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キミは俺を照らす月。

第1話 - キミは俺を照らす月。第1話

28,111

2020年08月29日

#青春恋愛

#学園

#年の差

#先生

春野せり

1月1日

お昼ごろ

藤堂瑠菜

あっ！陽子ちゃんから電話だ…！

藤堂瑠菜

もしもし

白井陽子

あけおめ～！瑠菜ちゃん

藤堂瑠菜

明けましておめでとう！今年もよろしくね！

白井陽子

こちらこそ♪

白井陽子

残り少ない高校生活楽しもうね！

藤堂瑠菜

うん！

白井陽子

そういえば、このお正月は先生んちにいるの？

白井陽子

夏休みから同居してたよね？

藤堂瑠菜

昨日から実家に帰ってきてるよ～

白井陽子

そうなんだね

藤堂瑠菜

4日に恭夜くんが迎えに来てくれるんだ～

白井陽子

ん？瑠菜ちゃん…呼び方が

藤堂瑠菜

あっ、えっと…最近はこう呼んでて…

藤堂瑠菜

もちろん、学校ではちゃんと大島先生って呼ぶよ？

白井陽子

へぇ～♪恭夜くんか～笑

白井陽子

なんか、より親密感が出ていいじゃん！

白井陽子

私も今度呼んでみよっかな～

藤堂瑠菜

えっ！？陽子ちゃん…

白井陽子

嘘よ～冗談だってば！

白井陽子

本気にしないでよ笑

藤堂瑠菜

陽子ちゃんなら全然いいよ？

白井陽子

いや、ダメでしょ！そこは

白井陽子

『私の恭夜くんとらないで～！』とか言わないと～笑

藤堂瑠菜

へへっ…そっか笑

白井陽子

しっかり捕まえておきなよ～？他の女に取られないようにね？

藤堂瑠菜

う、うん！！

白井陽子

じゃあ、また始業式の日にね～

藤堂瑠菜

うん、またね！

藤堂瑠菜

（陽子ちゃんは大丈夫だけど…そうだよね…）

藤堂瑠菜

（恭夜くん、かっこいいし…他の女の人に気をつけないと！）

実は私、担任の大島恭夜先生と夏休みからお試し同居しています！

私と先生の両親も公認なんだけど… 周りで知ってるのは、陽子ちゃんと佐久間くんくらいかな？

あっ、宮下先生も知ってるかも…？

藤堂瑠菜

（周りには秘密にしないと…！）

藤堂瑠菜

あっ、恭夜くんからチャットだ♪

大島恭夜

何してる？

藤堂瑠菜

さっきまで、陽子ちゃんと電話してたよ～

大島恭夜

そっか

大島恭夜

4日、昼過ぎに迎えに行くけどいい？

藤堂瑠菜

うん！分かった！

藤堂瑠菜

お母さんたちにも伝えておくね

大島恭夜

うん、よろしく

大島恭夜

実家でゆっくりしておけよ？

藤堂瑠菜

は～い♪

藤堂瑠菜

でも私は

藤堂瑠菜

早く恭夜くんに会いたいけどね…？

大島恭夜

それはまぁ…俺もだけど

大島恭夜

瑠菜のお母さんたちは

大島恭夜

きっとお前とゆっくり過ごしたいと思ってると思うよ

藤堂瑠菜

うん

大島恭夜

お互いに、滅多に泊まりで実家に帰らないんだし

大島恭夜

たまにはいいんじゃないか？

藤堂瑠菜

そうだね笑

藤堂瑠菜

あっ、私も恭夜くんのご両親に新年の挨拶…したほうがいいよね？

大島恭夜

ん～。それはいいよ。親父たち忙しいみたいだしさ

藤堂瑠菜

そっか…

大島恭夜

じゃあ、また4日に

藤堂瑠菜

うん

1月4日

昼過ぎ

瑠菜の父

明けましておめでとう、恭夜くん

大島恭夜

おめでとうございます

瑠菜の母

恭夜さん、わざわざ迎えに来てもらってごめんなさいねぇ…

大島恭夜

いえ…。お母様やお父様にも新年のご挨拶もしたかったので

瑠菜の母

あら、そう？

瑠菜の父

ところで、瑠菜は君のとこでちゃんとしてるかね？

藤堂瑠菜

お父さんっ…！

藤堂瑠菜

（急になにを言い出すの！？）

大島恭夜

はい、ちゃんとしてます笑

藤堂瑠菜

（ふたりの言う『ちゃんと』ってなに！？）

大島恭夜

瑠菜さんは俺にとって癒しですから…

藤堂瑠菜

…！？

藤堂瑠菜

（こんなとこで、そんなこと言わなくていいのに～！）

瑠菜の母

あらあら、ふふっ…ごちそうさま笑

藤堂瑠菜

もう…

私を放置し、3人は言いたい放題だ…

藤堂瑠菜

（お父さんたちと恭夜くんが、仲いいのは有り難いことだけど）

そしてこの日は、夕方ごろに家を出た

大島恭夜

瑠菜、よかったらついでに初詣でも行くか？

藤堂瑠菜

えっ、いいの？

大島恭夜

お正月らしいことも瑠菜としたいしな

藤堂瑠菜

うん！行きたい！

大島恭夜

じゃあ、寄っていこう

恭夜くんのご家族が毎年訪れているという神社へと向かった

大島恭夜

もう結構暗くなっちゃったな…ごめん

藤堂瑠菜

ううん、全然いいよ。4日でも結構まだ人いるね～

大島恭夜

そうだな

大島恭夜

ほら、手…貸して？

藤堂瑠菜

…？

大島恭夜

やっぱり、冷たい。こうしてポケットに入れれば…

ギュッ

藤堂瑠菜

…！

藤堂瑠菜

（私の手を掴んで、恭夜くんのコートのポケットに…）

藤堂瑠菜

（ポケットの中で、ギュッて握ってくれてる）

藤堂瑠菜

ふふっ…暗くて良かったかも…

大島恭夜

ん？なんで？

藤堂瑠菜

だって…周りの目をあまり気にしなくていいから♪

大島恭夜

それもそうだな笑

藤堂瑠菜

（恭夜くんと初詣デートしちゃった…♪）

藤堂瑠菜

来年も一緒に来れたらいいね～

大島恭夜

来るだろ

恭夜くんは、当たり前のように即答してくれた

藤堂瑠菜

うん！

大島恭夜

瑠菜が他の奴と来たいなら話は別だけどな？

藤堂瑠菜

そんなこと言ってないもん…

大島恭夜

知ってる

そして、3学期が始まって

ある日の朝

白井陽子

もう、こうやって教室に集まれる日も少ないんだよね～

佐久間奏

そうだな

藤堂瑠菜

なんか寂しくなるね～

白井陽子

そうだ！ねぇ、瑠菜ちゃん…遊びに行っていい？

藤堂瑠菜

えっ？遊びにって…どこへ？

白井陽子

決まってるじゃん！今、瑠菜ちゃんが住んでるとこだよ～

白井陽子

大きい声では言えないけど笑

佐久間奏

それいいな！

藤堂瑠菜

えぇっ！？

白井陽子

瑠菜ちゃんがお世話になってるから、どんなとこかちゃんと確かめておかないと！

藤堂瑠菜

確かめるって、そんな…！ふ、普通のマンションだよ？

佐久間奏

そういうことじゃねぇよ笑

佐久間奏

（部屋の問題じゃねぇっつーの。白井ちゃんが言ってるのは）

白井陽子

明日金曜日だし、学校の帰りに行っていい？

白井陽子

あっ、先生には内緒ね？

佐久間奏

サプライズ訪問か！？面白そうだな、それ笑

藤堂瑠菜

（恭夜くんに怒られそうなんだけど！？）

白井陽子

瑠菜ちゃん、絶対に言っちゃだめだよ？

藤堂瑠菜

う、うん…

藤堂瑠菜

（怒られませんように！！）

翌日の午後6時半

予定通り、陽子ちゃんと佐久間くんをマンションに連れてきた

私たちが着いて30分後、恭夜くんも帰ってきたんだけど…

大島恭夜

ただいま～。って、見慣れない靴が2足あると思ったらお前たちか

白井陽子

お邪魔してます♪

佐久間奏

どうも

大島恭夜

瑠菜、ちょっと来い…

藤堂瑠菜

…っ

藤堂瑠菜

（やっぱり、怒られる～～～）

大島恭夜

あいつらが来るって聞いてないんだけど？

藤堂瑠菜

ごめんね…ふたりがどんなとこか見たいって言いだしちゃって…

大島恭夜

はぁ…。まぁ、そんなことだろうとは思ったけど笑

ポンッ

藤堂瑠菜

…っ

藤堂瑠菜

（頭を優しくポンってされちゃった…）

藤堂瑠菜

怒って…ない？

大島恭夜

別に怒ることでもないだろ…びっくりしただけだ

藤堂瑠菜

…ありがとう

大島恭夜

お前らまさか泊まるつもりじゃないだろうな？

佐久間奏

（ふたりの邪魔をするのも面白そうだな…ってのは冗談だけど）

佐久間奏

いや、帰りま──

白井陽子

私は泊まりたいな…♪

佐久間奏

えっ、おい…白井ちゃん…マジで言ってんの？

白井陽子

瑠菜ちゃんと恋バナしたいな～って笑

藤堂瑠菜

恋バナ…楽しそう…

大島恭夜

おい…

佐久間奏

…………

大島恭夜

佐久間、お前は──

佐久間奏

心配しなくても帰りますよ、俺は

佐久間奏

どんなとこに住んでんのか見てみたかっただけなんで…

藤堂瑠菜

じゃあ、陽子ちゃん…新品のパジャマがあるからそれ貸してあげるね！

白井陽子

ありがと～！

その後、4人で晩ご飯を食べて、佐久間くんは帰って行った

食事の片付けも済ませ、陽子ちゃんはお風呂に…

大島恭夜

ったく、せっかく明日は休みだってのに…ここは学校か？

大島恭夜

まさか帰ってきたらアイツらがいるとはな

藤堂瑠菜

うぅ…ごめんね…

藤堂瑠菜

でもほら…楽しかったでしょ？笑

大島恭夜

騒がしいの間違いだろ笑

大島恭夜

瑠菜が近くにいるのに、こうして触れたりもできやしない…

ドサッ

藤堂瑠菜

…！？

両肩を掴まれ、恭夜くんにソファに押し倒されてしまった

そして、服の隙間からそっと手を滑り込ませてきて──

藤堂瑠菜

…っ

大島恭夜

白井がいつ出てくるか分からないってのも、スリルがあっていいな

キミは俺を照らす月。

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きゃー！！！スリルて！私もされt(((殴！

かっこよい、、

きゃー！

春野せり

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