僕は日本

今日からこの野生動物保護区のスタッフです

ゆっくりと深呼吸をして、僕は初めての職場へ向かいました

事前にもらっていた地図を見ながら、職員用のオフィスへ足を進める

ガオオオン！！

どこかから、大きな咆哮が聞こえた

なんだか僕を祝福してくれているような気がして、さっきよりもわくわくしながらオフィスへ向かった

ｶﾞﾁｬ

オフィスの戸を開けて元気良く挨拶するものの、そこには人っこ1人いなかった

もしかして出勤日を間違えたのでは…

そう不安に思っていると

新人くーん！！来て早々悪いけど！こっち来て！！

あー！！やめろこのバカバカ！！

ハサミ！！

新人くんハサミ持ってきて！！

なにやら慌ただしいようで、僕はハサミ片手に声のする奥へ進んだ

幸いなことにオフィスはそこまで広くなく、構造を知らない僕でもなんとか辿り着けた

その部屋の中心では、今にも首に縄をかけそうな長身の人と、それを止める人たちがいた

ブン！とハサミを投げる先輩 ものすごく危ない

チョキン、と自殺しそうだった先輩の縄は切られ、騒ぎは落ち着いた

にこっと笑った先輩の名前は台湾というらしい

頭の近くに太陽のようなものが浮かんでいて、なんだか不思議系の雰囲気だ

がしがしと撫でられる

雑だけど、すごく優しくてあたたかい

…いや待てよ

なぜ保護官が自殺しようとするんだ？

・・・

まあいいか

なんだかキラキラした先輩だけど、嫌な感じはない

さっき自殺しようとしていた先輩から声をかけられる

やはりすごく背が高い

自殺しようとしていたとは言え、悪い人ではなさそうだ

ぽんぽんと話が進んでいき、僕を案内してくれるのはアイル先輩とフィリピン先輩が

台湾先輩とグリーンランド先輩は、オフィスに残ることになった