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注意書き用
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何年かぶりの発情期を終えて一週間ほど経った頃。 奏斗の体は未だ燻ったように熱が残り、αへ近づくだけで反応してしまう、厄介な体になっていた。
それ故に家から出ず、直接会うのも信用できるΩの人間だけであった。
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配信はつけずに得意のシューティングゲームをはじめ、パズルゲームなど気が赴くままに手を付けていった。
気づけば深夜、早朝になりかけていた。
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風呂は気分じゃないという理由で後回しにした奏斗、そのままベッドへ潜り込み目を瞑る。
軽い電子音とバイブレーションが響くと、発信源を探し、画面を点ける。 どうやらセラフから連絡があったようだ。それも何件も。
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赤く表示されたボタンを押し、通話をかける。すると、幾分も待たずに応答があった。
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会話の流れ、至って自然に出た自身の体のことについてセラフへ話すと、その声はひどく困惑を滲ませた。
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あなたを嫌うことはない、と彼独特の遠回しな言葉に胸がじんわりと温まる。
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正直ずっとひとりがちで心細い気持ちもあった。 だが、それよりもこの声を聴いていたい、扉1枚越しでも離れることが惜しいと思ってしまった。
それから、なんの取り留めのない話をいくつかした。 下らない話にも笑って、いつもと何ら変わりない奏斗の声を聞いて、セラフも安心していた。
しかし、一瞬の違和感をセラフは取り逃がさなかった。
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奏斗の声の裏で粘っぽい液体の音がする。 あぁ、そうか、奏斗はαである自分の声にすら反応してしまうのか。解ってしまうと何とも言えない気持ちになる。
で、あればあまり刺激して怖がらせてはいけない。…そうどこかで聞いた気がする。
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奏斗が発する嫌がる言葉とは裏腹に、声の裏側の水音は激しさを増す。 ごくり、と生唾を飲み込み、セラフは通話口に耳をすませる。
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根拠もなく「大丈夫」と繰り返して奏斗を落ち着かせようとするセラフ。 そんな気持ちとは裏腹にどんどんと奏斗の言葉尻が艶っぽく跳ね上がる。
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セラフは言葉に詰まった。 発情期中Ωである奏斗とαの自分が会う、それはもう体の関係を持つことを意味していると言っても過言ではない。
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どう返せば良いのか、悩んでいると背中側の扉からガチャガチャと金属的な音が鳴る。
自分はαになんか絶対に靡かない、ずっとそう心に決めていた。 だけど、理性が本能に勝てるはずもなく無様な姿をαに晒すことになっている。
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扉が開いた瞬間、ぶわっと辺りを満たす誘うような甘い匂い。セラフは自身のマスクで顔を覆った。 いつものニットだけでほぼ裸の状態の奏斗、その腿からは透明な液がどろりとついている。
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擦り切れそうな理性を保つためセラフはわざと冷たくあたる。 嫌嫌と泣きついてくる奏斗を玄関の中へと押し戻す。
辺りが静かな住宅街なだけあって、奏斗の声がよく響く。 下手をすれば警察沙汰になるかもしれない、若干焦りながらやっとの思いで玄関を閉めようとしたセラフ。
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奏斗は閉まる寸前の扉から手を伸ばし、セラフの裾を掴んで離そうともしない。 奏斗本人でも訳が分からないぐらい涙が出て、キモいぐらい甘えてしまう。
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今までαに気づかれないよう、守ってきたものがセラフの『大丈夫』で崩れていく。
へたり込んでしまった奏斗に合わせて、セラフもその場へしゃがみ込む。 数cm、開いた扉越しに手を伸ばし、初めて奏斗へ直接触れてみる。頰を撫で、涙を拭う。
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押し殺された喘ぎ声と爪で扉を引っ掻くような音。少し混ざる水音。 限界だろうに必死に我慢をしている。いや、セラフがさせているのだ。
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超えないよう、強く誓っていた扉の内側へ飛び込む。
驚いた顔をしている奏斗を思うままに押し倒し、唇を強引に奪う。 奏斗からの抵抗はなく、ぱたりと力なく床に手が落ちる。
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カーテンから射し込む陽でセラフが瞼を開ける。
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見慣れないベッドの感触に辺りを見回すが、いまいち見当がつかない。
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部屋の散乱具合と自分と奏斗、お互い全裸であるのを見るに、セラフが想像していた"最悪"の事態は起きた後のようだった。
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大の字になり、セラフになされるがままの奏斗。 うなじにかかる髪を除けて、例のあれをつけていないか見る。
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ぷくっと頰を膨らませ、不満を現す奏斗。あざとい姿にどきりとするが平静を装う。 うなじに噛み跡を付けてしまえば、番として言葉通り一生沿い続けなければならない。…例外を除いて。
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気まずい空気が流れた。
かと、思えば寝転んでいた奏斗が起き上がり、布団ごとセラフへ覆い被さった。 それからどちらともなく笑い出し、しばらくベッドの上でじゃれ合った。