そんな優しさが私は大好きだ。 でも万次郎は、時としてその愛情表現が 少し強すぎると感じる事がある。
例えば、他の男の子と話しているだけで 後で少し不機嫌になったり、遊びに行く 場所や時間を細かく知りたがったり。
私の事を大切に思ってくれているのは 痛いほど伝わってくる。 その深い愛情は他の誰からも感じたことの無い、特別な物だ。
しかし、その愛情は時として、私を 息苦しくさせる檻の様に感じる事もある。
クラスの男子とグループワークで 一緒に帰る事になっただけで、万次郎の 機嫌は急降下する。
勿論事前に伝えてはいるけれど それでも良い顔はしない。
携帯電話のメッセージも、見られて 困る様なやり取りは最初からすんな と釘を刺される。
彼の言葉の根底にあるのは、私を 失いたく無いと言う強い不安なのだと 理解はしているつもりだ。
それでもふとした瞬間に 言いようの無い窮屈さを 感じてしまう事がある。
友達とカフェでお喋りを楽しむ。 ただそれだけの事が、万次郎にどう思われるか考えると 心から楽しめなくなる時がある。
もっと自由に、気兼ねなく行動したい。
そんな当たり前の願望が、私の中で 少しずつ大きくなってきているのを 感じる。
万次郎の深い愛情と、時折感じる 束縛の重さ。
その間で揺れ動く自分の心に 正直少し疲れてしまうこともある。
でもそれでも、万次郎の不器用な優しさに 触れると、この関係を手放したく無い と思ってしまうのだ。
To be continued…
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!