TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

tiramisu(主)

こんにちわんだほーい!!tiramisuです!!

tiramisu(主)

今回のシリーズは、プロセカキャラで曲パロです!

tiramisu(主)

今回はYOASOBIさんの『夜に駆ける』の曲パロです!原作の『タナトスの誘惑』を参考にさせていただきました!

tiramisu(主)

登場人物です!

神代類(21歳)
会社員として働いている。寧々とは5ヶ月付き合っている。

寧々

草薙寧々(20歳)
類とは5ヶ月付き合っていて、アルバイトで本屋で働いている。

tiramisu(主)

      ⚠️注意⚠️
この話は類寧々要素と自殺表現が含まれています。類寧々が地雷な人か自殺表現が苦手な人は回れ右!

tiramisu(主)

では、スタート!!

え?

(寧々…どうしてまた…)

(いや、今はそういう場合じゃないね)

寧々…

ガサコソ…

お先に失礼します。

同僚

あぁ、気をつけて帰れよ!

はい、ありがとうございます。

タッタッタッタッ

世の中には2種類の人間がいるという。

生に対する欲動____「エロス」に支配される人間と、

死に対する欲動___「タナトス」に支配される人間。

この世界の人間のほとんどは前者だが、彼女は紛れもなく後者だった。

彼女が「タナトス」に支配される人間だということは、彼女と付き合い始める前から知っていた。

それもそのはず、もともと幼馴染だった僕たちが再度出会ったのは、今のようにマンションの屋上で自殺を試みている彼女を、僕が助けたのがきっかけだった。

最初会ったのは、幼い頃に僕の家の隣に引っ越してきたという女の子。つぶらな瞳にぽってりとした唇と、可愛らしい顔立ちをしているが、どこか儚げな表情をしている彼女は、一瞬で僕の心を奪った。きっと一目惚れのようなものだったと思う。

その時から彼女とはいろいろな話をするようになり、すぐに仲良くなった。 学校では独りきりで寂しく過ごしていた僕にとって、彼女はまるで天から舞い降りた天使のようだった。

ひとつ疑問に思うことがあった。 彼女は自殺を図ろうとする時、決まって僕に連絡を入れる。そして、僕が来るまでその場で待っている。

誰にも知らせずひとりで死んだほうが確実なのではないかと思うが、 もしかしたら彼女は、出会った時のように僕に自殺を止めてほしい、助けてほしいと心のどこかでそう思っているのではないかと、勝手に解釈していた。

だから、僕は今回もこうやってマンションの階段を駆け上がる。

はぁっ…はぁっ…

マンションの屋上にたどり着く。

フェンスの向こうに立つ、彼女の背中を見つけた。

寧々!!!

フェンスを飛び越え、彼女の手を取る。 彼女の手は、蒸し暑い空気に反して冷たかった。

寧々

はなして

鈴の音に似た、儚くて可愛らしい声。僕は彼女の声も好きだった。

何故、そうやって、君は…!

寧々

はやく、死にたいの

どうして…!

寧々

死神さんが呼んでるから

彼女には、「死神」が見える。「タナトス」に支配される人間に稀に見られる症状なのだという。

そして「死神」は、「タナトス」に支配されている人間にしか見ることができない。

死神なんている訳ないじゃないか!

寧々

なんで分かってくれないの…!?

僕が死神を否定すると、彼女は決まって泣き叫ぶ。

死神は、それを見る者にとって1番魅力的に感じる姿をしているらしい。いわば、理想の人の姿をしているのだ。

彼女は死神を見つめている時(僕には虚空を見つめているようにしか見えないが)、まるで恋をしている女の子のような表情をした。まるでそれに惚れているような。

僕は彼女のその表情が嫌いだった。

死神ではなくて僕のことを見てくれ

寧々

嫌…!

彼女が僕の手を振り払おうとしたので、思わず力強く握ってしまった。

寧々

痛っ…!

!すまない…

でも、君が悪いんじゃないか。僕の手を振り払おうとするから。僕のことを見てくれないから。

死神はこんなことしない!

僕の心にどす黒いものが押し寄せてくる。

寧々

なんで…

なんで、こんなにも僕は君のことを愛しているのに、君は僕だけを見てはくれないのだろう。

死神に嫉妬をするなんて、馬鹿げていると心のどこかでは思っていたが、もうそんなことはどうでもよかった。

寧々

もう嫌なの

僕も嫌だよ

寧々

もう疲れたの

僕だって疲れたよ

寧々

はやく死にたいの

僕だって死にたいよ!!!

その時、彼女が顔を上げた。

ニッコリと笑っていた。

彼女の笑顔を見た途端、急に心のどす黒いものが消える感覚がした。

あれ、これってもしかして。 

寧々

やっと…気づいてくれた?

あぁ、やっと分かったよ

寧々

本当?よかった…

ああ、そうか。 君が自殺を図ろうとする度に僕のことを呼んだのは、僕に助けてもらいたかったからじゃない。

君は、僕を連れて行きたかったんだ。

僕にとっての「死神」は、彼女だった。

涼しい風が吹き抜ける。いつの間にか蒸し暑さなど感じなくなっていた。

寧々

じゃあ、行こっか。

あぁ、行こうか。

手を繋いだ君と僕。

この世界が僕らにもたらす焦燥から逃れるように

夜空に向かって駆け出した。

この作品はいかがでしたか?

13

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚