いれいす学パロ

本人様とは一切関係ありません

時刻は午前2時。 生徒会の仕事と勉強が終わったばかり

シーン…

第2話 『勇気のない少年の決意』

結局あいつのせいで全然眠れなかった…

『個性も何も無いのにまだ生きてるなんてね』

また、聞こえる…あの声… 声は…俺だ。俺と…一緒の声… 誰、なの…?

吃驚した……

この前、まろとほとけっちが兄弟ということが発覚してから ほとけっち自身の体調があまり良くなく学校に来てなかった でもこの様子だと完全に体調良くなったみたい

『大切な人も失うことになる』

『そうしたらまた独りぼっちになっちゃうね、可哀想』

『過去のトラウマが忘れられないのかな? あれは自業自得だもんね。だって君は人に優しくしすぎだし 流されやすいし、なにより信じやすい』

フラッ…

『もう倒れちゃったの?残念…まだまだだね』

『ださいなぁ…こんなので倒れちゃうなんて』

バタンッ

『人に迷惑かけてどう?楽しい?楽しいわけないよね』

最近…よく聞こえるようになったな… 昔はそんなこと無かったのに…

元気に駆け寄ってきたのは妹の紬 今は中高一貫校の単位制学校に通ってる 単位制ということをいいことに紬は学校に行ってない 両親は仕事が忙しくて滅多に家に帰ってこないから 二人暮しって言った方が正しいのかもしれない

申し訳なさそうに謝ってくる紬になんだか此方まで申し訳なくなってきた

『君に何ができるの?』

『料理以外の事全部紬に任せてるでしょ?』

もし父さんと母さんが帰ってこないまま 俺が高校を卒業して…そうしたら紬は…

紬はいつも学校行ってない時は1人で、 俺も勉強とか生徒会の仕事で殆ど構ってあげられてないのに …寂しいはずなのに いつもこうやって笑顔で、優しくて 本当に……紬は強いね

バタンッ

シュンッ

『ほら、また逃げてる』

俺は逃げてない。ちゃんと立ち向かえてる…よね……

ガチャッ

『あれ~…このあにきって人初めて見た 虐めがいありそうだね、』

あの事件があった年だ……

『中学一年生の頃、無人は普通に友達もいたし みんなと一緒に遊んだり、楽しい毎日を過ごしてた』

『まろも知ってると思うけど、無人って誰にでも優しいでしょ?』

『その分流されやすいし騙されやすい』

『そのせいで、とある事件が起こったの』

『その後無人はそいつにお金を渡した』

『返すって約束だったのに、そいつからはいつまで経ってもお金はかえってこなかった』

『無人は違和感を覚えてその事について友達に聞いたんだ そしたら、とある人に脅されてというのは嘘だった事が分かった つまり、無人は騙された。殆ど詐欺に合うのと一緒だね』

シュンッ

ピンポーン

ガチャッ

バタンッ

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙｯ

バシッ

バタンッ

『あ~あ、また逃げてる』

プツッ

『いっその事、俺が無人として出てあげてもいいよ?』

なんだ…?いつもより、強いっ…… あ、や、ば……前、見えな…っ…

ここ、は…俺の部屋…?

「えと、お兄ちゃんへ お兄ちゃんが倒れちゃってたから、部屋へ運んでおきました よく頭痛薬飲んでたから、頭痛薬と水置いておいたよ えと…これからの事、私はお兄ちゃんと一緒がいいです 小さい頃からママもパパもいなくて、私を育ててくれたのはお兄ちゃんだから できる限りお兄ちゃんと一緒にいたいんだ 家事とか、そこらへんは任せて 今日、酷いこと言っちゃってごめんなさい 大好きだよ 紬より」

いい子すぎるよ、紬…… 俺よりいい子になっちゃってさ… ずるいよ、こんなの… ……でも、これで完全に決意できた

シュンッ…

バタンッ

ガチャッ、バタンッ

これから、なんだか楽しくなりそうな予感♪