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モブ
モブ
モブ
赤
後ろ指を指されるのには慣れている
生まれた時からそうだった
この世界には獣族の居場所なんかない
パンもろくに食べれずに餓死するか
貴族たちの奴隷になって死ぬまでいじめ倒させるか
モブ
モブ
モブ
また、女の獣族は性奴隷として
別国に売り飛ばされる場合もある
赤
モブ
モブ
モブ
赤
獣族が人族に逆らえば
即死刑だ
人族に逆らってはならない
人族に危害を加えてはならない
街で物を買ってはならない
その他にも獣族には百を超える規則がある
これらを破った者は死刑だ
赤
モブ
赤
街で人族の雄に声をかけられては
路地裏に連れ込まれる
どうやら人族の雄は性行為にしか興味が無いらしい
苦しい
痛い
嬉しい
楽しい
気持ち悪い
腹が立つ
嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌
感情はある
でもそれを口に出してはならない
顔に出してはならない
だって俺は
獣族だから
赤
赤
やっと終わったかと思えば
路地裏から出た瞬間嫌悪の目線が突き刺さる
苦しい
赤
モブ
モブ
赤
モブ
赤
だから人族は嫌いだ
赤
モブ
モブ
赤
俺の見た目も嫌いだ
低い身長
華奢な体つき
大きい目
目立つ赤い髪に
獣族の証である犬耳
自分でもわかる
俺はまるで雌のような見た目をしている
もし俺が雌に生まれていたら
ちょっとは体を売ってお金が稼げたかもしてない
ちょっとは下の子にご飯を買ってやれたかもしれない
赤
モブ
モブ
赤
モブ
赤
??
モブ
モブ
??
赤
その澄んだ瞳が
透き通るような声が
不安になるような正義感が
俺を救ったんだ
黄
黄
俺は獣族
生きていてはいけない存在だ