狂ってるから迎えに来てよ｡

『狂ってる｡』

見えなくて済むなら､それが一番いい｡

誰が好んで､変なものと関わる…？

人じゃない何かを認識して､ それでも見えてないフリをして｡

普通の人に､なりたかった｡

普通の人に､憧れた｡

だから｡

何であろうと､自分だけを守っていた｡

こんな俺でも､ 人並みに心はある｡

危険な目には遭って欲しくないと､ そう思うのは"普通"だと思う｡

でも、俺は結局…普通じゃない｡

"普通"じゃない、から。

噂は､出回るのが早い｡

でも静まるのは､遅い｡

見たものより､ 多数の人の話に耳を傾ける｡

人の方が､何倍も…怖い｡

それが勘違いや間違いであっても､ 認めることはない｡

自分の脆い安寧を守るために､ 必死なんだから｡

でもあの日､初めて…

初めて、くれた｡

何かが見える話はしなかった､ 気持ち悪いって…言われそうで｡

でもきっと､何を話しても 信じてくれたんじゃないかって…｡

今なら､そう…思う｡

今だから､そうだと思える｡

信じてくれる嬉しさと､

信じてくれてるって､ すごく力になるって教えてくれたから｡

だから……ｯ

初めて会った俺を､信じてくれたように｡

俺も､ずっと｡

いつか、生まれ変われて…

また…逢えた時は、さ。

その時もきっと､ 誰よりもそばにいて…

誰よりも､信じてるから｡

ねぇ､生まれ変われたらさ｡

俺の事､迎えに来てよ｡

またいつか､今度はもっと｡

友達になりたいから｡

「ねぇ､」

狂ってるから､迎えに来てよ｡

来年もまた､ 新しい連載でお会いしましょう✨️ ありがとうございました✌️