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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

もうこれで顕現は終わりだ。そして不動の部屋割りだが、長谷部に任せようと思う。

柘榴

長谷部ー!居るー?

へし切長谷部

主、どうかなさいました……って…、誰ですか?

柘榴

長谷部!良かった、なんか顔見たら安心したよ~!

へし切長谷部

あ、主…もしかして何かあったんですか!?

長谷部を見たら何だかホッとして私は長谷部に抱きついた。すると長谷部は受け止めてくれるが驚きと心配が混ざったような表情を浮かべた。

柘榴

あー、ちょっと疲れただけ

へし切長谷部

主、少しお休みになられた方が…

柘榴

うん、後でゆっくり休むから大丈夫!それでね、長谷部に少しお願いがあるんだけどいい?

へし切長谷部

!…もちろんです!

柘榴

あ、これは強制じゃないから断ってくれても良いんだけど…

へし切長谷部

はい、ですが主の願いを断るつもりはありません

柘榴

…うん…。あのね、さっきこの子を顕現したの。名前は不動行光って言うんだけど、短刀が一人だけっていうのも何だか寂しそうだから長谷部に面倒を見てほしいんだけど…いい?

へし切長谷部

…え、コイツの面倒を……?

話を聞いた長谷部が初めて嫌そうな顔をした。やっぱり嫌かなぁ…せっかくの1人部屋じゃなくなるもんね。うーん、ここは上目遣いってものを試してみる?

柘榴

やっぱり……ダメかな…?

私は目を潤ませながら上目遣いをした。やってる私が吐きそうだけど我慢。すると、長谷部がハッとしたような表情を浮かべればその場に跪き私を見上げてきた。

へし切長谷部

主…その願い、この長谷部にお任せください。なので、そのようなお顔は…

長谷部は私の手を取り見つめながらしゅんとしていた。きっと私が泣きそうだと感じたのだろう。いや、泣いてるわけでないんだけど……目を潤ませて上目遣いってぶりっ子がやってるようなアレなんだけど、刀には通じなかったか…

柘榴

長谷部、引き受けてくれる?

へし切長谷部

はい、主命とあらば

柘榴

(主命じゃないんだけど…)

柘榴

ありがとう長谷部!!!本当に助かる…長谷部大好き!

へし切長谷部

主にそう言っていただけて光栄です。後はこのへし切長谷部にお任せを

そう言いながら立ち上がれば、長谷部は目付きを変えて不動を見た。やっぱり忠犬なのは主である私だけのようだ。

へし切長谷部

今日から俺がお前の面倒を見ることになった、へし切長谷部だ。主には迷惑をかけぬようにしろ

不動行光

えー……俺は主に面倒見てほしい

へし切長谷部

主に迷惑はかけるな!ごほん……主、コイツは俺に任せ、ゆっくりしてください

柘榴

長谷部、ほんとにありがとう…!じゃあ私はとりあえず部屋に戻るね!

へし切長谷部

えぇ、無理をなさらずゆっくりお休みください

不動行光

俺の意見は無視かよ〜…

不動が少し悲しんでいるが、できる限りその声を聞かないようにして部屋に戻った。

柘榴

つっかれた~

部屋に戻ってくれば、畳の上にごろりと大の字で仰向けに寝転んだ。少しお行儀は悪いが、許してほしい

柘榴

ほんと…刀剣男士が溢れかえったなぁ……この本丸も

久しぶりに一人の時間が訪れれば、やはり頭に浮かぶのは皆の姿だった。全員を相手にするのは正直疲れるけど、楽しくもある。なにせ、最初とは違ってだいぶ皆の警戒心も解けた。今では主と呼んでくれる刀剣男士も殆どで、私としてはとても嬉しかった。でも、いつかは私の本当のことを言わないといけない日が来る。

もう、このままはぐらかせばいいんじゃない?だって、本当のことを皆が知らないままでいれば、ずっとこのままでいられるかもしれない。でも、それでもいつかは気ずかれるだろう。もしかしたら、見てみぬふりをしてくれるかもしれない。そうなればこれから先、みんなと永遠に一緒に居られる……。

そんな悪いことを考えていれば、つい欠伸が漏れる。寝ようかと思えば部屋の襖が開いた。

鶯丸

やぁ、燭台切が作ってくれたきな粉餅をお供に茶でもどうだ……って、すごい格好だな

柘榴

いきなり入ってきたのはそっちでしょ

鶯丸

それはそうだが、そんな姿で寝ているなんて想定外だ

鶯丸は持ってきたお盆を畳の上に置けば腰を下ろした。私も身体を起こして鶯丸と向き合うように座り直した。というか、少しは驚いているけどあんまり動じて無いような…?

柘榴

ちょっと疲れたからゆっくりしてただけ……って、きな粉餅おいしそう…!

鶯丸

美味そうだろう。さて、お茶を入れよう

鶯丸はお茶を湯呑みへと注いでくれた。

柘榴

ありがとう鶯丸!いただきまーす

お茶を入れてくれた鶯丸にお礼を言いつつ、きな粉餅を楊枝で抓めば口へと運んだ。

柘榴

んー、美味しい〜…

鶯丸

本当に美味しそうに食べるなぁ、主は

柘榴

だって美味しいんだもん!鶯丸も食べなよ、ほらっ、あーん

私は新しいきな粉餅を楊枝で抓めば、鶯丸の口へと運んだ。

鶯丸

!…なら、遠慮なく

柘榴

美味しいでしょ?

鶯丸

あぁ、そうだな。さすがは燭台切だ

柘榴

光忠は料理上手だからね〜…私も見習わなきゃ

鶯丸

そうだな。毒入り料理で毒殺されたくはないしな

柘榴

待って、ねえ。毒入り料理なんか出してないでしょ!

何を言い出すかと思えば、昨日の宴の席で言ってた言葉をまた言い出したのだ。確かに料理に異常なほどの私の霊力なら混ぜ込んだけど…それも仕方ないじゃん!だって、皆の神気がものすごく少なかったから危なかったんだもん。

鶯丸

はぁ、お茶はうまいな

柘榴

え?シカトなの?

鶯丸

そういえば、大包平の話を聞いてくれるか?

柘榴

大包平?

鶯丸

あぁ。大包平とは同じ古備前派でな……

いきなり見知らぬ人の話をしてくる鶯丸。まぁなかなかゆっくり話す機会もないしと思い黙って聞くことにした。 〜 数時間後 〜

鶯丸

大包平は天下五剣の称号を気にしすぎな部分もあるんだ

柘榴

へぇ……

あれから何時間が経っただろうか。いまだに大包平の話題でマシンガントークを繰り出してくる鶯丸。定期的に私が鶯丸にお茶を飲んだりきなこ餅を食べるように促したからか大丈夫そうだ。もしかしたら鶯丸の喉がかれていたかもしれないと思うとゾッとする。

鶯丸

それで、大包平が

柘榴

鶯丸!

鶯丸

なんだ?

柘榴

そういえば、その大包平はこの本丸にいるの?

鶯丸

ああ、前までは居たんだが。前任が政府に連れていかれる少し前から姿を見ていないんだ。この本丸内にいるとは思うんだが

柘榴

そうなんだね。じゃあ頑張って私が探すよ!

鶯丸

本当か?それはうれしいな

鶯丸

それで大包平がな

柘榴

鶯丸、もういいよ、充分聞いたよ…大包平は

鶯丸

まだあったんだが…それはまた今度話すとしよう。では、俺はそろそろ帰るとするか

諦めたのか、話をやめてお盆を持てば立ち上がった。

鶯丸

では、また後で話をしよう。じゃあな

それだけを言い残して鶯丸は去っていってしまった。

柘榴

なんか気が休まらないな……個性が強すぎなんだよ、周りが!

独り言を呟いていれば、少し空いた隙間から声が聞こえてきた。 おそらく縁側にいる刀が話しているのだろうと思い少しだけそちらに耳を傾けた。

三日月宗近

最近体がスッキリしないな

小狐丸

溜まっているのですか?

三日月宗近

そうかもしれんな。前任には無理矢理させられていたが、俺は今の主は好きだからな…好きだから故、欲というものも出てくる

小狐丸

確かに。好きと嫌いでは、全く違いますからね……

2人が深刻そうに話していれば、そこに鯰尾と加州が通りかかった。

鯰尾藤四郎

あれ?お二人さん何の話してるんですか?

加州清光

なんか顔暗いけど?

三日月宗近

主の話をしていた所だ

鯰尾藤四郎

主の?その話、俺も参加していいですか?

小狐丸

えぇ、どうぞ

加州清光

え、じゃあ俺も参加する!

三日月宗近

はっはっは、人数が多い方が盛り上がるしな

4人は縁側に横並びに座り、再び話の続きを始めた。え、私の話ってそんな面白いっけ?というかなんか不穏……

三日月宗近

最近身体がスッキリしないなと話していたんだ

鯰尾藤四郎

それって性欲の話ですか?

小狐丸

まあ、そんなところですね

加州清光

……

三日月宗近

どうした、加州

加州清光

……あのさ…俺、昨晩…主を襲いかけちゃったんだよね

三人「「「………………え?」」」

鯰尾藤四郎

…襲ったって……主を!?

加州清光

あ、うん…襲ってはないけど。主、昨晩魘されててさ…酔ってたせいもあるのかもしれないけど、俺、なんか我慢出来なくて…でも、主に止められて…

小狐丸

ぬしさまは何か嫌な理由がおありと…

三日月宗近

加州、どうだった?主の反応は

加州清光

…いや、なんか躊躇ってるみたいだった…

鯰尾藤四郎

……何を躊躇ってるんですかね

三日月宗近

ほう…躊躇う原因か

小狐丸

加州殿…もう少し詳しく

3人は空を見上げながら何やら考えている様子だった。

加州清光

…主は、ずっと俺のことを心配してた…自分が嫌だ、とかじゃなくて。俺が後悔するからって

三日月宗近

主は何かあるのか?

小狐丸

ぬしさまは自分の事について何か知られたくないことが…

鯰尾藤四郎

…そう言えば、ちょっと違うかもしれませんけど

三日月宗近

何かあるのか?

鯰尾藤四郎

主と初めてあった時、俺と骨喰で斬りかかったんですけど、怯えるとかじゃなくて驚いただけだったり、何なら自分で弾き返せなくてちょっと悔しがってたまであったし。それに、手入れしてもらうときに急に俺と骨喰の刀が主の方に浮かんでいったんですよ

小狐丸

それは不思議ですね…

加州清光

そんなことあったの?

三日月宗近

だが、前任とて札を使えば多少物を浮かすことはできただろう?

鯰尾藤四郎

そうなんですけど、札を使うとか何かを唱えるとかじゃなくて、本当に何もしないでそうなったんです。不思議ですよね

加州清光

それは不思議だね

小狐丸

ですが、それがぬしさまの知られたくないことだとして、加州殿が後悔する原因になるでしょうか

三日月宗近

そうだな。それに、主がそれぐらいの事で気にするとは思えん

鯰尾藤四郎

でも、主がこの本丸の皆が揃ったら自分の話をするって言ってましたよ

加州清光

じゃあそれを待つしかないね

三日月宗近

そうだな。それに、若い奴らは手が早いものだな。俺も負けてはいられん

小狐丸

そうですね……

4人は何やら燃えている様子だった。

四天王が突然ブラック本丸の審神者をやることになりました

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