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藤澤
藤澤
藤澤はにこっと笑うと 大森が座っていた 椅子に座った
大森
藤澤
藤澤
藤澤
そこまで促して やっと大森は、はっとしたように 周りを見る
大森の回答次第で この事務所の運命が決まる 状況を打破する回答を 期待するように目線が集中する
大森
大森の呼吸が早くなる 瞳が泳いで動揺しているのが 黒縁のメガネ越しからでも伝わった
大森
大森が震える指で 自分のこみかみをぐっと抑え込む ぎゅっと目をつぶった
大森
自分に言い聞かせるように呟く 指でこめかみをトントンと叩いた もはや、冷静沈着を装う 余裕はないようだ
大森
大森
大森がぼそっと呟くと 藤澤を見上げる
大森
大森
藤澤
大森
藤澤
藤澤
藤澤
大森
藤澤
藤澤
大森
大森
大森は、ぱっと俯くと 少し言い淀む
大森
大森
藤澤
藤澤
藤澤
もちろん、そんなわけは無い それに、あれも大森の コミニュケーションの一つだと 理解していた
しかし、もしもこの場が 録音されていた場合 ここで「嫌いじゃない」と言えば 裁判で一貫性がないと思われる 可能性がある
大森
大森
大森
大森が思った以上に 泣きそうな声で返事をしたので ぐっと心が痛んだ
藤澤
大森
大森の身体がふらっと揺れると すとんと椅子に座る
大森
大森
藤澤
大森
大森
大森
藤澤
藤澤
大森が意外と あっさり、引くので藤澤は焦る
藤澤
藤澤
大森
大森
まるで牙を取られたように 大森が大人しくなってしまう
藤澤
藤澤
大森
大森は本当にどうでも 良さそうに呟く
藤澤
このまま 大森が折れてしまいそうだ
藤澤
本当は藤澤の立場が あやふやになるので 言いたく無かったが仕方ない 藤澤は本題に入った
藤澤
大森
大森はキョトンとして 藤澤を見つめる
藤澤
藤澤
大森
藤澤
会話が録音されている 可能性があるので 藤澤はあくまで 体裁を崩さないまま話す
藤澤
大森
大森
藤澤
藤澤
大森
大森
大森
藤澤
藤澤
大森の表情が歪む なんとも言えない表情だが 陰の感情であることは確かだ
大森
大森
藤澤
大森
藤澤
藤澤
大森
大森が辛そうに俯く ぐっと太ももを掴む
大森
大森
大森
大森
消え入るような大森の声に 藤澤は心が固く締めつけるような 不安の念に駆られた
藤澤
今すぐ「違うよ」と言って 大森を抱きしめたくなった しかし、言葉には出せない むしろ反対の事を藤澤は言った
藤澤
藤澤は立ち上がって 大森に近づくと 頬にそっと触れて 瞳をこちらに向かせた
藤澤
藤澤
大森
大森が藤澤を見る 瞬きをすれば 零れてしまうほど 瞳に涙を溜めて震えている
藤澤
藤澤
大森
大森
大森
大森が頷くと 瞳から涙が零れた
藤澤
大森
大森は、ぐっと何かを 噛み締めるような表情をする
藤澤はまだ何かするつもりかと 身体に力が入った
藤澤
しかし、戸惑いに満ちていた 大森の瞳は、何かを脱ぐように すっと色を消した
大森
大森は今までの 騒動などなかったように 飄々とした顔で立ち上がる
大森
大森
大森が集まった社員に 頭を下げる
社員達は 口々に「あぁ、いやいや…」と 戸惑いつつ反応するだけだ
その中の何人かはちらりと 時計を見た さっさと帰りたいのか この空気が耐えられないのだろう
大森
大森
大森
大森は再び頭を下げる
社員達も戸惑いながらも 同じように頭を上げた
ーーー
大森が社員達を帰らせた後 藤澤が、もう一度話そうと 提案したので3人は会議室に残った
若井と藤澤は 大森から少し離れて座った 今の心の距離を表しているようだ
大森
若井
藤澤
重たい沈黙が流れる 誰も会話の火蓋を切ろうとしない
若井
若井
若井が口を開いたので 2人が若井を見る
若井
藤澤
若井から意外な言葉が出たので 藤澤は驚く
若井
若井は頭を搔くと大森を見る
若井
若井
若井が諦めたような 呆れたような声で言う じっと若井を見ていた大森は 子犬のような顔して俯いてしまう
若井
若井
若井
若井
若井
大森
藤澤
若井の率直な意見に 2人は何も言えなくなってしまう
若井
若井
大森
慌てたように大森が 椅子から立ち上がる
若井
大森
大森
若井
若井
大森
大森
若井
若井
藤澤
大森
大森は怒られてる子供のように ふるふると震えながら 2人を見つめる
若井
大森
大森
若井
若井
若井は勢いよく立ち上がると 大森に詰め寄る
大森は若井の気迫に 怖くなって逃げようとするが 若井が大森の襟首を掴んで 胸元に強く引き寄せた
大森
若井
若井
大森は若井の顔を見ていれらず 目を逸らして下を向いた
大森
若井
大森
若井
若井
大森
大森はキョトンとして 若井を見つめる
大森
若井
若井
大森
大森は首をふる
大森
若井
若井
大森
若井
大森
若井
若井は掴んでいる服を ぱっと離すと 出口に向かって歩き出す
大森
大森が追いかける
若井
若井
大森
若井
大森
大森は若井の腕を掴む
大森
若井はその手を 勢いよく振り払うと 冷たい瞳が大森を射抜く そして冷めた声で言い放った
若井
若井
そして会議室から 出ていってしまう
大森
大森
大森は後を追う勇気すら出ない その場に座り込んだ
藤澤
藤澤
藤澤が声をかけても 大森は虚ろな表情で ゆらゆら揺れている
藤澤
藤澤が大森の肩を揺らす 大森は瞳だけ動かして 藤澤を見る
藤澤
藤澤
大森
藤澤
藤澤が大森をじっと見つめるが 大森は表情が 削げ落ちてしまったように ぼーっとしている
藤澤
大森
藤澤
藤澤は大森の小指に 自分の小指を絡ませた
大森
藤澤は指をそっと解くと 急いで若井を追いかけた
ーーーー
ーーー
ー1時間後ー
大森は自宅に到着すると 倒れるようにベットに寝そべった
大森
あまり動かない頭を ほっておいて ぼんやりと机の上の 飲み物を見つめる
大森
大森は若井の名前を囁く 後悔が心を染める
ポケットから スマホを取り出して 2人から連絡が来ていないか 確認する
しかしLINEのトーク画面は 変わらないままだ 数時間前の何も知らない 3人の会話が愛しく感じる
大森
心が暖かくなると同時に 気が遠くなるほど寂しくなる 今すぐ若井に許してもらいたい 抱きしめてもらいたい
自分は一体 何がしたかったんだろう みっともなく足掻いて さらに関係を悪化させただけだ
じっとLINEトークを見つめる トーク画面に 「ごめんね」と打ち込む
大森
しかし、すぐに消した こういう時になんて 言えばいいんだろう
どんな言葉も 自分の浅ましさを 露呈させるだけのような この想いを伝えることすら なんだが汚いような
大森
大森は布団の中に包まる 言葉は言わないと伝わらない そんなことは分かってる でも、これ以上嫌われたくない
出来るだけ嫌われなくて 気持ち悪くなくて 仲直りが出来る言葉
そんな物を考え出したら 大森はあっという間に 思考の渦に飲み込まれて 溺れそうになった
大森
大森は立ち上がると シャワーを浴びに向かう 気がおかしくなりそうだ
大森が服と脱ごうと 上着に手をつけると きーんと耳鳴りがする
大森
まずいと思って気持ちを 落ち着かせようと 意識して息をゆっくりと吐く
しかし砂嵐に飲み込まれるように 思考が重たくなっていった
……………
大森
再び大森の意識が戻ると 自分は台所に立っていた
大森
ぱっと台所に置いてある時計を 確認する
シャワーを浴びようとしてから 2時間ほど時間が立っていた
大森
大森はポツっと呟く 以前よりまた少し伸びてしまった
大森
周りを見渡すと 何かを作ろうとしていたのだろうか
生のままのパスタや 研いだだけの米 開けっ放しの冷蔵庫 地面に転がる野菜
酷いありさまだ
大森
大森はため息をつく
大森
大森
大森は地面にしゃがむと 散らばった野菜を拾い集めた
ーーー
ーーー
大森は片付けを終わらせると 疲れを感じてベットに倒れ込む
大森
大体、これが起きたあとは 身体も疲れているので すぐに眠たくなる
しかし、心はどことなく すっきりとしているのが なんだが歯がゆい
大森
うとうと、と思考が溶けていく
大森
大森の意識が穴に落ちていくように 沈んで行った
コメント
28件
はじめまして!コメント失礼します! ほんとに作品大好きでいつも楽しみにしてます😍 主様Xでもこのような活動されていますでしょうか!もしされていたらフォローしたいなって思いまして…!🙇♀️
若井さーーん!やめないでねお願いだよ🥺 あと他の方達も言ってるように毎回続きを予想できないうえに期待を遥かに超えてきてくれてすごすぎるし感謝です!! とりまお願いだから3人とも仲直りしてほしい😭
待って本当に展開が予想できないけど毎回期待を100kmくらい上回るの凄すぎないですか!?👏🏻🥹 もっくんの泣きそうな所とかの書き方が上手すぎてまじでう”って来ました、、😖💕 続きガチ楽しみです!!!😽💞