作者
江名子が寝落ちしてしまった後の話
あの日
机の上で寝てしまっている彼女を 眺めて30分経った頃
突然電話がきた
Prrrrrrrrrr…
大紀
…ん
大紀
もしもし
樹
一ノ瀬だけど、今 暇?
大紀
んー
大紀
若干、眺めるのに忙しいかも…
樹
眺める?
大紀
とにかく用件は?
樹
さっそく君とバスケがしたくてね
樹
1on1で
大紀
…
大紀
分かった
樹
外のコートで待ってるよ
大紀
さっむっっっ
大紀
こんな日に…
樹
よく来たね
コートに着くと
腕を出し、ネクタイを緩める樹が 歩いてくる
大紀
やる気だね、樹
樹
ああ、今日は聞きたいことあって
樹
まあ、やりながら聞くけど
背中からボールを出したと思うと
目の前でドリブルが始まる
樹
江名子のこと好きなの
大紀
それが聞きたかったこと?
隙を見てボールを奪い、一気にゴールに向かう
ダンッ
大紀
好きだよ
樹
ふう~ん
樹
じゃあ…
途端にボールを奪われ
樹
キスマーク付けたのも君?
大紀
はは
大紀
勘が鋭いな
互いに一歩も譲らない闘いが続いてる
樹
なるほどね…
奪おうとすると
樹
ふ、まだ甘いな
綺麗にかわされ、そのまま レイアップシュート
大紀
ムカつく?
樹
ああ、気にくわないね
辺りにボールの弾む音が響く
樹
江名子がどう思ってるか知らないけど
樹
所詮、学生のお遊びさ
樹
君はモテるから他にいるでしょ
大紀
お遊びか、
大紀
意外と本気かもよ…?
大紀
そういう樹も他の女の子いるでしょ
大紀
早く付き合えっつーの
樹
…っ
樹
出会った時から思ってたけど
樹
このクソガキ☆
大紀
チャラ男
樹
てめえもチャラ男だろ
大紀
樹さんは俺を上回ってるんで、こんな僕がおこがましい~
樹
どうかな、大紀くんも相当モテるもんな~顔だけ(小声)
大紀
シメるよ~?
樹
あ…くそっ!
ドンッッッ
樹が投げたボールが
勢いよく壁にぶち当たる
樹
俺…ずっと我慢してた
樹
江名子はあの人のものだったから
樹
けど、もうやめた
樹
江名子が好きだ。だから
樹
全力で落としに行く
大紀
うん、でも言って良かったの?
大紀
敵だけど
樹
敵だからだよ
樹
お前がいい男だから、余計に負かす
大紀
ありがとう…じゃないな
大紀
俺、自信しかないから
あの後、元カレから江名子を救って
お互いの気持ちを確かめ合って
けど心の奥底では
いつか樹に動いてしまうのでないか
そんな不安も生まれていた






