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あぇ、○○ちゃん。

○○

わ、なんだ増田くんか

増田

なんだって何だよ

ははは、と笑っている増田くん。 今日は私が日直だったため、教室で放課後の仕事と日誌の残りの記入をしていた。 そしたら、いきなり入ってきたもんだからびっくりしてしまった。

増田

あ、今日日直だっけ?

○○

覚えてないのも無理ないよほんと。
増田くんほとんど寝てたし。

増田

へへ、ごめん。

○○

日誌に書いて先生にチクるよ?

増田

ごめんて!マジで!謝罪!

なんだか、無駄に素直っていうか、 憎めないのが彼のずるいところで。

増田

手伝うから、ね?

…え?

○○

い、いや、別に冗談だし、
手伝わなくても…

そんな上目遣いでも困るし!

増田

いーや、
俺の正義感が手伝わない事を許してくんねぇから、手伝う。

○○

何それ、え?
いや、ありがたいけども

増田

じゃあそれでいいの!

ほれほれ、○○ちゃんは日誌書いてて、 なんて言って、教室を整え始めた。

…そういうのが、惚れるというか、 だからいろんな子に好かれるというか。

日誌をちょうど書き終えた頃。

増田

…○○ちゃん、書けた?

○○

うん、職員室行ってくるから増田くんは帰っていいよ。なんかごめんね?

私は職員室へ向かった。

○○

さようなら。

がちゃり

職員室から出て、教室へ向かう。 橙と白、黒のきれいな夕焼けが見えて、なんだか切ない気持ちになる。

もうこんな時間だし、帰ろう。 階段を降りて、教室へ入った…

○○

え?

増田

あ、来た。帰ろうぜ。

あれ、私、 帰っていいって言わなかったっけ。

○○

増田くん、私帰っていいって

増田

女子置いてくとかカッコつかねーと思って。

○○

いやいや、そんな、
手伝ってくれた人にそんな…

増田

……だめ?

○○

え?

増田

女子、って言ったけど嘘。
○○置いて行くのがやだった。

放心状態。一体、何を

増田

ねぇ、だめ?
好きなヤツの前でカッコつけんの、ダメ?

そんな__。

“気付かねぇんだもん。 ほんと、鈍感。すき。”

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