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そんなある日、私は万次郎に 廊下で詰め寄られる事になった。
原因は紛れも無く、昼休みに クラスメイトの男子と課題について 話していた事だ。
廊下の隅、ざわめきが遠くに聞こえる中で 万次郎はいつにも増して目が冷め切っていた。
マイキー(万次郎)
低く、有無を言わせぬ声だった。
その威圧感に私は喉が渇くのを 感じ、かろうじて
莉愛
こう絞り出すのが精一杯だった。
周囲の生徒達が何事かと遠巻きに こちらを見ているのを感じる。
その視線が私の肌をチリチリと 刺す様だった。
マイキー(万次郎)
言葉は短く、詰問する様な響きを 帯びていた。
何と聞かれてもただクラスメイトと 課題の打ち合わせをしていただけだ。
そう説明しようと口を開きかけたが 万次郎の次の言葉に遮られた。
莉愛
私の言葉尻を捉える様に 万次郎は続ける。
マイキー(万次郎)
その言葉に私は何も言い返せなかった。 確かに課題の資料を一緒に覗き込んでいたから、他の人から見れば距離が近かった のかもしれない。
でもそこにやましい気持ちなど一切 無かった。
ただそう言った私の言い分は、今の万次郎 にはきっと届かないだろうと言う 諦めにも似た感情が胸をよぎる。
万次郎の瞳の奥には冷たい怒りと そしておそらく、私には見せない深い 独占欲が渦巻いている様に見えた。
私はただ俯いて万次郎の次の言葉を 待つしか無かった。
心臓が早鐘の様に鳴り、指先が冷たくなっていくのを感じた。
どうしてただ普通に会話をしていただけで こんなにも息苦しい思いをしなければ ならないの。
そんな疑問が心の奥で小さく でも確かに芽生え始めていた。
To be continued…