ふたりが帰ったのを確認して足早にベッドへ戻る
猛烈な脱力感が身も心も包み込んだ。
蒼田 直輝(なおきり)
こんなことを言ったら悪いが
うるさいふたりが帰ったことに心の底から安堵した。
その落ち着いた空気のまま4日が過ぎた。
本当は今日から学校へ行っていいことになる はずだった。
ただ今日は日曜日、学校は休みなのだ。
あいにく僕は帰宅部。つまり今の僕は【暇】なのだ。
そんな暇な日曜の朝。
僕はリビングで、1人コーヒーを楽しんでいた。
こんなに暇なら、じゃぱぱさんとたっつんさん 今日きて欲しかった。
そんな過去の出来事を少し恨みながら。コーヒーを飲む手を止めてスマホへと腕を伸ばす。
))昨日午後五時頃に病院内の屋上から少女が飛び降りる事件が発生しました。 そこで警察本部はカウンセラーなどの取り組み及び 虐待などの____
スマホの画面にはニュースが記載されており、それを目で追って読み上げた。
1文字1文字を目で追って行くうちに僕の脳内には【赤城 柚杏】という名前が思い浮かんだ。
その瞬間、猛烈な恐怖感に襲われた。
僕がなぜこの記事を読んでゆあんくんを思い浮かべたのか。
それは、ゆあんくんの『俺は楽しみですね。』の一言のせいだ。
ゆあんくんは早く死ぬ ことを望んでいる。
だからこそ、違うと分かっているのにゆあんくんが心配だった。
気がついたら僕の身体は病院の中にあった。
一目散にゆあんくんの元へ行こうと考え。1度ゆあんくんの病室へ向かった。
ソーッと扉を横にずらして、少し空いた隙間から中を見渡した。
だけど、病室は空っぽ。人1人の人影も感じない。
ただこれは想定内。
初めて対面した時を思い返して見ると
ゆあんくんは リバーガーデン がある方へ向かって。僕が声をかけた時もリバーガーデン方面から来た。
きっとゆあんくんはそこにいるのだろう。そう思いながら振り返った。
赤城 柚杏
蒼田 直輝(なおきり)
リバーガーデン方面からきたのだろう。ゆあんくんが僕の後ろから声をかけてきた。
びっくりした勢いで大声をだしてしまった。病院内の視線が僕に集まった。
恥ずかしくて顔を赤くした。肩身が狭かった。
赤城 柚杏
蒼田 直輝(なおきり)
赤城 柚杏
蒼田 直輝(なおきり)
顔を顰めて要件を聞いてきた。
突然の質問に焦って言葉が全て飛んで行ってしまった。
蒼田 直輝(なおきり)
蒼田 直輝(なおきり)
ついに思い出した言葉を勢いに任せて口にした。
赤城 柚杏
赤城 柚杏
赤城 柚杏
またボソボソ何かを言っている。 全て聞こえているが。
蒼田 直輝(なおきり)
今まではボソボソ言っていることに対して何かを言うなどはしなかったが、遂に言ってしまった。
赤城 柚杏
赤城 柚杏
否定の言葉を入れ。
顔を火照らせながらボソボソとまた何かを言い始めた。
すべて聞こえている。だけど聞こえないフリをした。
赤城 柚杏
蒼田 直輝(なおきり)
ゆあんくんに手招きされ病室へ足を踏み入れた。
病室へ入るとゆあんくんは勢いよくベッドに入り、何かを取り出した。
赤城 柚杏
蒼田 直輝(なおきり)
いつもは雰囲気とは全く合わない表情のゆあんくんが 可愛らしい少年の笑顔で僕を見てきた。
きっとこれがゆあんくんの本当の顔なのだろう。
雰囲気と表情は平行になっていた。
赤城 柚杏
ルンルンとして話すゆあんくんがとても可愛いくて
愛らしく感じた。
蒼田 直輝(なおきり)
蒼田 直輝(なおきり)
突然の提案にゆあんくんは首を傾けた。
赤城 柚杏
赤城 柚杏
まだ慣れていないのだろう。アタフタしながらスマホを見ているゆあんくんの顔が可愛らしい少年だった。
数分後。連絡先を交換して可愛らしいスタンプをプレゼントした。
それが余程嬉しかったのだろう。ずっとそのスタンプをポチポチと押しでいる。
赤城 柚杏
蒼田 直輝(なおきり)
本当のゆあんくんが見れた気がして嬉しかった。
気がつくと部屋は暗くて外も真っ暗だった。
スマホの明るさに夢中で周りが暗くなってきていることに気が付かなかった。
流石に時間も時間なので今日はお開きにした。
♡130 NEXT……
コメント
67件
機会音痴のゆあんくん可愛い( ˙-˙ )
なおゆあてぇてぇッッッ!!( ◜ཫ◝ ) もう好きやん(?)付き合えよ() めっちゃ好きだわぁ…こんな尊いの書けるとか天才です? ヒロくんとゆあんくんなんか闇深そうだね(?)