ルリ
あ、こんにちは
袴田
こんにちはー!
袴田
お邪魔しマース!
小林
あ、どうもお邪魔します
ルリ
どうぞ入って下さい
袴田
わー!すごい匂いですね!
ルリ
はい
ルリ
昆虫を飼ってるぐらいですからね
ルリ
中でも一番匂いがきついやつ見ますか?
袴田
はいはーい!見たい見たーい!
小林
おい袴田落ち着けって
袴田
え~いいじゃないすか先輩
袴田
ルリさんの昆虫部屋ですよ?
袴田
ワクワクしちゃうじゃないですか
ルリ
無理もないです
ルリ
ココにはかなり珍しい昆虫がいますからね
袴田
あ!これはエリマキトカゲ!
ルリ
そうです。
ルリ
温度調節が極めて困難なので、育てるのはかなり難しいです
袴田
こんなに大きいのってないよ~
袴田
ねぇ小林先輩?
小林
え、ああ……
小林
そうだな
小林
(全く、)
小林
(何で俺は今こんなとこにいるだ)
小林
(昆虫なんて気持ち悪いだけなのに…)
小林
(昆虫部屋に行かされるなんて、、)
ルリ
これが地球上で最も異臭を放つと言われている虫です
袴田
へ~!……ん?そんなに匂いしないけど
ルリ
はい。今はガラスケースに入ってますから。
ルリ
開けてみましょうか?
袴田
うん!開けてー!
小林
(はぁ?嘘だろおい)
ルリ
では行きますよ?
パカ
袴田
うえぇぇぇぇぇぇ
袴田
臭っさぁああああ
ルリ
かなりキツい匂いです
ルリ
私も慣れるのに3日かかりました
小林
(いや3日で済んだのかよ)
小林
(俺なら一生この匂いとは付き合えないな)
袴田
先輩!もっと近くで嗅いでみてくださいよ
袴田
すごいですよこれ、
小林
いや、俺は遠慮しとく
ルリ
小林さんは、昆虫あまりお好きではないですか?
小林
え!?
ルリ
いや、何となくそんな気がしまして
小林
あ、別にそんなことな
袴田
小林先輩は、虫が大の苦手なんですよ!
小林
(袴田!今それ言うかよお前ー!)
小林
あ、いえ、その…
ルリ
大丈夫ですよ
ルリ
昆虫が嫌いな人は大勢いますから
ルリ
私もそんは人は幾度となく見てきました
ルリ
気を悪くはしてないので安心して下さい
小林
あ、ありがとうございます
小林
(ふぅ、何とかやりきった、)
ルリ
さぁ次の部屋は驚きますよ
ルリ
昆虫が触り放題ですから
袴田
え!?ホントに!?
ルリ
はい
ルリ
こちらの部屋です
ドア(キィ)
袴田
うわぁぁあ!
袴田
まさに昆虫部屋だ!
小林
(う、やべぇ…)
ルリ
ここには約200種の昆虫が部屋を飛び回っています
ルリ
どうぞご自由にご覧になって下さい
袴田
いえーい!
小林
(早く出たいのに、たくっ)
小林
(ん?この虫だけガラスケースに入ってるな)
小林
(綺麗なエメナルド…、)
小林
(虫嫌いの俺でも触れるかな)
パカっ(ガラスケースを外す音)
小林
うわ!
小林
(手に上ってきた…)
小林
(はは。綺麗な色だなぁ)
小林
うびゃあ!!
小林
(何だ!?何かをかけてきやがった)
小林
(クソ、気持ち悪いな…)
小林
(匂いは特にしないな、まぁいいか)
袴田
小林先輩!こっち面白いのがいますよ!
小林
はいはい
1時間後
袴田
今日はありがとうございましたー!
袴田
すごくいい体験でした!
ルリ
いえこちらこそありがとうございました
ルリ
小林さんは大丈夫でしたか?
小林
ぇえ、ああ俺?
小林
大丈夫ですよ…はは
小林
ただ途中で…
袴田
途中ー?
小林
あ、やっぱりいいか
袴田
なんですかー!気になりますー!
小林
え?
小林
いや、途中の昆虫部屋で
小林
虫に変な液体をかけられた時は、
小林
正直ビビったって言おうとしただけさ
袴田
あっはは!
袴田
先輩ドジっすねぇー!
ルリ
液体…?
小林
え、ああ
小林
(何だ急にこの女真顔になりやがったぞ)
ルリ
もしかして、綺麗なエメナルド色をしてましたか?
小林
そ、そうだよ
ルリ
……
袴田
え?ルリちゃんどうかしたの?
ルリ
小林さん
小林
え?何?
ルリ
どんまいですね
小林
へ?
ルリ
それは危険だからガラスケースに入れといたはずなんですけど…
ルリ
その綺麗な姿故にとってしまう人がいるんですよね、あなたのように
小林
…え
ルリ
その虫の名前はマラチドゲと言って
ルリ
液体をかけたその体に
ルリ
目には見えない何千もの卵を産み付けるんです
小林
……
ルリ
体にはそんなに影響はないですが、
ルリ
かけられた箇所から徐々に成長を始め
ルリ
孵化して飛び立つ時までずっとあなたの皮膚の表面にいるのです
ルリ
もし飛び立つ時にあなたが自分の部屋にでもいたら
ルリ
あなたの部屋は何千匹ものマラチドゲで埋め尽くされるわけです
小林
……は?
袴田
先輩~
袴田
どーんまい!