってあるんだろ...?

天堂

なんでだろうな.....

七瀬

あっ!すみません

七瀬

初めて来る自分の部屋なので
はしゃいじゃいました

天堂

いや、別に大丈夫だ

七瀬

お茶とか、あるかなぁ.....

そう言って台所を探し始める。

七瀬

あっ!あった!

七瀬

......でも賞味期限
きれてる

七瀬

じゃあ他になにか....

(七瀬side)冷蔵庫を開けるが、何もない。 私、自炊はしてなかったのかな......

七瀬

すみません。せっかく
お呼びしたのに何も出せる
ものがないみたいです

天堂

別になくてもいいが......

七瀬

ぐぅ〜

七瀬のお腹が鳴る。

七瀬

すみません/////

天堂

佐倉が良いなら、
俺の家に来い。

七瀬

え?

天堂

飯ぐらいなら
作ってやる。

七瀬

でも、迷惑なんじゃ.......

天堂

.....別にそのくらい
気にしなくていい

〜天堂宅〜

七瀬

...お邪魔します!

天堂

.........勝手にゆっくり
してくれればいいから

七瀬

....はい!
ありがとうございます!

七瀬

(...なんだかさっきより
懐かしい感じがする....
なんでだろ...?)

七瀬

....っ痛!?

七瀬が頭を抑える

天堂

おい!大丈夫か?

七瀬

.....大丈夫です。
さっきので慣れました。

七瀬

でも急にくると
びっくりしますね....

天堂

......辛そうなら
帰って寝た方が

七瀬

いえ、大丈夫です。
ずっと痛い訳じゃないので!

七瀬

記憶が戻りそうになると
痛くなるみたいです.....
でも...肝心なところが
思い出せない...

天堂

......そうか。
キツくないなら
いいけど.......

七瀬

そのうちきっと全部
思い出しますから!

天堂

だといいな。
でも無理するなよ?

七瀬

分かってます.....。
心配して下さって
ありがとうございます

天堂

.....まぁ取り敢えず
そこに座ってろ。

七瀬

.....はい

天堂は台所に立って、冷蔵庫から 材料をおもむろに出す。

七瀬

私、手伝います。

天堂

いや、いい。

七瀬

でも、私から
誘ったのに.....

天堂

病人なんだから
じっとしてろ!

七瀬

....ありがとうございます!

天堂は慣れた手つきで料理を始める

七瀬

料理お上手なんですね!

天堂

暫くの間は適当に
済ませてたんだけどな...

天堂

それじゃあ、ある子に
怒られるぞ!って
友達から言われて
作るようになった。

七瀬

へぇー...
そうなんですね!

七瀬

ある子って
彼女さんですか?

天堂

.......

七瀬

あっ、すみません。
この質問は無しで......

天堂

いや、別に言えない
訳じゃない。

天堂

....婚約者だよ。

七瀬

......そうなんですね!

天堂

そいつ俺のことを
勝手に置いて
行きやがってな

七瀬

もしかして...別れたんですか?

天堂

いや、別れてはない。

天堂

まだずっーと待ってんだ。
あんまりにも長く
待たせるから、早く帰って
きて欲しいもんだ。

七瀬

....早く帰ってくる
といいですね!

天堂

.....そう..だな。

「七瀬のことだよ.......。」 そう言いたくなった。でもそれを 伝えては駄目だ。ぎゅっと我慢して その思いをそっと胸の奥に閉じ込める。 それから久しぶりに2人で一緒に ご飯をたべた。 まるであの頃の七瀬が帰ってきた ようだった。

七瀬

長居してしまいすいません...
凄く美味しかったです!

天堂

よかった。

七瀬

よければ...また食べに
きてもいいですか?

天堂

ああ。もちろん。

七瀬

嬉しいです!
じゃあそろそろ
失礼します。

そう言って七瀬は自分の部屋に帰った。 (天堂side) 一人になった部屋の隅、俺はまた泣いた。 最近は涙もろくなってしまってすぐに 泣いてしまう。 七瀬が隣の部屋にいる。帰ってきている。 それだけのことで涙が出てくる。 いつか七瀬は思い出すんだろうか これから思い出さなかったら どうなるんだろう... また好きになってくれるだろうか 帰ってきてくれて嬉しい気持ちと 不安な気持ちで心の中でいっぱいになった .....あの時、七瀬が俺を変えてくれて、 俺が七瀬を好きになったように 今度は俺が七瀬を振り向かせてみせる... そう心に決める。

‪✂︎‬━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(七瀬side) 先生が婚約者のことを話すとき、なぜだか嬉しそうな悲しそうな顔をする。 その顔が目に焼き付いて離れなかった。 その顔を思い出すとなぜだか胸が 苦しくなった。 これはどうしてなんだろう...

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