限界社畜の俺が君に出会った話

ピピピピッ⏰

朝起きてすぐおかしいと思った

季節の変わり目だし風邪ひいたんかも……

a.m11:00

気持ち悪い

頭がガンガンする

強烈な吐き気が襲った

やばい

吐く

重い身体をなんとか起こしトイレへ向かった

気持ち悪い

吐き気はするのに吐けずに

えずく声がでるだけだった

気づけば生理的な涙で俺の視界は いっぱいになってしまっていた

どうしよう

気持ち悪い

苦しい

吐けないし

息ができない

スマホを見るのも限界だったが

今はあいつに電話するしか無かった

幸いあいつはすぐに出てくれた

呼吸音を隠したくて声を抑える

でも喋ることはできなかった

なんなら更に呼吸が浅くなって

重い身体を動かして

なんとか玄関まで向かう

苦しい

気持ち悪い

なんとか玄関の鍵に手を伸ばす

手がぶるぶると震えてうまく開けられない

ないこ……っ

電話からもドアの向こうからも声がする

ないこ

助けて

ガチャン🚪

力が一気に抜けてそのままドアの方へ 倒れ込む

外の空気は冷たかった

目の前にはないこがいてくれて

ないこの身体に抱きつく

冷たい手で頭を撫でられた

また生理的な涙が溢れる

小さく頷く

ないこはそのまま俺を横抱きしてくれて

ゆっくりリビングまで向かった

耳元で優しく声がする

ないこは俺をソファに座らせて

ないこも隣に座り俺を抱きしめてくれて

背中をゆっくり撫でたりトントンされた

ふるふると首をふる

息苦しさが無くなってだいぶ楽になった

ないこは相変わらず背中を撫でてくれる

それがとても落ち着いた

言いたい事がたくさん溢れたのに

喉でつっかえてなにも言えずに

代わりに俺の目は涙で溢れた

気持ち悪さは無くなったけど

身体は相変わらずだるいし

頭がガンガンする

胸のあたりを叩きながら 自慢げに言うないこを見たら

少し笑ってしまった

ピピピピッ

想像しただけで心細かった

他人事みたいに自分の言動に驚く

俺こんな素直やったっけ

頭回らへん……

食欲はあるから食べられそうだ

そうは言ったものの

身体がだるくて動けない

カフェでの出来事を思い出して

こんな時なのに少し恥ずかしい自分がいる

心配だったけど

何だかんだ完食できた

なんでか涙声になる俺

なんでかいたずらっぽく笑うないこ

ないこの腕を抱き寄せる

ほんまに頭まわらん、

あれ

俺何を口走って

突然すぎて気づいてなかっただけかな

ならええんやけど……

俺の方が好きだよ

続く