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私はある日、“透明人間” を見た。

そもそも人間を見るのも初めてで、 気付けば興奮気味に話しかけていた。

アルバート

貴方、 “人間” ですよね…?!
初めて拝見しました✨

アルバート

……返事が帰ってこない。

人間とは言語が違うのだろうか? それとも聞こえなかった?

もう一度 話しかけてみよう。

アルバート

あの。すみません、

今度はそっと肩に触れてみる。

人間

わっ…?!

彼は小さく悲鳴をあげた。 束の間の沈黙の後、小声で喋りかけてきた。

人間

もしかしてカメラ頭のお兄さん、
ボクが見えてるのかい…?

人間

人間

…まあいいや、今は仕事中だ。
邪魔しないでおくれ。

アルバート

ちょっと待っ…

引き止める間もなく彼は人混みの中に溶けていった。

数日後……

私は夜景を撮りに、海を歩いていました。

人間

……!

人間

いつぞやのお兄さんじゃないか!

アルバート

人間……

暗い口調のまま、口に出してしまった言葉を訂正しようとしたが、 あまり気に止めていない様子だった。

人間

そう!透明人間さ…!街中で声をかけられた時は驚いたね!笑

人間

まさかボクが見える奴がいるだなんて、、

アルバート

…まあ、カメラですから

人間

どこまで見えてるの?シルエットだけ?
それとも細かく顔が見えてるのかい?

人間

それと、名前を訊いても?

少年のようなキラキラとした目でこちらをじっと見つめてくる。

アルバート

そういえば、服を着ている… 最初に会った時は裸だったような……

アルバート

どこまで見えるかは光によりますかね、、
私にもわかりかねます

アルバート

名前は“アルバート”。アルバート・クロフトン

人間

良い名だ。宜しくね、アルバート。
ボクは“エドワード”だ。

アルバート

宜しく、エドワード
良ければ貴方の写真を現像しますよ、

エドワード

気持ちだけ受け取っておくよ。

アルバート

それは残念ですね…

……私からも質問して良いですか?

エドワード

エドワード

答えられるものなら何でも答えてあげよう
何を訊きたい?

“何でも”と言われてつい、少し踏み込みたくなった。 街中で裸になっていても仕事だなんて…きっとろくなモノではない。

アルバート

失礼ですが、貴方のご職業は…?

エドワード

警察みたいな事を訊くねぇ……

エドワード

…って…あ……そっか……
初対面は裸だったっけ…

彼はボソボソと独り言を言っていた。

エドワード

エドワード

悪い事をしたね、、
ボクってほら、透明人間だから…

エドワード

探偵の仕事で、尾行をする時に裸だと楽なんだ

アルバート

た、探偵…ですか……
確かに身なりは いかにも って感じですが…

“とてもそのようには見えない”と言いたげな私に 焦った口調で彼は言い返す。

エドワード

なっ…中身も探偵だよっ!!

少し頬を膨らませながら怒る姿は子供らしく、思わず笑ってしまった。

アルバート

フハッ……

エドワード

……何がおかしい…!

アルバート

コホンッ………失礼、思い出し笑いです……フフッ

エドワード

おいおい、、ボクは怒ってるんだぞ…

その言い訳は苦しいだろ

更に頬を膨らませる彼はフグのようで可愛らしく、 見慣れない光景に笑いが止まらない。

アルバート

すっ……すみませっ………ンフフッ

アルバート

ンフッ…フハッ……アハハッ……

エドワード

おい!いい加減にしないとそのレンズ壊すか
僕の元で働いてもらうぞッ!!💢

アルバート

だっ……だって………頬が膨らんでッ……フハハッ…アハッ…

エドワード

よーーし気持ちはよく分かったよ

エドワード

丁度いい、助手が欲しかったんだ

アルバート

それ冗談じゃ……

アルバート

わっ?!?ちょっと…!!

彼は強引に私の手を引っ張り、事務所へ連れていきました。

今ではすっかり立場逆転、私が事務所の管理をしておりますがね。笑

今回は依頼のお話ではなく、 彼エドワードとの出会いをお話させて頂きました。

如何だったでしょうか?

アルバート

おっと…次の依頼が来ておりますので ここらで失礼いたしますね。

それでは皆様に幸あらん事を……

透明な探偵と不思議な助手

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